外国為替証拠金取引(FX)と外貨預金の違いは何ですか?
外国為替証拠金取引(FX)と外貨預金はどちらがおすすめですか?
このようなお悩みをお持ちではありませんか。
結論からお答えすると、投資として大きく利益を残していきたいのであれば、外国為替証拠金取引(FX)がおすすめです。
しかし、外貨預金よりも大きな損失を出すリスクもあります。
そこで本記事では、下記の流れで、外国為替証拠金取引(FX)と外貨預金の違いやおすすめの投資先などについて詳しく紹介します。
- 外国為替証拠金取引(FX)と外貨預金はどんな投資?
- 外国為替証拠金取引(FX)と外貨預金の違い7つ
- 外国為替証拠金取引(FX)と外貨預金はどちらがおすすめ?
本記事を参考にしていただければ、外国為替証拠金取引(FX)と外貨預金の違いを詳しく知ることができ、自分にピッタリの投資先を選ぶことができます。
では早速、「外国為替証拠金取引(FX)と外貨預金はどんな投資?」から紹介します。
外国為替証拠金取引(FX)と外貨預金はどんな投資?
外貨の運用には、ドルやユーロなどの外貨を銀行に預ける「外貨預金」と、さまざまな通貨を取引できる「外国為替証拠金取引(FX)」があります。
どちらも外貨を使った資産運用の方法ですが、実は大きな違いがあります。
まずは、それぞれがどのような投資なのかについてみていきます。
外国為替証拠金取引(FX)とは
FXとは、Foreign eXchangeの略で、異なる2国間の通貨を、証拠金(資金)を担保に取引することです。
FXは差金決済取引という形態で取引され、通貨の買値と売値の差額が損益となります。
たとえば、1ドル100円で米ドルを1万ドル買って、5円の円安(1ドル=105円)になれば5万円の利益になります。
反対に、5円の円高(1ドル=95円)になったら5万円の損失ということです。
また、低金利の通貨を売り、高金利の通貨を買うことで得られるスワップポイント(金利の差額)を得られることも魅力です。
外貨預金とは
外貨預金とは、日本円を米ドルやユーロ、豪ドルなどの外貨に換えて金融機関に預金することです。
出し入れ自由の普通預金と、1カ月〜3年といった満期期間の異なる定期預金があります。
預入期間に応じて利息を受け取ることができます。
また、通貨発行国の金利水準を反映しているので、超低金利の日本国内の定期預金などに比べるとはるかに高い金利を得ることができます。
そして、預入時よりも円安になった時点で換金すれば為替差益を得ることもできます。
外国為替証拠金取引(FX)と外貨預金の違い7つ
外国為替証拠金取引(FX)と外貨預金には次の7つの違いがあるので、以下で詳しくご紹介します。
FX | 外貨預金 | |
---|---|---|
投資期間 | 数秒~長期まで自由 | 1ヶ月~数年 (出し入れ自由なものもある) |
取引コスト (米ドル/円1万通貨) |
10円~200円 | 2500円~20000円 |
レバレッジ | 最大25倍 | 1倍 |
取引時間 | 平日なら24時間可能 | 銀行窓口の営業時間 |
税制優遇 | 損失の繰越控除あり | なし |
金利面 | 毎日 | 解約時に一括 |
利益を得る方法 | 円高、円安どちらでも スワップポイント |
円安のみ 利息 |
投資期間
FXには、数秒~数分で取引を完結する「スキャルピング」や1日で完結する「デイトレード」、数日~数週間、数か月と長期にポジションを保有する「スイングトレード」という3つの投資スタイルがあります。
つまり、個人の裁量によって自由な期間設定で運用することができます。
一方、外貨預金は金融機関によってあらかじめ預入期間が決められていて、解約できるのは原則として満期のときのみになります。
取引コスト
FXでの取引コストには「売買手数料」と「スプレッド」がありますが、現在は売買手数料無料のFX会社が多く、スプレッドが取引コストとなります。
スプレッドは買値と売値の差で、FX会社によって異なりますが、米ドル/円1万ドルの往復の売買で20~30円のところが多いようです。
一方、外貨預金の場合も外貨と交換する際に為替手数料がかかりますが、こちらも金融機関によって違いがあります。
総じてネット銀行のほうが安いですが、それでもFXと比較すれば高いです。
レバレッジ
FXでは、最大25倍までレバレッジをかけて取引することができます。
そのため、預けた資金以上の取引ができるのが特徴です。たとえば、100万円を証拠金として預け、10倍のレバレッジをかければ、1000万円までの通貨取引ができるのです。
そのため、利益が発生すればその分受け取る額も大きくなりますが、反対に損失が出た時にはその損失額も大きくなるので注意が必要です。
一方、外貨預金はレバレッジをかけることはできないので、預けた金額に対する為替差損益しか期待できません。
取引時間
FXは、平日ならほぼ24時間いつでも取引が可能です。
そのため、自分のライフスタイルに合わせて、好きなタイミングで取引することができます。
また、それぞれの通貨には時間によって動くタイミングがあるので、チャンスを逃さずにトレードすることも可能です。
一方、外貨預金の場合、取引できるのは銀行窓口が営業している時間だけです。
また、外貨普通預金のようにいつでも自由に出し入れができるものもありますが、外貨定期預金のように預け入れ期間があらかじめ定まっている場合は満期日までは払戻しができません。
税制優遇
FXの利益は「先物取引に係る雑所得等」として、ほかの所得とは分離されて20.315%の税率が課せられます。
しかし、FXには必要経費の計上が認められています。
「為替差益+スワップポイント」で得た利益から、売買手数料などのFX取引をするのにかかった経費を差し引くことができるので、節税することができるのです。
また、損失が出た場合には、先物取引に係る雑所得等と損益通算でき、3年間の繰越控除をすることもできます。
一方、外貨預金の利息には一律20.315%の税金がかかります。
為替差益に関しては雑所得として総合課税の対象となり、為替差損は他で生じた雑所得と損益通算することができます。
しかし、損失を繰り越して控除することはできません。
金利面
FXでは、低金利の通貨を売り、高金利の通貨を買うことで、その金利差を受取ることができます。
1日あたりの金額は大きくありませんが、スワップポイントは毎日受取ることができるのがFXの魅力の一つです。
ただし、高金利通貨を売って、低金利通貨を買った場合はスワップポイントを支払うことになるので注意してください。
一方、外貨預金の利息は、原則満期後にしか受け取れません。
利益を得る方法
FXは価格が今より上昇すると予測した場合は買い(ロング)、下落すると予測した場合は売り(ショート)の新規注文をエントリーします。
その後、予測したとおりに相場が動いた場合に決済して利益を確定します。
FXの最大の特徴は、為替レートは上がっても下がっても利益を出せる点です。
それは、差金決済取引なので売りからも入れるからです。
つまり、下げ相場でも「高く売って安く買い戻す」ことで利益を上げることができるのです。
一方、外貨預金は買いしかできません。
外国為替証拠金取引(FX)と外貨預金はどちらがおすすめ?
外国為替証拠金取引(FX)と外貨預金には、どちらも一長一短があります。
また、どちらも外国為替を利用する商品なので、為替変動リスクと、その国の政治・経済、社会情勢などのカントリーリスクや地政学的リスクがあります。
ご自身の運用方針やリスク許容度などを考えながら、自分に合っている商品へ投資してください。
- 手間をかけず長期的にゆっくりと資産運用をするなら「外貨預金」がおすすめ
- 短期的に大きな利益を狙いたいなら「外国為替証拠金取引(FX)」
手間をかけず長期的にゆっくりと資産運用をするなら「外貨預金」がおすすめ
外貨預金の金利はほとんどの通貨が日本の金利よりも高くなっています。
FXと違って日々の相場の動きに一喜一憂する必要もなく、強制ロスカットの心配もありません。
そのため、あまり手間をかけずに、しばらく使う予定のないお金をじっくり時間をかけて確実に増やしたいのなら「外貨預金」がオススメです。
短期的に大きな利益を狙いたいなら「外国為替証拠金取引(FX)」
レバレッジをかけて取引できるFXは、少ない資金で大きな利益を狙える取引です。
リスク管理をしっかり行えば、短期的に大きな利益を狙えるチャンスがあります。
ただ、しっかりとした情報収集やテクニカル分析などのスキルを身につけていなければ、大きな損失を被るリスクもあるので注意してください。
FXの始め方なら、下記の記事を参考にしてください。
まとめ:外国為替証拠金取引(FX)や外貨預金のリスクを必ず把握すること
FXのリスクには、
- レバレッジをかけることのマイナス面
- 為替の変動
- 金利の変動
- マイナー通貨の場合流動性が低い
- スリッページ
- オンライン取引の技術的なトラブル
などさまざまなものがあります。
一方、外貨預金も為替の影響を受けるので、元本割れのリスクがあります。
また、外貨預金は預金保険制度(ペイオフ)の対象外となるため、万一銀行が破綻した際の払い戻しは保証されていません。
外貨預金をするときには、利用する銀行が安心できるのかも確認する必要があります。
しかし、これらのリスクはしっかりと対処すれば問題ありません。
FX、外貨預金ともに、しっかりとリスクを把握したうえで取引を開始してください。