FXの移動平均線って何?
FXの移動平均線を使った取引手法についても知りたい!
このようなお悩みをお持ちではありませんか。
FXの移動平均線は、テクニカル分析の一つであり、一般的に多くのトレーダーから人気となっております。
移動平均線を使うトレーダーが多いということは、機能しやすくより高い確率で利益を得やすくなるともいえるのです。
そこで本記事では、下記の流れで移動平均線について詳しく紹介します。
- FX移動平均線とはをわかりやすく解説
- FX移動平均線の種類は3つ
- FX移動平均線の特徴
- FX移動平均線の見方や使い方
- FX移動平均線を使う際の注意点2つ
- 移動平均線のおすすめ期間設定
- FX移動平均線をうまく使いこなすコツは「グランビルの法則」を覚えよう
本記事を最後まで読んでいただければ、移動平均線のことや取引のやり方などを詳しく知ることができ、初心者の方でもFXで利益を上げやすくなります。
では早速、「FX移動平均線とはをわかりやすく解説」から紹介しましょう。
FX移動平均線とはをわかりやすく解説
FXの移動平均線は、テクニカル分析の1つであり、ある一定期間の価格の終値を平均し線で結んだものです。
例えば、5日移動平均平均線であれば、5日間の売買した価格の終値の平均値を出しているということになります。
以下の画像をご覧ください。
上記の画像は、移動平均線を表示させたチャートになります。
為替チャートが下落していると、それにつられて移動平均線も下向きに下がっていることが分かります。
このように、移動平均線を表示させておけば、現在の為替チャートの方向性を視覚的に判断することができるため、初心者の方でも使いやすくおすすめのテクニカル分析です。
また、移動平均線には、期間や種類なども豊富にあります。
以下で、それぞれ詳しく紹介します。
FX移動平均線の種類は3つ
FXの移動平均線には、以下3つの種類があります。
- 単純移動平均線(SMA)
- 指数平滑移動平均線(EMA)
- 加重移動平均線(WMA)
それぞれ詳しく紹介します。
単純移動平均線(SMA)
単純移動平均線(SMA)は、英語で「Simple Moving Average」と表記され、略して「SMA」となります。
ある一定期間の終値を平均し、それを線で結び表示させたものです。
例えば、5日移動平均線であれば、5日間の終値を平均し線で結び表示しております。
一般的に、移動平均線の中でも最も人気のある種類であるため、多くのトレーダーが使っております。
移動平均線をこれから使うという方は、まずは「SMA」から使ってみると良いでしょう。
指数平滑移動平均線(EMA)
指数平滑移動平均線(EMA)は、英語で「Exponentially smoothed Moving Average」と表記され、略して「EMA」となります。
ある一定期間の終値を平均し、さらに直近の価格に比重を置いて計算しそれを線で結び表示させたものです。
計算式は、以下のようになります。
- 1日目は、単純移動平均線と同じように一定期間の終値の平均で計算
- 2日目は、「前日の指数平滑移動平均線+K×(当日終値-前日の指数平滑移動平均線)」で計算
- Kは2÷(n+1)で計算をし、nは指定した期間を指す 指数平滑移動平均線の計算式は、直近の為替レートを2倍にして計算
上記のように、直近の値動きに比重を置き計算することにより、直近の値動きを重視した動きになるのです。
SMAよりもEMAのほうが早く為替レートの値動きに反応するため、トレンドの初動をつかみやすくなります。
加重移動平均線(WMA)
加重移動平均線(WMA)は、英語で「Weighted Moving Average」と表記され、略して「WMA」となります。
指数平滑移動平均線(EMA)と同じように、ある一定期間の終値を平均し、さらに直近の価格に比重を置いて計算しそれを線で結び表示させたものです。
計算式は、以下のようになります。
- (当日値×n+前日値×(n-1)+・・n-1日前日値×1)÷(n+(n-1)+・・+1)
上記の計算式のnは移動平均線の日数です。
加重移動平均線は単純に平均するのではなく、新しい値に加重を掛けて計算しています。
具体的には平均を出す期間の初日を1とした場合、2日目は2で3日目は3となります。
最後の日はn倍にして計算します。
このように、直近の値動きに比重を置き計算することにより、より為替レートの動きに敏感に反応するようになります。
また、指数平滑移動平均線(EMA)と加重移動平均線(WMA)は、計算方法は異なりますが、トレンドの初動をつかみやすいというメリットがあります。
では、3つの移動平均線を表示させ、値動きに対してどのくらい敏感なのかを比較したものがあるので、具体的に知りたい方は、下記の記事をご覧ください。
FX移動平均線の特徴
ここでは、FX移動平均線の特徴を詳しく解説します。
視覚的に相場状況を把握しやすく初心者におすすめ
移動平均線は、トレンドの流れや強弱を視覚的に判断することができます。
以下の画像をご覧ください。
上記の画像のように、為替レートが下落していると、それに沿って移動平均線も下落していることが分かります。
このように、移動平均線の向きが下落していると為替レートは下落相場、向きが上昇していれば為替レートは上昇相場ということを分析することができます。
続いて、以下の画像をご覧ください。
上記の画像のように、移動平均線の角度がより急であるほど、その方向がより強いとなります。
そのため、急角度で上昇していれば上昇がより強い、急角度で下落していればより下落が強い、と分析することができます。
移動平均線をチャート上に表示させておけば、向きや角度で相場分析を簡単に行うことができるので、初心者でも使いやすくおすすめです。
FX移動平均線の見方や使い方
ここでは、移動平均線の見方や使い方などを詳しく紹介します。
サポートラインやレジスタンスラインとして使う
移動平均線は、サポートラインやレジスタンスラインとして使うことができます。
- サポートラインとは、それ以上為替レートが下がりづらくなるポイント
- レジスタンスラインとは、それ以上為替レートが上がりづらくなるポイント
まずは、以下の画像をご覧ください。
移動平均線にあたって、反発し上昇していることが分かります。
少し移動平均線を抜けている部分もありますが、しっかりと反発していますよね。
このように、移動平均線は、サポートラインとして活用することができるのです。
続いて、以下の画像をご覧ください。
移動平均線にあたって、反発し下落していることが分かります。
多少移動平均線を抜けている部分もありますが、しっかりと反発していますよね。
移動平均線は、レジスタンスラインとしても活用することができるのです。
サポートラインやレジスタンスラインを抜けてしまった場合
移動平均線のサポートラインやレジスタンスラインを抜けてしまった場合は、トレンドが大きく変わる可能性があります。
例えば、レジスタンスラインとして期待されていた移動平均線を為替レートが割り込んでしまうと、もっと下がるかもしれないという投資家の不安感が強まるので一気に下落する可能性があります。
以下の画像をご覧ください。
上記チャートの左側では、レジスタンスラインとして機能していたことが分かります。
しかし、四角の部分で一気にレジスタンスラインを抜いけたことにより、上昇もあるのではないかと考えるようになるのです。
その後、なかなか下げることはなく、逆に上昇に転じていることが分かります。
必ず反転するわけではありませんが、これまで支えてきたレジスタンスラインやサポートラインを抜けると、逆方向に為替レートが動く可能性もあります。
異なる2つの期間の移動平均線を使う場合に起きる現象
移動平均線を使った手法として、異なる2つの期間の移動平均線を使う場合に起きる現象を利用した以下の2つがあります。
- ゴールデンクロス
- デッドクロス
それぞれを詳しく解説します。
ゴールデンクロス
ゴールデンクロスとは、短期移動平均線が長期移動平均線を下から上へ突き抜けることであり、直近の価格傾向が上向きに転じたと予測できるため、買いサインとなります。
以下の画像をご覧ください。
ゴールデンクロスの発生後、為替レートが上昇していることが分かります。
従って、ゴールデンクロスが発生すれば、これから上昇する確率が上がるため、買いのサインになります。
デッドクロス
デッドクロスは、ゴールデンクロスとは逆に、短期移動平均線が長期移動平均線を下から上へ突き抜けることであり、直近の価格傾向が下向きに転じられたと予測できるため、売りサインとなります。
以下の画像をご覧ください。
デッドクロスの発生後、為替テートが下落していることが分かります。
従って、デッドクロスが発生すれば、これから下落する確率が上がるため、売りのサインになります。
FX移動平均線を使う際の注意点2つ
FXの移動平均線を使うときには、以下2つのことに注意しましょう。
- だましに気をつける
- シグナルの発生にタイムラグが生じる
それぞれを詳しく解説します。
「だまし」に気をつける
移動平均線のゴールデンクロスやデッドクロスの発生後に取引を行っても、必ず思い通りの取引になるわけではありません。
なぜならば、「だまし」と呼ばれる誤ったサインが発生する可能性もあるからです。
以下の画像をご覧ください。
上記の画像では、ゴールデンクロスが発生しているが、その後下落していることが分かります。
「だまし」が起こる原因は、ゴールデンクロスやデッドクロスは多くのトレーダーも予測しやすく、裏をかいて利益を獲得しようというトレーダーも存在するからです。
ゴールデンクロスが出る前に勝っておき、ゴールデンクロスの発生後に売って利益を獲得しようという流れがあると、為替レートは一時的に下落をしてしまいます。
そのため、ゴールデンクロスの発生後に買いポジションを持ったとしても、だましにあい逆に損失を出してしまうときもあるのです。
また、「だまし」にはもう1つあり、レンジ相場でのクロスがあります。
レンジ相場とは、為替レートに方向感がなく、同じ水準の価格を行ったり来たりすること。
以下の画像をご覧ください。
上記の画像は、方向感がなくレンジ相場になっていることが分かります。
レンジ相場の場合は、ゴールデンクロスをしたとしてもレンジを抜けだすことはできず、またレンジ相場に戻ってしまうことがあります。
「だまし」の対処法としては、必ずエントリーと同時にストップ注文(逆指値注文)を一緒に発注しておきましょう。
だましを完璧に見抜く方法はないため、ストップ注文をだし必ず損失を限定させておく必要があります。
ゴールデンクロスやデッドクロスの発生を確認したからといって、必ずその方向に為替レートは動かないということを覚えておきましょう。
シグナルの発生にタイムラグが生じる
移動平均線はシグナルが発生したときに、タイムラグが生じるので注意しましょう。
過去の終値の動きで将来のレートを分析する移動平均線は、常にチャートを追いかける変動します。
移動平均線は相場よりも先行しないので、シグナルが発生してもすぐには判断できません。
タイムラグをできるだけなくすには、直近の為替レートに重きを置いた加重移動平均線や指数平滑移動平均線を使って分析しましょう。
移動平均線のおすすめ期間設定
移動平均線には、5日や10日また100日や200日など、様々な期間があります。
そのため、初心者の方は、どの期間を設定すればよいのか迷う方も多いといえます。
そこで初心者におすすめする期間は、「25」や「50」などの区切りのよい期間がおすすめです。
加えて、確認したいトレンドによって期間を設定するとよいでしょう。
具体的には以下のように期間を設定します。
- 短期的なトレンドを把握したい場合 「5」、「15」、「20」、「25」
- 中期的なトレンドを把握したい場合 「50」、「75」
- 長期的なトレンドを把握したい場合 「100」、「200」
移動平均線の期間設定について詳しく知りたい方は、下記の記事をご覧ください。
FX移動平均線をうまく使いこなすコツは「グランビルの法則」を覚えよう
FX移動平均線をうまく使いこなすには、「グランビルの法則」を覚えましょう。
グランビルの法則とは、金融記者のジョセフ・E・グランビルが考案した取引手法です。
移動平均線と為替レートの乖離率や方向性から、為替レートの動きを予測します。
グランビルの法則では、全部で8つのエントリーポイントがあります。
以下の画像をご覧ください。
買い注文の場合は、以下の通りです。
- ①移動平均線が上向きになり、為替レートが下から上に突き抜けた場合
- ②移動平均線が上向きの状態で為替レートが一時的に下落し、一旦移動平均線を下向けしたが再度移動平均線を上抜けした場合
- ③移動平均線が上向きの状態で為替レートが一時的に下落し、移動平均線を下抜けせずに再度上昇を見せた場合
- ④移動平均線が下向きの状態で、乖離率がある場合
売り注文の場合は、以下の通りです。
- ⑤移動平均線が下向きになり、為替レートが上から下に突き抜けた場合
- ⑥移動平均線が下向きになり、為替レートが上から下に突き抜けた後に再度移動平均線に戻ってきた場合
- ⑦移動平均線が下向きの状態で為替レートが一時的に上昇し、移動平均線の手前で再度下落を見せた場合
- ⑧移動平均線が上向きの状態で、乖離率がある場合
一通り移動平均線の使い方が分かった後は、グランビルの法則を覚えてより移動平均線を使いこなしてみましょう。
また、その他の取引手法についても知りたい方は、下記の記事を参考にしてください。
まとめ:FX初心者には移動平均線がおすすめ
移動平均線は、テクニカル分析の1つであり、ある一定期間の価格の終値を平均し線で結んだものです。
期間の異なる移動平均線を複数表示させることにより、売りサインや買いサインを視覚的に判断することができるため、初心者の方でも使いやすいテクニカル分析方法です。
これからFXを始める初心者の方は、是非一度移動平均線を表示し取引を行ってみましょう。