
移動平均線の期間設定は、どうやって決めればよいのだろう?

移動平均線の期間設定は、何日間と何日間の組み合わせがおすすめなの?
移動平均線を使い始める際に、期間設定は何日間にするかで悩みますよね。
おすすめの期間を設定したからと言って必ず利益を上げられるようになるわけではありませんが、適当に設定したところで意味がありません。
そこで今回は、
- 移動平均線の期間設定は区切りの良い数字を意識しよう
- 移動平均線の期間設定の決め方
- 【取引スタイル別】移動平均線の期間設定の決め方
- 【基本】移動平均線の使い方
- 異なる期間の移動平均線を組み合わせた実践的な取引手法3つ
- 移動平均線の期間設定を決めるやり方
- FXで利益を出す秘訣は資金管理が一番大切
という流れで詳しく紹介します。
本記事を参考にしていただければ、多くのトレーダーが使っている期間設定を知ることができるため、移動平均線を使ってより優位性のある取引を行えるようになります。
では早速、「移動平均線の期間設定は区切りの良い数字を意識しよう」から紹介しましょう。
移動平均線の期間設定は区切りの良い数字を意識しよう
移動平均線の期間設定に正解はありませんが、初心者の方は何日間がいいのかという疑問にぶつかると思います。
結論からお答えすると、移動平均線の期間設定は、区切りの良い数字を意識するのがポイントです。
なぜならば、区切りの良い数字は、多くの投資家たちが意識しているからです。
例えば、区切りの良い数字とは、「5」「10」「15」などがあります。
相場は、一般的に投資家の心理状態が反映されていくため、多くの投資家が意識してる期間設定でなければあまり機能しづらいとも言えます。
従って、一般的に多くの投資家が意識している「5」「10」「15」などといった、区切りの良い数字で設定することがポイントです。
そもそも移動平均線とは?

移動平均線の期間設定も重要ですが、そもそも移動平均線のことしっかりと理解していなければ、使いこなすことは出来ないので、あまり理解していない方はここでしっかりと理解しましょうね!
移動平均線は、テクニカル分析の1つであり、一定期間の価格の終値を平均しそれを線で結んだものです。
テクニカル分析とは、過去のチャートから未来の為替レートを予測する分析方法のこと。
例えば、5日移動平均線であれば、5日間の終値を平均し線で結んだものを表示していることになります。
移動平均線は、短期移動平均線・中期移動平均線・長期移動平均線に分かれており、短期のトレンドを確認したいときは短期移動平均線、中期のトレンドは中期移動平均線、長期のトレンドは長期移動平均線を確認します。
そもそも移動平均線をまだ理解していないという方は、下記の記事をご参考にしてください。
移動平均線の期間設定の決め方3つ
移動平均線の期間設定は、区切りの良い数字を意識するのがポイントだということがわかりましたね。
ここでは、
- 短期移動平均線の期間設定
- 中期移動平均線の期間設定
- 長期移動平均線の期間設定
に分けて、それぞれの期間設定について詳しく紹介します。
決め方①短期移動平均線の期間設定
短期移動平均線の期間設定は、以下の通りです。
- 「5」「15」「20」「25」
短期移動平均線の場合は、「5」「15」「20」「25」といった期間を選びましょう。
決め方②中期移動平均線の期間設定
中期移動平均線の期間設定は、以下の通りです。
- 「50」「75」
中期移動平均線の場合は、「50」「75」といった期間を選びましょう。
決め方③長期移動平均線の期間設定
長期移動平均線の期間設定は、以下の通りです。
- 「100」「200」
長期移動平均線の場合は、「100」「200」といった期間を選びましょう。
【取引スタイル別】移動平均線の期間設定の決め方3つ
ここでは、以下3つの取引スタイルごとにおすすめの期間設定を紹介します。
- スキャルピング
- デイトレード
- スイングトレード
決め方①スキャルピングのおすすめ期間設定
スキャルピングにおすすめの期間設定は、以下の通りです。
- 「5」「15」「20」「25」
また、逆張りといってトレンド方向と逆ポジションで利益を得る取引では、中期移動平均線にタッチした瞬間の反発を狙う方法もあり、上級者は以下の期間設定を使われる場合もあります。
- 「75」
逆張りは、上級者向けのため、初心者はやめておきましょう。
スキャルピングの取引手法については、下記の記事で詳しく解説しています。
決め方②デイトレードのおすすめ期間設定
デイトレードにおすすめの期間設定は、以下の通りです。
- 「20」「50」「75」
デイトレードでは、短期移動平均線と中期移動平均線を組み合わせるのがおすすめです。
デイトレードの取引手法については、下記の記事で詳しく解説しています。
決め方③スイングトレードのおすすめ期間設定
スイングトレードにおすすめの期間設定は、以下の通りです。
- 「75」「100」「200」
スイングトレードでは、中期移動平均線と長期移動平均線を組み合わせるのがおすすめです。
スイングトレードの取引手法については、下記の記事で詳しく解説しています。
【基本】移動平均線の使い方3つ
移動平均線の基本的な使い方は、以下の通りです。
- 移動平均線の向きでトレンドを確認する
- 移動平均線の角度でトレンドを強弱を確認する
- 乖離率を確認し売られすぎか買われすぎかを確認する
以下で、それぞれ詳しく紹介します。
使い方①移動平均線の向きでトレンドを確認する
移動平均線の向きによって、現在のトレンドを確認することができます。
相場は、上昇トレンド・下落トレンド・レンジの3つのトレンドに分けることができます。
基本的に、上昇トレンドの場合は買い、下落トレンドの場合は売り、レンジの場合は様子見です。
以下の画像をご覧ください。
移動平均線に方向感がなく平行であればレンジ、上向きであれば上昇トレンド、下向きであれば下落トレンドということが分かります。
移動平均線を表示させておけば、向きを確認することによりすぐに現在のトレンドを把握することができるようになります。
使い方②移動平均線の角度でトレンドを強弱を確認する
移動平均線の角度を見ることにより、現在のトレンドの強弱を確認することができます。
以下の画像をご覧ください。
移動平均線の角度が急であるとトレンドが強く、滑らかになってくるとトレンドが弱くなってくることがわかります。
移動平均線の向きが滑らかということは、トレンドの終わりを予測することができます。
トレンドの強弱を分析することができれば、エントリーや利確の精度を上げ優位性の高い取引が可能となります。
使い方③乖離率を確認し売られすぎか買われすぎかを確認する
移動平均線と為替レートの乖離率を見ることにより、現在の相場が売られすぎか買われすぎているかを確認することができます。
以下の画像をご覧ください。
移動平均線と為替レートが離れすぎていると、吸い寄せられるように戻っていることが分かります。
相場は、一時的に買われすぎて急上昇すると、値動きが収縮し元に戻ろうとする傾向にあります。
移動平均線と為替レートの乖離率を確認し、収縮するタイミングを狙って取引をすることもできます。
異なる期間の移動平均線を組み合わせた実践的な取引手法3つ
ここでは、異なる3つ(短期・中期・長期)の移動平均線を使った実践的な取引手法を3つ紹介します。
異なる3つ(短期・中期・長期)の移動平均線を表示させることで、より精度の高い取引が可能となります。
だからといって、4つや5つ表示させても逆にチャートが見づらくなってしまうため、短期・中期・長期の3つがおすすめです。
それでは、紹介していきます。
組み合わせ①ゴールデンクロス
ゴールデンクロスは、短期移動平均線が長期移動平均線を下から上へ突き抜ける現象のことです。
直近の価格傾向が上向きに転じたとみられるため、買いサインとなります。
以下の画像をご覧ください。
黄色は短期移動平均線(25日)、赤色は中期移動平均線(75日)、青色は長期移動平均線(100日)です。
黄色の短期移動平均線が青色の長期移動平均線を下から上へ突き抜け上昇していることが分かります。
上昇トレンドが強くなると、上から黄色の短期移動平均線(25日)→赤色の中期移動平均線(75日)→青色の長期移動平均線(100日)という並びになるのです。
ゴールデンクロスは買いのサインと覚えておきましょう。
組み合わせ②デッドクロス
デッドクロスは、短期移動平均線が長期移動平均線を上から下へ突き抜ける現象のことです。
直近の価格傾向が下向きに転じたとみられるため、売りサインとなります。
以下の画像をご覧ください。
黄色は短期移動平均線(25日)、赤色は中期移動平均線(75日)、青色は長期移動平均線(100日)です。
黄色の短期移動平均線が青色の長期移動平均線を上から下へ突き抜け下落していることが分かります。
下降トレンドが強くなると、上から青色の長期移動平均線(100日)→赤色の中期移動平均線(75日)→黄色の短期移動平均線(25日)という並びになるのです。
デッドクロスは売りのサインと覚えておきましょう。
組み合わせ③グランビルの法則
グランビルの法則は、アメリカのチャート分析家であるジョセフ・E・グランビルが考案した、移動平均線と為替レートの乖離率や方向性を見ることで、為替レートの相場を予測するトレード手法です。
合計で8つのエントリーポイントがあります。
以下の画像をご覧ください。
買い注文の場合は、以下の通りです。
- ①移動平均線が上向きになり、為替レートが下から上に突き抜けた場合
- ②移動平均線が上向きの状態で為替レートが一時的に下落し、一旦移動平均線を下向けしたが再度移動平均線を上抜けした場合
- ③移動平均線が上向きの状態で為替レートが一時的に下落し、移動平均線を下抜けせずに再度上昇を見せた場合
- ④移動平均線が下向きの状態で、乖離率がある場合
売り注文の場合は、以下の通りです。
- ⑤移動平均線が下向きになり、為替レートが上から下に突き抜けた場合
- ⑥移動平均線が下向きになり、為替レートが上から下に突き抜けた後に再度移動平均線に戻ってきた場合
- ⑦移動平均線が下向きの状態で為替レートが一時的に上昇し、移動平均線の手前で再度下落を見せた場合
- ⑧移動平均線が上向きの状態で、乖離率がある場合
グランビルの法則は、為替相場以外にも株やゴールドなどの相場の世界でも有名なトレード手法の1つです。

少し難しですが、グランビルの法則を使いこなせるようになれば、より優位性の高い取引が可能となります。
移動平均線の期間設定を決めるやり方
ここでは、外為どっとコムの取引ツール「外貨NEXTneo」を使って、移動平均線の期間設定のやり方を手順化し紹介します。
【手順①】チャートの左側の赤枠をクリック
【手順②】単純移動平均線をチェックしそれぞれの期間を設定していく
たった2ステップで行うことができるため、ぜひ参考としてください。
FXで利益を出す秘訣は資金管理が一番大切
多くのトレーダーは、FXで利益を上げるコツは取引手法と思っている方が多いと思われますが、実は資金管理が一番重要です。
資金管理とは、1回の取引の損失額を把握しどのくらいのポジションを保有するのかを管理する能力のことです。
極論、何十連敗何百連敗しても資金がなくならないことを把握する能力とも言い換えられます。
資金管理のやり方は様々ですが、初心者でも取り組みやすいものとして損切りがあります。
損切りとは、損失を確定させる行為ですが、同時に損失から自分の資金を守ってくれる役割もあります。
移動平均線の期間設定も大切ですが、資金管理の一つとして、損切りもしっかりと学びましょう。
損切りの具体的なやり方については、下記の記事を参考にしてください。
まとめ:移動平均線の期間設定も大切だが資金管理のほうがさらに大切
移動平均線の期間設定は、「25」「75」「100」など区切りの良い数字がおすすめです。
ただし、区切りの良い数字を設定したからと言って、FXで利益を得られるようになるかといえばそうではありません。
どんなに良い取引手法を持っていたとしても、資金管理が正しく行われていなければFXで大きな損失を出すリスクのほうが高まるだけです。
移動平均線の期間設定をしっかりと行った後は、資金管理についても学びましょう。
