FXのニューヨーク時間の特徴って何?
FXのニューヨーク時間を利用したおすすめの取引手法は?
このようなお悩みをお持ちではありませんか。
結論から申し上げると、FXのニューヨーク時間は三大市場の中でも2番目に取引量が多い市場であり、特に日本時間22時~24時の間は1日の中で最も取引量が多い時間帯となります。
取引量が多いということは、それだけボラティリティも高いということのため、慎重に取引を行わなければいけない時間帯です。
そこで本記事では、下記の流れでニューヨーク時間の特徴や注意点、取引戦略などについて詳しく紹介します。
- FXニューヨーク時間とは
- FXニューヨーク時間の特徴4つ
- FXニューヨーク時間で取引する際の注意点3つ
- FXニューヨーク時間でのトレード戦略
- FX初心者がニューヨーク時間で利益を得るのが難しい理由
本記事を最後まで読んでいただければ、ニューヨーク時間で利益を得やすい取引手法を知ることができます。
では早速、「FXニューヨーク時間とは」から解説していきます。
FXニューヨーク時間とは
FXのニューヨーク時間とは、日本時間の午後22~午前6時(冬時間は午後23~午前7時)までの間に開いている市場です。
主に、アメリカやカナダの機関投資家や銀行などが参入しており活発に取引がなされています。
日本時間の22時ころは、ロンドンを中心とした欧州市場と重なっており、一日の中でも一番相場が活発に動きやすい時間帯です。
また、サマータイム制度(毎年3月の最終日曜日から10月の最終月曜日)も導入されており、夏時間と冬時間では取引時間が異なります。
日本ではなじみがないかもしれませんが、ニューヨーク時間で取引を行う際は、覚えておきましょう。
FXニューヨーク時間の特徴4つ
FXのニューヨーク時間の特徴は、次の通りです。
- 三大市場の中では2番目の取引量を誇る
- 重要な経済指標発表が多い
- 日本時間22時~24時の間は1日の中で最も取引量が多い
- 雇用統計発表や政策金利発表の日は取引量が低い傾向にある
それぞれ詳しく紹介します。
三大市場の中では2番目の取引量を誇る
FXのニューヨーク時間は世界で2番目の取引高を誇ります。
以下は、国際決済銀行(BIS)が発表した国別為替取引量シェア推移です。
2013年 | 2016年 | 2019年 | |
---|---|---|---|
東京市場 | 5.6% | 6.1% | 4.5% |
欧州市場 | 40.8% | 36.9% | 43.1% |
ニューヨーク市場 | 18.9% | 19.5% | 16.5% |
出典:国際銀行(BIS)
上記の表からも分かるように、ニューヨーク市場は欧州市場と比較すると取引量は少ないものの、東京市場よりも活発に取引されていることが分かります。
重要な経済指標発表が多い
ニューヨーク時間では、重要な経済指標発表が多いという特徴があります。
その中でも特に覚えておきたいアメリカの経済指標発表は、雇用統計とFOMC政策金利発表です。
雇用統計は、毎月の第一金曜日の午後21時半(冬時間なら午後22時半)に発表されます。
一般的に、月に一度のお祭りとも呼ばれており、発表前後は値動きが活発に動きやすくなります。
また、FOMCは連邦公開市場委員会のことで、年間で8回発表されます。
雇用統計やFOMCは、世界中のトレーダーが注目しているため、覚えておきましょう。
雇用統計について詳しく知りたい方は、下記の記事を参考にしてください。
日本時間22時~24時の間は1日の中で最も取引量が多い
日本時間22時~24時の間は、1日の中で最も取引量が多くなります。
なぜなら、世界で一番の取引量を誇る欧州時間とニューヨーク市場が重なる時間だからです。
取引量が多くなるということは、その分値動きも活発になります。
取引を始める際は、日本時間22時~24時の間は、1日の中で最も取引量が多くなることを覚えておきましょう。
ドルストレートの通貨ペアが取引されやすい
ニューヨーク時間は、米ドルやカナダドルといった通貨ペアが活発に動きやすくなります。
なぜなら、アメリカの銀行や金融機関がメインで取引を行っているため、自国通貨が扱われやすくなるからです。
取引量が多いということは、その分値動きが活発になりやすいといえます。
市場が開いている時間帯によって、扱われやすい通貨があるということを覚えておきましょう。
FXニューヨーク時間で取引する際の注意点3つ
FXの欧州時間での取引で取引を行う際の注意点は、以下の通りです。
- サマータイム制を導入しているため取引時間帯に注意する
- 雇用統計発表や政策金利発表の日は取引量が低い傾向にある
- ニューヨークオプションカットに注意する
それぞれ詳しく紹介します。
サマータイム制を導入しているため取引時間帯に注意する
アメリカやカナダでは、サマータイムを導入しており、時期によって夏時間か冬時間かが異なります。
アメリカのサマータイムは、3月の第2日曜日から始まり、11月の第1日曜日に終了します。
以下は、各市場のサマータイムの時間帯となります。
市場 | 夏時間 | 冬時間 |
---|---|---|
東京市場 | 9時~15時 | 9時~15時 |
ロンドン市場 | 16時~26時 | 17時~27時 |
ニューヨーク市場 | 21時~6時 | 22時~7時 |
サマータイムでは、1時間の時差があるため、覚えておきましょう。
雇用統計発表や政策金利発表の日は取引量が低い傾向にある
雇用統計発表や政策金利発表の日は取引量が低い傾向にあるので、取引をする際には注意が必要です。
なぜなら、指標の結果によって為替相場が大きく動く可能性があるからです。
ひとつの例を見てみましょう。
2020年8月7日にアメリカの雇用統計が発表され、非農業部門雇用者数と平均時給が予想を大幅に上回る結果となりました。
その結果、ユーロドルの為替レートは以下のとおりに動きました。
上記の画像からも分かると通り、レンジ相場から一転してドル高に動いたのです。
その週のユーロドルの通貨ペアの取引量は以下の通りです。
日付 | 取引量 |
---|---|
8月5日 | 2,811枚 |
8月6日 | 1,904枚 |
8月7日 | 2,405枚 |
8月8日 | 3,097枚 |
8月9日 | 3,761枚 |
8月10日 | 3,260枚 |
出典:株式会社東京金融取引所
1枚とは10,000通貨単位のことです
上記の表からも分かる通り、雇用統計発表の前日と当日は取引量が大幅に減っています。
このことからも分かるように、雇用統計後や政策金利発表後の為替の動きは読みにくいのでポジションを持つ人が減るのです。
急激な為替変動による損失を防ぐためにも、雇用統計発表や政策金利発表の日はポジションを持たないでおきましょう。
ニューヨークオプションカットに注意する
日本時間の午後11時(冬時間では午前0時)にニューヨークオプションカットが行われており、為替が大きく動きやすくなるので注意しましょう。
ニューヨークオプションカットとは、通貨オプションの権利行使の締め切り時間のことです。
値動きが激しくなりやすいということは、その分損失を出すリスクもあります。
特に、初心者の場合は、損失のリスクが大きくなります。
なるべく、ニューヨークオプションカットの前後では、取引を行わないようにしましょう。
FXニューヨーク時間でのトレード戦略
ここでは、ニューヨーク時間でのトレード戦略について紹介します。
- 通貨ペアは「米ドル/円」がおすすめ
- トレンドフォローの順張りが基本
- テクニカル指標は「移動平均線」がおすすめ
それぞれ詳しく紹介します。
通貨ペアは「米ドル円」がおすすめ
ニューヨーク時間におすすめの通貨ペアは、「米ドル円」です。
なぜなら、流動性が高く日本人にとってなじみのある通貨だからです。
米ドル円の取引量は世界で第2位となっており、他の通貨ペアに比べて流動性があります。
特にニューヨーク時間ではドルストレートの取引が活発に取引されるので、ドル円の為替も動きやすくなるのです。
また、米ドルは日本人にとってなじみのある通貨です。
他の通貨とは異なり、為替が動く要因となる情報を入手しやすいというメリットがあります。
米ドル円がおすすめの理由をさらに詳しく知りたい方は、下記の記事を参考にしてください。
トレンドフォローの順張りが基本
ニューヨーク市場の時間帯では、トレンドフォローの順張りがおすすめです。
トレンドフォローとは、長期足のトレンドに沿った取引を行うことです。
ニューヨーク時間に限らず、FXではトレンドフォローが基本となります。
初心者の方こそ、基本に忠実に取引に取り組みましょう。
テクニカル分析は「移動平均線」がおすすめ
テクニカル分析は、移動平均線がおすすめです。
なぜならば、チャート上に表示させれば、視覚的にトレンドの流れや強弱を把握できるため、初心者の方には使いやすいからです。
複雑なテクニカル分析を使っても、かえって取引しづらくなってしまいます。
初心者の方は、シンプルな移動平均線から使うことがおすすめです。
移動平均線について詳しく知りたい方は、下記の記事をご覧ください。
FX初心者がニューヨーク時間で利益を得るのが難しい理由2つ
FXニューヨーク時間で利益を得るのが難しい理由は、以下の通りです。
- 市場の流動性が高い傾向にあるため初心者がいきなり利益を得るのは難しい
- 日本時間の夜のため疲れており注意力が半減してしまう
それぞれ詳しく紹介します。
市場の流動性が高い傾向にあるため初心者がいきなり利益を得るのは難しい
ニューヨーク時間は他の時間帯に比べて流動性が高く、初心者がいきなり利益を得るのは難しいといえます。
流動性の高い時間帯はボラティリティが高くなるので、為替の変動が激しい傾向にあります。
特に午後22時~24時の時間帯は一日のうちでもっとも参加者が多くなるので、ボラティリティも高めです。
そのため、初心者の方は1000通貨で取引をするなど、リスクを抑えた取引をすることが大切です。
1000通貨とは?という方は、下記の記事を参考にしてください。
日本時間の夜のため疲れており注意力が半減してしまう
ニューヨーク市場が開いている時間は、日本時間の22時~午前6時(冬時間は午後23~午前7時)です。
夜の時間帯に取引をするので、疲労がたまっていると注意力を失いやすくなります。
取引すべきでないチャートでポジションを持つといった中途半端な取引をしてしまいやすくもなります。
ニューヨーク時間で取引をする際は、体調が整った状態にしておくことが大切です。
FXニューヨーク時間は日本のサラリーマンと相性が良い
FXニューヨーク時間は、日本のサラリーマンと相性が良い時間帯といえます。
日本時間の22時は会社員の方は家にいる時間帯なので、FX取引がしやすいでしょう。
また、22時~24時の間は、一日の中で最も取引量が多い時間帯でもあるため、うまくいけば大きな利益を狙うことも可能です。
ただし、ボラティリティが大きいということは、その分損失を出す可能性もあります。
リスクを許容した取引を行えば、サラリーマンでもFXに取り組むことができます。
まとめ:FXニューヨーク時間は忙しい方との相性が良い時間帯
ニューヨーク時間は世界で2番目に取引量が多く、特に日本時間の22~24時(冬時間は午後23~午前1時)には欧州時間と重なっていることもあり、もっとも活発に為替が動きやすくなる時間帯でもあります。
また、重要な経済指標発表が多いという特徴もあります。
ただし、ボラティリティが高く為替チャートが激しく動くこともあるので、初心者の方はリスクの低い1000通貨からの取引がおすすめです。