FXで損失を出したら税金はどうなるの?
損失を出した際の確定申告のやり方は?
こんなお悩みをお持ちの方に朗報です。
結論から申し上げると、FXで損失を出しても、確定申告を行えば、個人の場合は3年間の繰越控除を受けることができます。(法人の場合は、10年)
では実際、どのように確定申告を行えばよいのかお悩みの方も多いのではありませんか。
そこで本記事では、下記の流れで、FXで損失を出した際の税金についてや損失の控除を受ける確定申告のやり方などを詳しく紹介します。
- FXで損失を出したら税金はどうなる?
- FXの繰越控除を行う際の必要書類
- FXの確定申告を行う際の注意点
- FXで損失を出した際の税金に関するよくある質問集
本記事を参考にしていただければ、FXで損失を出した際に、しっかりと繰越控除を受けられるようになり正しい節税対策をすることができます。
では早速、「FXで損失を出したら税金はどうなる?」から詳しく紹介します。
FXで損失を出したら税金はどうなる?
FXで損失を出した場合には、確定申告を行えば、損失繰越控除というものが受けられます。
損失繰越控除とは、本年分の損失を控除しきれないときに、翌年以降にその損失を繰り越して翌年以降の利益から控除することができる制度
出典:SMBC日興証券
言い換えると、損失と利益を相殺することができます。
例えば、去年の損失が100万円で今年の利益が150万円の場合、去年の損失額100万円が今年の利益から引かれるため、今年は50万円分の税金を納めればよいことになるのです。
ただし、個人と法人では繰り越せる期間が異なります。
以下で、詳しく紹介します。
個人の場合は最大3年間の繰越控除を受けられる
個人の場合は、最大で3年間の繰越控除が受けられます。
つまり、損失を出した翌年から3年間については税金を抑えることができます。
損益通算してもなお控除しきれない損失の金額については、翌年以後3年間にわたり、確定申告により、上場株式等に係る譲渡所得等の金額及び上場株式等に係る配当所得等の金額から繰越控除することができます。
出典:国税庁
次の例を見てみましょう。
1年目にFX取引で60万円の損失を出した場合、翌年以降の課税対象の金額は以下のとおりになります。
最初の年 | 1年目 | 2年目 | 3年目 | |
---|---|---|---|---|
FXの年間の損益 | -60万円 | 20万円 | 30万円 | 50万円 |
繰越損失の可能額 | 60万円 | 40万円 | 10万円 | 0円 |
課税対象額 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 |
確定申告の有無 | 必要 | 必要 | 必要 | 必要 |
1年目は60万円の損失が出たので課税対象額は0円です。
翌年に20万円の利益を上げましたが、繰越損失が残っているので課税対象額は0円となっています。
さらに翌年も利益は上げましたが、繰越損失が残っているので課税対象額は0円です。
3年目については50万円の利益を上げたため、繰越損失分と相殺して40万円が課税対象額になるのです。
このように、個人の場合、しっかりと確定申告を行えば、3年間の損失繰越控除を受けることができます。
法人の場合は最大10年間の繰越控除を受けられる
法人の場合は、最大10年間の繰越控除を受けられます。
つまり、損失を出した翌年から10年間については税金を抑えらます。
確定申告書を提出する法人の各事業年度開始の日前9年(注1)以内に開始した事業年度で青色申告書を提出した事業年度に生じた欠損金額は、その各事業年度の所得金額の計算上損金の額に算入されます。 平成28年度の税制改正により、平成30年4月1日以後に開始する事業年度において生ずる欠損金額の繰越期間は10年とされています。
出典:国税庁
このように、法人では最大10年間の繰越控除を受けることができます。
FXの繰越控除を行う際の必要書類
ここでは、繰越控除を行うために必要な書類や取得方法などについて紹介します。
必要書類
FXの繰越控除を行う際の必要書類は、以下のとおりです。
- 印鑑
- 源泉徴収票(給与所得・退職所得・公的年金を受け取っている場合)
- 1年の取引の損益を計算できる書類
- マイナンバーおよび本人確認書類
マイナンバーの種類によって、本人確認書類の有無が異なります。
以下の表を参考にしてください。
マイナンバーの種類 | 本人確認書類 |
---|---|
マイナンバーカード | 不要 |
マイナンバーカード通知カード | 運転免許証 パスポート 在留カード 公的医療保険の被保険者証 身体障害者手帳 いずれかの一つ |
マイナンバーカードの写し | 運転免許証 パスポート 在留カード 公的医療保険の被保険者証 身体障害者手帳 いずれかの一つ |
FXの確定申告を行う際の注意点2つ
損益繰越控除を受けるのであれば、必ず確定申告を行わなければなりません。
ここでは、確定申告を行う際の注意点を紹介します。
- 嘘の記載をしない
- 申請期限を過ぎない
嘘の記載をしない
確定申告をする際には、嘘の申告は避けましょう。
嘘の申告により税金を支払わなかった場合には、私文書偽造及び講師の罪となり、懲役3カ月以上、5年以下の刑に処される可能性があります。
少しでも節税をしたいからと言って、嘘の記載をすることはやめましょう。
申請期限を過ぎない
確定申告には、期限があります。
期限を過ぎた場合には、期限後申告となり無申告加算税が請求されます。
余計なお金を支払う羽目になるので、申請期限を過ぎないようにしましょう。
FXで損失を出した際の税金に関するよくある質問集
ここでは、FXで損失を出した際の税金に関する質問と回答を紹介します。
FXで10万円の損失を出した場合、繰越控除を行えば10万円戻ってきますか?
FXで10万円の損失を出したばあ、繰越控除を申請すれば10万円は戻ってきますか?
損失分の10万円が戻ることはありません。あくまで相殺されるだけです。
FXで10万円の利益が出たのですが、確定申告を行わなければいけませんか?
FXで10万円の利益が出たのですが、確定申告を行わなければいけませんか?
FXによる年間の利益が10万円の場合は、基本的に確定申告の必要はありません。ただし、繰越控除を考えているのであれば、必ず確定申告を行いましょう。
FXの税金については、下記の記事を参考にして下さい。
確定申告をしないと、損失の繰越控除を受けることはできませんか?
確定申告をしないと、損失の繰越控除を受けることはできませんか?
はい!
まとめ:FXで損失が出ても必ず確定申告は行おう
個人でFX取引をする方は最長で3年間、法人でFX取引をする方は最長で10年間の繰越控除が受けられます。
ただし、繰越控除を検討しているのであれば、必ず確定申告を行いましょう。