【PR】

一目均衡表を知る(第二弾)

FX実践レポート FX実践

一目均衡表を知る(第二弾)

一目均衡表の弟一弾では、5つの基本線について説明をしました。

一目均衡表とは(弟一弾)
一目均衡表とはについて、月刊「FX攻略.com」の初代編集長を務めた経験もある辻秀雄氏が徹底解説!

基準線、転換線、先行スパン1,先行スパン2,遅行線の5つの線で、値動きによるトレンドがどうなっているのかを知ることができると説明をしました。

それらの基本線を知っておくだけでも、一目均衡表は使いやすくなり、トレードで好成績をあげることができるのではないかと思います。

しかし、一目均衡表には、基本線以外にも、3つの理論があります。

それは、「時間論」「波動論」「値幅観測論」です。

これらは3大理論と呼ばれています。

時間論とは

もともと一目均衡表の骨子は時間にあります。

「相場の主体は時間であり、価格は結果として従ってくるもの」という考え方が、その根底をなしています。

ですから、一目均衡表がもっとも大切にしている、重要視しているのは、時間といっても過言ではありません。

一目均衡表がいう時間には「基本数値」あります。その基本数値は、「9」「17」「26」の3つです。

一目山人さんが4年半あまりの歳月をかけて研究をされた結果、この3つの数字が、変化や転生を支配していることにたどりつきました。

これら3つの数字はまた、「単純基本数値」と称されており、それを基に、基本数値は合計で10通り、定められています。

「9」「17」「26」「33」「42」「65」「76」「129」「172」「200~257」の10通りです。

一目均衡表でいう「基本数値」が意味するところは、基本数値のところで相場の転換が起こる可能性が非常に高い、ということです。

その数字にぴったりと変化が起こることもあれば、多少ずれて変化が起こることもあります。

つまり、「相場は一定の間隔で変化する」というのが、一目均衡表均時間論の基本的な考え方となります。

そのなかでも、基本数値である9,17、26で変化することが多々あると、一目山人さんの長い間の研究から判明しているわけです。

相場の変化とは、トレンドが上昇トレンドから下降トレンドへ、ありいはレンジ相場から上昇トレンド、下降トレンド変化をすることもそうですが、そればかりではなく、トレンドが加速するのか、あるいは減速してしまうのかといったことまで、判断します。

弟一弾でも説明をしましたが、トレーダーがポジションを保持する限界の時間は、26日がもっとも多いということを述べましたが、これも基本数値の考え方が基になっています。

たとえば、「9」の数値だと、上昇トレンドでローソク足が8本続いたら、次の9本目でそろそろトレンドが転換するのではないか、と判断することができるわけです。

これが、実際にチャートで基本数値を使って、相場の判断を下す目安になっていきます。

では、どうやってこの基本数値が導かれたのでしょうか。

それについては、日本を代表するアナリストである佐々木英信氏が自著『一目均衡表の研究』のなかで、次のように指摘をしています。

少し長いですが、その部分を引用して紹介しておきます。

「筆者の理解では、仏教における宇宙観である『曼陀羅の世界』から会得されたものであろうと推測しています。

(略)1979年、当時東京大学の助教授であった吉村宏和氏が、太陽の活動の理論物理学の立場から研究して発表された『吉村モデル』があります。

そのなかで水素の球体である太陽の自転は、地球の赤道に当たる部分が26日で1回転、極に当たる部分が33日に一回転すると発表され、これはその後の観測の結果、事実であると確認されました。

この基本数値と見事に太陽の自転周期と一致をしています。

人間とこの宇宙に生起する事象のメカニズムをすべて説明するのは、現在の人類が持つ科学知識ではまだとうてい無理ですが、自分で考え、自分で決定しているはずの人間の行動といえども、実は太陽活動の影響を受けているのだと思えるのです」 と、佐々木氏は述べています。

確かに、ポジションを持っている限界が26日であるといわれても、ではどうしてかを説明するのはなかなま難しいはずです。

しかし、太陽の影響を受けているといわれてみると、あながちありえないことではない、と感じてしまうのではないでしょうか。

基本数値というのは、トレンドが転換する時期を教えてくるものですが、もう一つ「対等数値」という考え方が、一目均衡表にはあります。

この対等数値とは、基本数値以外の事象の関係で、相場が転換する動きをとらえようというものです。

つまり、過去の相場で変化するまでにかかった時間が、次の変化の目安になる、ということです。

たとえば、ローソク足が26本でトレンドが変わったとしたら、次のトレンドが変わるのも26本目と考えるわけです。

しかし、相場は生き物ですから、必ずそうなるとは限りませんが、おおにしてこの対等数値という考え方は相場の真理をついているといっても過言ではないようです。

対等数値は、基本数値のように決まった数値はありませんが、トレンド転換の結果からいえば、基本数値が対等数値になることが多いようです。

このように、一目均衡表には、時間論があり、そこには基本数値と対等数値があって、それぞれがトレンドの転換やトレンドの加速、あるいは減少などを教えてくれるということです。

相場の判断は簡単明瞭がもっともよい

時間論は相場論の本質をついたもので、一目均衡表では非常に重要な位置づけにありますが、相場には、3つの道しかありません。

レートは、現時点からみると、上がるか下がるか動かないか、の3つです。

非常に単純明快です。

ではなぜ、このように単純明快なことが難しくなるのでしょうか。それはいろいろなことを考えすぎるからだと思います。

相場は言うまでもなく、売り方と買い方が激しく争っている場です。そこで初めは均衡が保たれていますが、時間が経つにつれてどちらかに情勢が傾いてきます。

つまり、保たれていた均衡状態に穴があき、相場は均衡が破れた方向に大きく動いていくことになります。

一目均衡表は、基準線や転換線、先行スパン1,先行スパン2、遅行線という5本の基本線によって、その均衡関係を見るのが、均衡関係をさぐっていくためのテクニカル分析ツールです。

相場の性質から言えば、一度、動き出した相場は大きく動くという性質をもっています。

そうした動きをいち早くとらえるためには、複雑な手法では、チャンスを逃してしまうことになります。

相場の急変を即座に判断するためには、簡単明瞭な方法でなければ務まりません。

その点、一目均衡表は、明瞭で使いやすいテクニカル分析指標といっても過言ではありません。

そして、大事なことは、いま、買い方と売り方ではどちらが買っているか、負けているかを常に知っておくことです。

波動論

一目均衡表の時間論では、相場のトレンドが転換するポイントはいつになるかを知ることができますが、どのように変化するかは、判断することができません。

では、時間論でローソク足の値動きが変化する、転換するポイントはわかりましたが、今後、値動きがどのようになっていくのかを知るために役立つのが、「波動論」です。

一目均衡表の3大理論の一つです。

波動論の特徴は、ローソク足の動きを波で捉えているところにあります。

一目均衡表の波動論が示す波には、5つの波のかたちがあります。

以下の図に示すのが、一目均衡表で言う波動論の波の種類です。

一目均衡表の波動論で言うところの波は5つありますが、基本となる波は3つです。

I波動とV波動、そして、N波動です。

I波動は上昇、あるいは下降しているかたちの波動です。

V波動は、ローソク足の動きが下降したが、そこからV字に値を上げている波、または、ローソク足の動きが上昇したが、そこからV字に値が下がっている波のことです。

I波動2つでV波動を形成することになります。

すべてのローソク足の値動きはN波動に集約されるといわれるほど、N波動は波動論のなかではもっとも重要な波となります。

そして、N波動は、I波動が3つ、V波動が二つあれば、N波動を形成することができます。

N波動は、上昇トレンドであれば、上昇→下降→上昇→下降→と下値を切り上げて推移していきます。

逆に、下降トレンドの場合は、下降→上昇→下降→上昇→下降と、下値を切り下げて下降していきます。

つまり、波の下値がどの位置にあるかを調べていくと、今後、下降トレンドを続けるか、上昇トレンドを継続するかがわかってきます。

それが、一目均衡表の波動論の特徴です。

値幅観測論

時間論でローソク足の値動きがいつ変化するか、転換するかのポイントを把握することができました。

さらに、波動論で、ローソク足が上昇傾向にあるのか、下降傾向になるのかをつかむことができました。

そして、次に大事なことは、どこまで価格が上昇するか、下降するかを知ることです。

そのための理論が、「値幅観測論」です。

値幅観測論には、基本的に4つの観測法があります。

つまり、値幅の計算式が4つあるということです。

図―1は、「V計算値」という計算方式です。

BからCまで押し戻された幅の倍返しの水準はどこにあるのかを求める計算方式です。

これは、V波動で生じるポイントであるため、V計算値と呼ばれています。

図―2は、N計算値といいます。

AからBに上昇した幅のぶんだけ、その後、Cというボトムからどこまであげてくるかを求める計算式です。

つまり、最初の上げ幅と次にくる上げ幅は等しくなる、という考え方のうえに成り立っている計算値です。

図―3は、E計算値と言います。

AからBへ上昇した幅のぶんだけ伸びるのは、Bの位置からどこにくるかを求める計算式になります。

この計算式には別名があって、「二層倍」とも呼ばれています。

まるで、土の層をはかるかのように計算をするからです。

相場の価格はもとの価格を積み上げていきますので、こうした計算値が成り立っています。

図―4は、NT計算値といいます。

A地点からBまで価格が上昇して、Cまで下がってきました。

そこで、AからC間での幅のぶんだけの価格をCに加算したものです。

以上の4つが、一目均衡表でいう値幅観測論を構成するものとなります。

ではなぜ、このような計算値を編み出したのでしょうか。

それは、相場の変動は極めて単純であり、実際の高値や安値の現れ方が、とくに、図―1から図―3のような値幅で現れることが多いからです。

つまり、トレンドが転換したのはいいのですが、値がどこまで上がるか、下がるかの目安になる値を見つけるのが、値幅観測論といっても間違いではないでしょう。

以上、一目均衡表の3大理論を説明しましたが、あとは、実際のチャートを見ながら研究を進めていただければいいのではないか、と思います。

型譜について

型譜というと何か小難しいものに聞こえてしまいますが、要は、ローソク足のパターンのことだと思ってください。

ローソク足のパターンとして有名なものは「酒田五法」ですが、一目均衡表のローソク足パターンは、酒田五法よりも簡単に覚えられると思います。

ですから、型は「かたち」を意味し、譜は「符号」を意味しています。

一目均衡表の型譜の基本的な考え方は次の通りです。

「陰極まって陽に転ず」「陽極まって陰に転ず」では、型譜についていくつか説明をしてみましょう。

五陽連とは?

まず、「五陽連」です。

一目均衡表でいう五陽連とは、「連」というのは連なるの意味ですから、陽線が5つ連なっている状態を五陽連といいます。

日足でいえば、5日間連続で陽線が出現している状態になります。

酒田五法のなかには「赤三兵」という、3日連続で陽線が出現するローソク足のパターンがあり、それを重要視しています。

なぜなら、3日連続の陽線が出るということは、トレンドの方向が変わるととらえているからです。

下げ相場やレンジ相場が長く続いたあとに連続して出現する陽線は、投資家の心理の変化を現していることはまぎれもない事実です。

ですから、酒田五法でいう赤三兵も、一目均衡表でいう五陽連も同じような意味です。

同じような意味ですが、問題は三と五の数字が意味するところの違いです。

三の場合はベテランの人でもダマシにあう可能性がありますが、五となると、ふつうだとダマシがでることはほとんどありません。

もちろん、相場ですから、必ず、ということはいえませんが、確率からいえば、五のほうがダマシにあいにくいといっていいかもしれません。

五陽連は、ローソク足の実体が極めて小幅であることを「最良」」としています。

そして、小幅の五陽線が出現したら、「ロングでエントリー」が確定するといっても間違いではありません。

ローソク足のパターンを一度に覚えるのはなかなか大変です。

そこでどうするかといえば、ローソク足のさまざまなパターンの名称を覚えるのではなく、陽線や陰線の数や出現の仕方を記憶にとどめておくのです。

そして、重要なことは、ローソク足の決まったパターンが出現するまでの途中経過が重要なのです。

ですから、ただ五陽連が出現したから即ロングでエントリーになるわけではありません。

そうしたことを肝に銘じてから、ローソク足のパターンを活用したトレードを行うことです。

一陰介在五陽連とは

介在」とは、連続している陽線のなかで一本だけ陰線が出現することを言います。

陰線の場合は、一本だけ陽線が出現することを意味します。

この一陰介在五陽連のローソク足が小幅であればあるほど、相場は上昇トレンドを形成することになります。

さらにいえることは、たとえば、一期(26日)以上にわたって下げ続けてきた相場のあとに出現した一陰介在5陽連は、五陽連に準じるものになっています。

一陰介在七陽連以上とは

一陰介在七陽連以上」というローソク足のパターンは、かなり強い買い勢力を現しています。

しかも、ローソク足の実体が小幅であればあるほど、その後の値動きはかなり上昇するものと判断できます。

ローソク足のパターンを判断するときに、大事なことは、それまでの価格の変動と相対的に比較をして、今後も上昇し続けるのか、下降し続けるのかを判断する必要があります。

このほか、上昇トレンドを形成するローソク足のパターンには、二陰介在九陽連や七陽連、二陰介在十三陽連などがあります。

また、下降トレンドを形成するものには、五陰連とか、一陽介在五陰連や七陰連などのローソク足のパターンがあります。

大事なことはローソク足のパターンの名称ではなく、陽線がいくら、陰線がいくらというように出現する本数と、それがどういう状態で出現するかで、トレンドの強弱を判断していくことです。

一目均衡表の使い方

一目均衡表には、いろいろな使い方があります。

何しろ、雲や先行スパン1、先行スパン2、転換線、基準線、遅行スパンといった一目均衡表を実際にかたちづくるものと、時間論、波動論、値幅観測論などの理論、さらに、型譜など、トレンドを判断する指標はいくらでもあります。

そのなかで一目均衡表の持つ要素を組み合わせてトレンドを見ることができます。

たとえば、雲と基準線を使ってトレンドをみるとすると、どうなるでしょうか。

たとえば、基準線と雲がローソク足の上にあり、基準線が下向きなら下降トレンド、基準線と雲がローソク足の下にあり、基準線が上向きなら上昇トレンドと判断します。

これだけでも、エントリーの目安になるはずです。

このときにエントリーするときに注意をしなければならないことは、ローソク足が基準線から完全に反発をしていることです。

そうでないときにエントリーをすると、ダマシに合うことがあります。

そして、そこに売られすぎ、買われ杉を判断するオシレータ系のテクニカル分析指標であるRSIを組み合わせてみるとどうなるでしょうか。

ロングポジションをもっていて、RSIが70以上になったら、上昇トレンドから下降トレンドに転換する確率が高くなります。

その場合は、ロングポジションをショート決済して利益を確定する準備にはいります。

一方、RSIが30以下になったら、下降トレンドから上昇トレンドに転換する可能性が高くなりますから、ショートポジションをもっていたら、ロング決済の準備をします。

決済をする場合には、ローソク足が完全に基準線を抜け出たのを確認してからおこなうようにします。

そうでないと、いったんは転換したものの、またすぐに元のポジションにかえってしまうことがあるからです。

さらに、雲をチェックしたエントリーポイントをさぐる手法もあります。

それは、ローソク足が雲を下から上に抜けたときに、基準線がローソク足の下にあり、しかも、上をむいていたら、ロングでエントリーをします。

その逆で、ローソク足が雲を上から下に抜けたときに、基準線がローソク足の上にあり、しかも下を向いていたら、ショートでエントリーします。

この場合、いずれも基準線の方向が非情に大事なので、基準線の方向がかわっていたらエントリーは見送ります。

雲とオシレータ系のテクニカル分析指標であるMACDを組み合わせるとどうなるでしょうか。

買いエントリーのサインとなるのは、MACDがゴールデンクロスしたとき(シグナルがMACDを下から上に突き抜けたとき)に、ローソク足が雲より下で推移していたら、買いのサインとなります。

また、MACDがデッドクロス(シグナルがMACDを上から下に抜けた)したときに、ローソク足が雲の上で推移をしていたら、売りのサインとなります。

とまあ、以上のように、雲と基準線の組み合わせに、オシレータ系のRSIを組み合わせたトレードのスタイルや、MACDと雲の関係でのトレードスタイルを紹介してみました。

ほかにもいろいろな組み合わせがありますので、まずは自分で試してみてはいかがでしょうか。

辻秀雄氏プロフィール

辻秀雄氏
ジャーナリスト。リーマンショックに世界が揺れた2008年に、日本で初めて誕生したFX(外国為替証拠金取引)の専門誌、月刊「FX攻略.com」の初代編集長を務める。出版社社員からフリーになり、総合雑誌「月刊宝石」や「ダカーポ」「月刊太陽」「とらばーゆ」などで取材・執筆活動を行う。また、『ビジネスマン戦略戦術講座(全20巻)』などビジネス書の編集にも携わる。著書に『インターネット・スキル』『危ない金融機関の見分け方』『半世紀を経てなお息吹くヤマギシの村』など。共著に『我らチェルノブイリの虜囚』『ドルよ驕るなかれ』『横浜を拓いた男たち』など。辻秀雄氏の詳しいプロフィールは、こちらから
タイトルとURLをコピーしました