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相場の大衆心理とは

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相場の大衆心理とは

FXにおいて、取引をしている通貨ペアの価格が上がるか、下がるかという不毛な予想をすることより大切なことは、「利益を出し続ける」ことです。

上がるか、下がるかを予想したとしても、どっちみち当たりもすれば、はずれもします。

ということは、プラスの収支で終わることもあれば、マイナスの収支で取引を手仕舞うこともあるわけです。

重要なことは、利益を出し続けるためには、リスクリワード(損小利大)の仕組みを構築することです。

予想通りの結果を導くことができるのは、超能力者や預言者でない限り不可能です。

相場の動きを予想するのではなく、チャートのパターンをみて、売るのか、買うのかを判断するほうが、トレードにおける精神的な負担は軽減されます。

トレードをしていてチャートを眺めていると、「あれ、この動き(チャートパターン)ってどこかでみたような気がする」といった思いをされたことはありませんか?

同じような値動きが発生するのは、それなりの理由があるからです。

そのことは、「相場の大衆心理」と密接な関係があります。

では、「相場の大衆心理」とはいったい何を意味しているのでしょうか?

「チャートには多くの人の心理が反映されている」とか、「大衆心理の鏡である」とかよくいわれますが、チャートのことを美辞麗句で言い表しても、FX初心者にとっては何のことかよくわからないはずです。

しかも、そんなことを言うわりには、FXについて書かれた書籍でも、各種セミナーでも、この意味をきちんと説明してくれるものはなかなかありませんし、そういっている本人も、うまく説明できない人がほとんどです。

「相場の大衆心理を読み解いて。その先回りをすればいいのだ」とか、「大衆心理と自分は違う」とか、いろいろ思うところはありますが、結局のところ、いったい「チャートには多くの心理が含まれている」とはどういうことかを、突き詰めて考える機会はそうつくれるものではありません。

しかし、FXトレードをやり続けながら、ある日、ふっと心に浮かんでくることがあります。

トレーダーの心理とは何かといえば、それは「損をしたくない、得をしたい」という心理です。

トレーダーにとっては今さらいうまでもなく、至極当たり前のことかもしれません。

しかし、この心理、トレーダーのほぼ全員がもつ、いわゆるトレーダーの「大衆心理」が、トレードにおいてはとても大事になってくるのです。

この「損をしたくない、得をしたい」という思いを別の言葉で言い換えると、「安く買いたい、高く売りたい」ということになります。

日常で溢れる「安く買いたい、高く売りたい」という心理

あなたがスーパーや八百屋さんで野菜を買おうとします。

できるだけ安く買いたいと思うのは人情です。

少しでも安い店があったら、そちらで買ったり、安いお店はないかと探した経験があるはずです。

野菜だけではなく、ガソリンスタンドで、為替の相場で変動するガソリンを購入する場合も、1リットルあたり、できるだけ安いガソリンを売っているガソリンスタンドを探すはずです。

そして、誰でも一度は、不要になったものをブックオフやヤフオク、メルカリなどで、より高く売れる方法を模索した経験があるでしょう。

そうした一連の行為は、「損をしたくない、得をしたい」という心理、つまり「安く買いたい、高く売りたい」という心理からきているものだといっても過言ではありません。

直近の高値と安値に注目!

そうした大衆の心理をFXトレードにあてはめてみるとどうなるでしょうか。

多くのトレーダーが、より有利なポジションで売ったり、買ったりするためには、直近の最高値で売りたい、直近の最安値で買いたいという心理になります。

たとえば、仮想通貨のビットコイン相場では、未だに2017年12月の最高値を夢見る人が少なくないでしょう。

それだけ最高値というのは意識されやすいのです。

そして、過去の最高値までいかなくても、せめて直近の高値で処分したいと願ったりするのが人の心理なのです。

チャートからのメッセージが聞こえるパターン

次のチャートをよく見て下さい。

「ポンド/円」週足チャート(2017年5月から2018年8月)

これは2017年5月から2018年8月くらいの「ポンド/円」週足チャートです。

ローソク足のヒゲは一番下の水平線からは出ていますが、終値はこのサポートラインを割り込むことはありませんでした。

これはチャートがこのラインよりも終値は下にいきたくないというメッセージを発していると言っても良い状態です。

こうすることで、自分で一生懸命チャート分析をして、上がるのか下がるのか自分の考えを当てはめるのではなく、チャートから発するメッセージを聞き取れるように、ちょっと見方を工夫するだけで、チャートとのつき合い方が変わってきます。

通貨ペアのチャートには、いろいろなパターンが出現します。

しかし、なぜそのパターンが発生するのかの根拠や理由が無ければ、自分の大事なお金を投じて取引するのは難しいと思います。

発生するチャートパターンには、発生するだけの根拠や理由が明確にあります。

ヘッド&ショルダーが発生する根拠

皆さんはヘッド&ショルダーとか、三尊天井または逆三尊などという言葉は当然聞いた事があると思います。

これも代表的な反転の、または天底のチャートパターンです。

多くのFX教材書籍でも紹介されている有名なパターンですが、事例を明示するだけで、なぜそのようなかたちになるのかの理由を説明する書籍は見当たりません。

ヘッド&ショルダーで反転する理由

実は、ヘッド&ショルダーが発生する理由も、前述した大衆心理の「損をしたくない、得をしたい」つまり「高く売りたい、安く買いたい」という基本心理から派生しています。

つまり、いつでも思い通りに直近の高値で売ることができたり、直近の安値で買うことができたら良いのですが、相場の世界は、そう都合よくいくことは稀です。

そして、早く現金化したい、ポジションを処分したいと焦っている人や、直近の最高値や最安値まで待てない人たちは、「二番目の高値や安値でいいからそこで処分しよう」と手放すのです。

それがちょうど二番目の高値または安値のショルダー部分にあたります。

こうやってヘッド&ショルダーが形成されるのです。

ヘッド&ショルダーで注意することは、「綺麗な形状にこだわらない」ようにすることです。

重要なのは、一番目の最高値/最安値と、二番目の最高値/最安値です。

つまり、ネックラインは重視しません

そうすると、エントリーポイントがはっきりとしてきます。

われわれトレーダーは、エントリーポイントの精度を高める必要がありますが、ネックラインが揃っていないから、これはヘッド&ショルダーではないと判断してしまうと、エントリーの機会を減らしてしまい、非常にもたいないことになります。

この二番目の最高値/最安値、つまりショルダー部分の終値がエントリーチャンスになるのです。

十字架(同時線)で反転する理由

よくチャートをみていると、ローソク足が十字架のようになっていることがありませんか?

始値と終値が同じ位置になったので、そのような形状になるのですが、「反転しているポイント」で発生していることがあります。

なぜローソク足の十字架で反転することが多いのか?

同時線は、始値と終値が同じ、もしくは近いレートになることです。

ということは、やはり終値(=始値)に注目する必要があります。

つまり「終値」がこのラインよりも上、もしくは下に行きたくないというチャートからのメッセージなのです。

テクニカルポイントでの十字架発生に注目!

もちろん、十字架が発生すれば、必ず反転する訳ではありません。

しかし、テクニカルポイントで十字架が発生した場合は、反転する可能性が高くなります。

そのテクニカルポイントとは、主要な移動平均線MA100,200,300や、一目均衡表の雲の上限、下限とか、あとは120.00など5の倍数にあたるキリの良い数字のレート上です。

また、一日の切り替わる時間で発生する時もあります。

これらで十字架が発生した場合は、注目して見ましょう。

反転現象が起きやすい状況になったといえます。

いずれも終値に注目すると、チャートがどっちへいきたいのか、メッセージが聞こえてきますよ。

辻秀雄氏のプロフィール

辻秀雄氏
ジャーナリスト。リーマンショックに世界が揺れた2008年に、日本で初めて誕生したFX(外国為替証拠金取引)の専門誌、月刊「FX攻略.com」の初代編集長を務める。出版社社員からフリーになり、総合雑誌「月刊宝石」や「ダカーポ」「月刊太陽」「とらばーゆ」などで取材・執筆活動を行う。また、『ビジネスマン戦略戦術講座(全20巻)』などビジネス書の編集にも携わる。著書に『インターネット・スキル』『危ない金融機関の見分け方』『半世紀を経てなお息吹くヤマギシの村』など。共著に『我らチェルノブイリの虜囚』『ドルよ驕るなかれ』『横浜を拓いた男たち』など。辻秀雄氏の詳しいプロフィールは、こちらから
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