FXとの正しいつきあい方

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為替相場で今でも通用する100年前の理論

FXのトレードで最も重要なことは、値動きです。

相場がどう動いていくかを最も判断できる指標です。

この値動きの分析に欠かせないのが、100年以上も前から有効とされている「ダウ理論」です。

FXトレードを行っている人なら当然、ご存じだと思います。

チャールズ・ダウ(1851年―1902年)という人がウォールストリート・ジャーナルに提唱した理論です。

この人は、

「(米国の)コネチカット州スターリング生まれ。ハイスクールを中退後、新聞記者になる。主にニューヨーク証券取引所での相場に関する記事を執筆し、その取材の経験から「株価は全ての事象を織り込む」というダウ理論を提唱。テクニカル分析の先駆者の一人となる」(ウィキペディアより)。

という、ジャーナリストで証券アナリストです。

ダウ理論は、FX以外にも株式取引や仮想通貨の取引でも十分に利用できます。

その内容を簡単に述べておくと、ダウ理論は6つの基本法則から構成されています。

  • 「市場の価格にはすべての事象が含まれている」
  • 「トレンドには3種類ある」

ダウ理論では、トレンドを非常に重視しています。

それによると、トレンドには3種類あるとしています。

主要トレンド(1年~数年のサイクル)と、二次トレンド(3週間~3カ月のサイクル)、小トレンド(3週間未満のサイクル)です。

  • 「主要トレンドは3段階からなる」

主要トレンドは、買い手の動向で3つの段階から成立しているとしています。

先行時期(市場価格が下落し、すべての悪材料は織り込み済みと判断した少数の投資家が、底値買いをする時期)と、追随時期(市場価格の上昇を見て追随者が買いを入れる時期)、利食い時期(価格が充分に上昇したところを見て、先行時期に買いを入れた投資家が売りに出て利益を確定する時期)の3つです。

  • 「複数の平均的指標は、トレンドがどうなるかを判断するために、相互に確認されなければならない」
  • 「トレンドは出来高でも確認されなければならない」
  • 「トレンドは明確な転換シグナルが発生するまでは継続する」

トレンドが発生しているときは、明確な転換シグナルが現れるまで継続すると考えます。

だからこそ投資家はトレンドに従って取引をすれば利益を得ることになります。

このダウ理論を少しでも頭の片隅にいれておいて、トレードを行ってみてください。

重要なのはニュースではなく、相場の値動き

FX取引で経済ニュースや政治的なニュースなど、ファンダメンタルにあたるものは重要だといわれますが、そうしたニュースを基に相場の動きを自分なりに分析してしまうと、大きな損失を被るケースが少なくありません。

たとえば、BrexitのようなイギリスがEUから離脱するというニュースであれば、誰もがユーロやポンドの下落を予想して、同じようなエントリーをします。

このようなビッグニュースは明らかに相場がどう動くか、誰もが同じように考えるので、当たりはずれがあまりありません。

しかし、米国の雇用統計の予想が20万人増とアナリストが分析したから、「米ドル/円」は上昇するとか、鉄鉱石などの資源の輸出が増大したから、資源国通貨の「オーストラリアドル/円」が上昇するといった判断は、あまりおすすめできません。

なぜなら、米国の雇用統計が20万人増加しても、「米ドル/円」は下がることもありますし、「オーストラリアドル/円」にしても同様のことがいえます。

つまり、ニュースをもとに独自に判断するのはリスクが高いということなのです。

大事なことは、相場の値動きについていくことです。

従って、どんな時間足で取引をするにしろ、ローソク足の動きをよくみて、上昇トレンドになるか、下降トレンドになるかを判断することが大切なのです。

明日香
明日香

ニュースをもとに取引を行うのはリスクが高いということね!

さくら
さくら

ニュースを見ることも重要だけど、最も重要なことは相場の値動きについてくことね!

目指すのは「利大損小」

為替相場の70%は、ある一定の幅でレートが上昇したり、下降したりするレンジ相場だといわれています。

トレンド相場が発生するのは、30%というかなり低い確率です。

ベテラントレーダーになれば別ですが、FXトレードを始めてまだ日が浅い方は、レンジ相場で利益をあげるのはかなり難しいと思います。

そこで狙うのがどうしてもトレンド相場ということになります。

わずか30%という低い確率で発生するトレンド相場を狙うわけですから、利益を上げるのも大変です。

しかし、うまくトレンドにのれば、たとえFX初心者であっても、利益を得ることは十分に可能です。

損失を最小限に限定し、利益を最大限に得る取引方法で最適な手法が、「トレール注文」です。

これは、FX初心者でもコツさえ飲み込めばすぐにできる方法です。

トレーリングストップ注文ともいいます。

たとえば、上昇トレンドの時に、買い注文と同時に損切りの逆指値注文を入れておくのは、トレードの常識です。

しかし、トレンドが上昇するに従って、損切りの水準もトレンドにあわせて移動することができれば、利益がどのぐらいで、損失がどのぐらいか一目でわかります。

専業のトレーダーと違って、兼業のトレーダーとしては、常時チャートをみることは不可能です。

そうした場合にトレール注文を入れておけば、相場の上昇(下降)に併せて損切りが移動しますから、レートが下落(上昇)したときに損切りに引っかかってしまい、自動的に決済されることになります。

この場合、損失はあらかじめ設定した損切りのレート幅のみとなります。

トレール注文は便利な注文方法ですから、デモトレードで練習を積んでみてください。

わかりにくい相場は撤退する勇気を持とう

移動平均線や一目均衡表など、主要なテクニカル分析を活用して上手にエントリーし、決済もうまくいって大きな利益を得ると、トレーダーは快感を覚えるに違いありません。

自分はトレードの達人ではないかと思ってしまうという方もいるに違いありません。

なかには、自分が活用しているテクニカル分析が相場を動かしているのではないかと錯覚する人もいることでしょう。

しかし、相場は生き物で、移動平均線やボリンジャーバンド、トレンドラインなどのテクニカル分析が通用しないことが多々あります。

FX関連の書籍では、トレードがうまくいったケースだけを解説していることが多いですが、現実は、テクニカル分析を駆使しても、相場がどちらに動くかまったく見当がつかないケースは多いのです。

そんな場合は、「休むも相場」という格言を思い出してください。

値動きがどうなるかテクニカル分析でわからないときは、長い時間足で値動きをみると、ある程度は相場の値動きの方向がわかります。

兼業トレーダーの多くは、1分足や5分足で取引をしているスキャルピングでない限り、30分とか1時間などの時間足を使って取引をしていると思います。

15分足を使っている人も多いかもしれません。

つまり、長い足で相場の値動きをある程度判断して、それより短い足で取引に臨んでいる方が多いと思いますが、自分がこの値動きについていくのは難しいと感じたら、トレードはいったん休むことも大事です。

湊

プロトレーダーは、どんな相場でも利益を上げられるのかと思っていた・・・

さくら
さくら

プロといわれる方でも、得意パターンを見つけて取引をしているのよ!

長続きのコツは小さな成功体験の積み重ねから

市場から退場せずに、FXを長く続けるコツは、楽しくトレードができることです。

そのためには、トレードの基本は値動きに従ってトレードを行うということをしっかり頭にいれたうえで、トレードに臨むことが大切です。

しかし、人間ですから、時には自分勝手な分析で、値動きを無視したトレードをすることがあるかもしれません。

問題はそうやって自分自身で勝手に思い込んだトレードで利益を得た場合です。

つまり、トレードの成功体験を得たということで、それが本人の脳裏に刻まれていきます。

そうすると、変な自信がわいてきて、FX取引の基本である値動きに従ったトレードではなく、自分なりの感覚でトレードをして失敗しても、成功体験が脳裏に刻まれていますから、自分の失敗をなかなか認めようとはしません。

そして次第に損失がふくれあがってしまい、やがて市場から退場していく羽目になります。

FX取引をするのは、利益を得たい、儲けたいからです。

トレードがうまくなって、副次的な収入を稼ぎたいからです。

そう思うことは否定するものではありません。

しかし、初めは大きな利益を狙わず、小さな利益、たとえば、お昼の昼食代とか、居酒屋での飲み代といった程度の利益でいいのです。

小さな小さな成功体験を積み重ねることよって、トレードは徐々にうまくなっていきます。

そのためには、何度も繰り返しますが、FXトレードの基本である、値動きに従ったトレードを心がけてください。

辻秀雄氏のプロフィール

秀雄氏
ジャーナリスト。リーマンショックに世界が揺れた2008年に、日本で初めて誕生したFX(外国為替証拠金取引)の専門誌、月刊「FX攻略.com」の初代編集長を務める。出版社社員からフリーになり、総合雑誌「月刊宝石」や「ダカーポ」「月刊太陽」「とらばーゆ」などで取材・執筆活動を行う。また、『ビジネスマン戦略戦術講座(全20巻)』などビジネス書の編集にも携わる。著書に『インターネット・スキル』『危ない金融機関の見分け方』『半世紀を経てなお息吹くヤマギシの村』など。共著に『我らチェルノブイリの虜囚』『ドルよ驕るなかれ』『横浜を拓いた男たち』など。
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