16のローソク足パターン
ローソク足のパターンは、価格変動の将来の方向を予測するために使われています。
もっとも一般的なローソク足のパターンの16と、それららのパターンを駆使して、取引機会を特定する方法を発見してみましょう。
時間の経過とともに、ローソク足は、トレーダーが主要なサポートとレジスタンスレベルを認識するためのパターンを形成します。
チャート上には非常に多くのローソク足パターンがあります。
いくつかは、買い圧力と売り圧力のバランスについての判断を示すものとなりますが、ローソク足の値動きの方向性が定まらなかったりと、どちらかといえば優柔不断な動きを示すものもあります。
取引を開始する前に、ローソク足のパターンの基本と、それらがどのような動きを示しているのかを理解することは、トレードを行うにあたっては非常に重要で、知っているのと、知らないのとでは、トレーディングに大きな差がつくことは確かです。
ローソク足のパターンを読む練習
ローソク足のパターンを読み取ることを学ぶための最良の方法は、ローソク足のパターンが発するシグナルから、トレードのエントリーや決済を練習することが一番の近道です。
そのためにはまず、取引をしているFX会社でデモ口座を開設し、おもいきって練習をすることです。
そんなことは必要がないという自信がある人は、いきなり実弾をつぎ込んだライブ取引をしてもかまいませんが、まずは手堅くデモ口座で、ローソク足のパターンに習熟するようにしたほうがいいのではないでしょうか。
ローソク足のパターンは、値動きの傾向をすばやく予測するのに最適ですが、テクニカル分析と併用して全体の傾向を確認する必要があることも覚えておくことが重要です。
6つの強気なローソク足のパターン
強気のローソク足のパターンは、レートの下降傾向の後に形成されやすく、価格の動きが反転したことを示すものです。
これらは、トレーダーがロングポジションを建てる絶好のポイントになり、ローソク足が上向くことで、利益を得るチャンスが広がっていきます。
ハンマー(とんかち)
ハンマー(とんかち)のローソク足パターンは、長い下ヒゲを備えた短い実体で、下降傾向の最下部に出現してきます。
ハンマー(とんかち)は、1日中、売り圧力が強かったものの、最終的には強い買い圧力で買い戻されて、価格を押し上げたことを示しています。
ハンマー(とんかち)が現れたら、その後は価格が上昇していく可能性が非常に高くなります。
まさに、強気の相場に反転していく可能性が高いといっていいでしょう。
ですから、ここはロングポジションを建てて、利益を狙いにいくチャンスともいえます。
逆さハンマー(逆さとんかち)
ハンマー(とんかち)と同様に、強気のパターンを示すのが「逆さハンマー」(逆さとんかち)です。
唯一の違いは、実体の上部のヒゲが長く、下部のヒゲが短いことです。
価格を押し下げるほどに十分ではない売り圧力に続いて、買い圧力が強くなっていることを示しており、ロングポジションを建てることで、価格が上昇していくのを待って利益を確定していきましょう。
逆さハンマー(逆さとんかち)が出現したら、そこから価格が反転して上昇していく可能性が高くなります。
強気を巻き込みパターン
強気の巻き込みパターンは、2つのローソク足で形成されています。
最初のローソク足は、大きな陽線のローソク足に完全に包まれた短い陰線です。
大きな陽線はその前の陰線の終値よりも若干低く開きますが、強気の相場となって価格を押し上げ、最終的にはロングポジションを建てたトレーダーに利益をもたらす結果になる可能性が高くなります。
ピアシングライン
ピアシングラインも2つのローソク足の組み合わせのパターンです。
長い陰線のローソク足の実体と、それに続く長い陽線のローソク足の実体で構成されています。
通常、最初の陰線のローソク足の終値と、陽線のローソク足の始値の間には、かなりのギャップがあります。
陽線の終値は前の陰線の始値と終値の2分の1の価格よりも押し上げられて上につけているため、強い買い圧力を示しています。
明けの明星
「明けの明星」のローソク足のパターンは、見通しの立たない相場の下降トレンドのなかにおける、一縷の希望となるサインと考えられています。
「明けの明星」は、3つのローソク足の実体で構成されています。長い陰線と長い陽線の間に実体の短いローソク足があります。
長めの陰線の後に、安値圏でコマがあらわれ、その後大きく陽線を引いて上振れすることで安値圏からの反発を示唆しています。
レートが下降トレンドで「明けの明星」が出現すると、上昇トレンド入りの可能性が高いことを示唆しています。
コマが出現するということは、売り買いが拮抗していることを示しており、投資家心理としては、直近で反発する可能性を織り込んでいます。
これが、「明けの明星」が上昇トレンドのシグナルになるゆえんです。
3人の白い兵士
「3人の白い兵士」のローソク足のパターンは、3つのローソク足の実体で構成されています。ローソク足の実体は、上下に小さなヒゲをつけています。
通常は、下降トレンドが終わり、上昇トレンドが始まるときに出現します。
3本のローソク足の実体は、それぞれが前のローソク足の終値よりも高いポイントで、次のローソク足の始値が始まります。
それらは、非常に強力な買い圧力がかかっていることを示しており、ロングポジションを建てることで、大幅な利益を獲得できる可能性が広がっていきます。
6つの弱気ローソク足パターン
弱気ローソク足パターンは通常、上昇トレンドの後に形成されていきます。
ローソク足のレジスタンスポイントを示していることになります。
多くの場合、相場は下降トレンドに転換していくポイントになることから、トレーダーはロングポジションを手仕舞って、代わりにショートポジションを建てて、価格の下落から利益を得る戦略に切り替える必要があります。
ハンギングマン(首つり)
上昇トレンドの終わりに形成されやすいのが、ハンギングマン(首つり)のローソク足です。
ローソク足は、下ヒゲが少なくとも実体の2倍の長さがありますが、上ヒゲはほんのちょっとあるかないかです。
下ヒゲが長い状況は、買いから売りに転じる人が多い状況を表していると考えられます。
そのため、高値圏での首つりは天井にタッチしたシグナルとなり、下落トレンド入りのきっかけとなることが多いのです。
流れ星
「流れ星」は、逆さハンマーと同じ形ですが、上向きに形成されています。
上ヒゲがローソク足の実体の2倍以上と長くなっているのが特徴です。
弱気の反転パターンは上昇トレンドの終わりに現れ、価格が下がる可能性が高いことを意味します。
長い上ヒゲは、買い手が新しい高値に価格を押し上げようとしたが、売り圧力が強くて、押し上げられなかったことを意味しています。
このパターンが上昇トレンドで現れると、天井をついた可能性があり、相場の反転の印となります。
弱気を巻き込みパターン
上昇トレンドの終わりに弱気の巻き込みパターンが発生します。
最初のローソク足の陽線の実体があり、それに続いて長い陰線のローソク足が続いて、前の陽線のローソク足を飲み込んだかたちになります。
2本のローソク足で構成されています。最初のローソク足が強気です。
陽線です。
次にくるローソク足が陰線です。
2番目のローソク足の陰線の始値は、最初のローソク足の高値より高く開き、そして、クローズするのは、最初のローソク足の安値よりも低く閉じるわけです。
このローソク足のパターンは、弱気の値動きが強気の値動きを完全に包み込むため、強い反転シグナルを示唆することになります。
ローソク足の実体の差が大きければ大きいほど、売り圧力が強くなります。
下落トレンドが差し迫った状態にあることを示しています。
宵の明星
「宵の明星」は、3つのローソク足で構成されています。
最初のローソク足は長い陽線で、その次に小さな実体のローソク足(陽線でも陰線でもどちらでもいい)が現れ、3番目に長い陰線が現れてきます。
これは上昇トレンドの逆転を示すもので、とくに、3番目のローソク足が最初のローソク足の実体よりも長ければ長いほど、売り圧力は強くなります。
3つの黒いカラス
「3つの黒いカラス」は、3つのローソク足で構成されています。
短いかまたはまったくヒゲがない陰線が連続して出現します。
それぞれの陰線の終値は、前の陰線の終値よりも下回っているのが特徴です。
トレーダーはこのパターンを弱気の下降トレンドの始まりとして解釈することができます。
ロングポジションを持っていたらさっさと手仕舞い、ショーとポジションを建てることで利益を狙っていきましょう。
この「3つの黒いカラス」は、非常に信頼性の高いローソク足のパターンと言われています。
暗い雲カバー
「暗い雲カバー」は2つのローソク足で構成されています。
最初のローソク足は強気で実体が長い陽線です。次にくるローソク足は、実体が長い陰線で、始値が最初のローソク足のかなり上の価格で開きます。
そして、終値は、最初のローソク足の実体の半分以下のところで終わっている場合が多いです。
そうなってくると、かなり売りシグナルが強くなっていると判断をします。
また、ローソク足の実体が短い場合、それは下降トレンドが非常に決定的であることを示唆しています。
4つの継続ローソク足のパターン
ローソク足のパターンが、価格がどちらに動くかといった方向性を示さない場合があります。
そんなローソク足のパターンを4つ紹介しますが、それらは、ローソク足の継続パターンと呼ばれています。
それらの継続パターンのローソク足は、トレーダーがちょっと一服していいかどうかの判断材料にもなります。
童子
市場の始値と終値がほぼ同じ価格帯にある場合、ローソク足は十字またはプラス記号に似たかたちで出現します。
この童子のパターンは、買い手と売り手間の闘争を表しており、どちらの側にも純利益はありません。
買い手と売り手が互いにバランスの取れた割合であることを意味します。
言葉を換えれば、優柔不断なローソク足のパターンです。
プラス記号または文字「T」または反転した「T」のかたちとなって現れるケースが多々あります。
童子には4つの種類があります。
ニュートラル童子
プラス記号で表されるのが「ニュートラル童子」です。
ローソク足の実体は始値と終値が同じ(またはほぼ同じ)であることを意味しています。
これは、強気と弱気が均等に並んでいることを示しています。
長足童子
ローソク足の本体も線の形で、始値と終値は同じです。
ニュートラル童子との違いは、実体の線がはるかに長いことです。
そのため、強気と弱気の戦いはより強くなっています。
トンボ童子
トンボ童子は、大文字の「T」の形をしています。
高値と終値はほぼ同じです。
下落傾向が強いときは長い下向きの実体を作成します。
しかし、強気のトレンドの場合には、セッションが終了する直前に価格を上昇させます。
トンボ童子で取引したいときには、価格がローソク足の頂点を抜けたときにエントリーします。
墓石童子
このローソク足は、大文字の「T」が逆になったかたちです。
始値と終値は同じレベルです。
墓石童子の存在は通常、上昇トレンドのトップとその後の反転を意味します。
スピニングトップ
「スピニングトップ」(こま足)のローソク足のパターンは、等しい長さの芯の中央に短い本体があります。
このパターンは、相場の優柔不断を示しており、価格に意味のある変化はありません。強気は価格を上げ、弱気は価格を下げます。
スピニングトップは、大幅な上昇傾向または下降傾向の後、凍結または休息の期間として解釈されることがよくあります。
落下する3つの方法
このローソク足のパターンは、弱気であれ強気であれ、現在のトレンドの継続を予測するものです。
弱気パターンは、「立ち下がり3つの方法」と呼ばれています。
それは、長い陰線に、それに続く3つの小さな陽線のローソク足、そしてもうひとつの長い緯線で構成されています。
小さな陽線のローソク足は3本とも、左右の陰線の高値と安値の範囲に包含されています。
それは、強気にはトレンドを逆転させるのに十分な力がないことをトレーダーに示しています。
3つの方法の上昇
「上昇する3つの方法」のローソク足パターンと呼ばれる強気のパターンでは、その逆が当てはまります。
2つの長い陽線の範囲内に挟まれた3つの短い陰線で構成されています。
このパターンは、売り圧力にもかかわらず、買い手が市場の支配を維持していることをトレーダーに示しています。
以上がFXトレードをするうえで、ローソク足のパターンとして知っておくと、いろいろ便利だと思います。
辻秀雄氏プロフィール
ジャーナリスト。リーマンショックに世界が揺れた2008年に、日本で初めて誕生したFX(外国為替証拠金取引)の専門誌、月刊「FX攻略.com」の初代編集長を務める。出版社社員からフリーになり、総合雑誌「月刊宝石」や「ダカーポ」「月刊太陽」「とらばーゆ」などで取材・執筆活動を行う。また、『ビジネスマン戦略戦術講座(全20巻)』などビジネス書の編集にも携わる。著書に『インターネット・スキル』『危ない金融機関の見分け方』『半世紀を経てなお息吹くヤマギシの村』など。共著に『我らチェルノブイリの虜囚』『ドルよ驕るなかれ』『横浜を拓いた男たち』など。辻秀雄氏の詳しいプロフィールは、こちらから