「スプレッド0.2銭」とかってよく見るけど、実際取引するとどれくらいの手数料になるのかいまいち分からないな。
取引で実際にかかる手数料はどうやって計算したらいいのかしら?
それでは、今日はスプレッドによる実際の手数料を計算する方法について解説しましょう。
スプレッドは実質取引手数料
FX会社について調べると多くの会社で「取引手数料無料」となっていますが、FX取引にはスプレッドというものが存在します。
スプレッドとは通貨を売買するときの売値と買値の差のことです。通常、「銭」や「pips」の単位で表されます。「銭」はあまり馴染みのない人が多いかもしれませんが、円より小さい単位で、「1円=100銭」です。
例えば下記のように表示されていた場合、売値が100円0.0銭、買値が100円0.3銭ということです。
つまり上記のレートの場合、トレーダーはこの通貨を100円0.3銭で買うことができ、100円0.0銭で売ることができて、売値と買値の差=スプレッドは0.3銭ということになります。
ここでわかるように、ある通貨ペアを買ってすぐさま売ったとしても、買った値段よりスプレッドの分だけ安い値段で売ることになり、スプレッドの分損をしてしまいます。
100円0.3銭で買った後、レートが上がって下記のように100円0.4銭で売れるようになると、利益を出せることになります。
レートは0.4銭上がっていますが、100円0.3銭で買って100円0.4銭で売ったので、トレーダーの利益は1通貨につき0.1銭です。
このように、FXでは売値と買値の差=スプレッドがあり、レートが有利な方向に動いてもスプレッドの分だけ利益が目減りするので、スプレッドは実質取引手数料のようなものと言えるのです。
スプレッドによる実際の手数料を計算する方法
スプレッドから実際の取引でいくら手数料がかかることになるのかを計算する方法は簡単です。
スプレッドによるコストは、「スプレッド×取引数量」で求めることができます。例えば米ドル/円のスプレッドが0.2銭の会社で米ドル/円を1万ドル取引する場合は、下記のように計算し、20円となります。
同様に計算して、取引額が1千ドルの場合は2円、10万ドルならば200円のコストとなります。
取引額 | コスト (スプレッドが0.2銭の場合) |
---|---|
1千通貨 | 2円 |
1万通貨 | 20円 |
10万通貨 | 200円 |
100万通貨 | 2,000円 |
「1万通貨の取引で20円の手数料」と聞くと安く感じるかもしれません。実際、FXは株などと比べて手数料を気にせず取引しやすいと言われます。
ただし塵も積もれば山となり、取引量が増えると手数料も多くなるので注意しましょう。
スプレッドの狭いFX会社を利用しよう
FXで最も取引量が多く人気の通貨ペアである米ドル/円のスプレッドは、大手では長い間0.3銭が主流でしたが、2019年秋頃より大手FX会社が相次いで0.2銭に縮小するスプレッド競争が起こり、その後さらに縮小する会社も出てきました。
本記事で解説した通り、スプレッドは利益に直結するため、できる限りスプレッドの狭い会社で取引するのがおすすめです。
各社のスプレッドをチェックして、狭いスプレッド=少ないコストで取引できる会社を選ぶとよいでしょう。