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【トレーダー紹介】斎藤登美夫さん

FX実践レポート FX実践

ロングが多いが、ショートも増えてきた

――日本人は、為替のなかで「米ドル/円」のロングが好きだと思いますが、その理由は何でしょうか?

わかりやすいからでしょう。「米ドル/円」に限らず、自国通貨である円が絡む通貨ペアはわかりやすいからだと思う。

FX会社のレポートを見ても、「米ドル/円」のロングの取引をしている人が多い。ただ、ここ数年は、個人投資家もかなり勉強している。

売りから入る人も多くなった。そういう意味で、意識が変わってきたのは、良いことだ。

――日本は取引高が異常に多いので、もう少し学んでいけば、全体的に勝てる人が増えてくると思う。経済的にも良い。

FXはもっとも安全な金融商品

個人投資家の皆さんと話をしてみると、FXに関心を持っている方は多い。

よって、FXがもう少しメジャーになって欲しい。

――FX会社のマーケティングも問題がある。これからFXを始めたいと思っている人にはわかりづらい。訴求力が弱い。いろいろセミナーをやっているが、それはFXに一歩踏み込んでいる方にとっては、わかりやすくて良いだろう。しかし、FXは危ない、ギャンブルだというイメージがついてまわっている。その一方で、株式は健全な投資対象商品として認知されている。

FXは危険だという方がいる。

しかし、私は、FXほど安全この上ない金融商品はないと思っている。危険といわれるのは、その人が危険なことをしているからだ。

それから、為替と他の金融商品を比べたとき、ハイリスクはどちらかといえば、他の金融商品だ。

たえば、仮に「米ドル/円」が今1ドル=100円だとして、それが1年後に=0円、あるいは1ドル=1,000円になることは現実問題としてあり得ない。

しかし、株式だと、いま100円の株券が1年後に1,000円になったり、紙くずになったりすることはこれまで何度もあった。

どちらが危険かどうかは、それだけでもスグにわかる話だと思う。

ではなぜ、為替、FXがハイリスクだと言われるのかといえば、今は規制がかかって個人のレバレッジは最高25倍までとなったが、以前は、200倍といったレバレッジをかけて、損をしたケースも多々あったからだ。

マスコミなどで、「ハイレバレッジというと、みずから危険な取引をして損を被る」ことを、扇情的に面白おかしく取り上げられた結果、危ない取引、ハイリスクという間違った認識が広がってしまったのだと思う。

――FX会社のシステムもかなり強固になり、安定して良いレートが出ている。システムダウンや価格が飛んだといったトラブルはほとんどない。

まったくの同感だ。たとえば、Brexitの時は、1日でポンドが27円も下がったが、そんなことは年に1度あるかないか。

また、キチンとストップロスを置くなど対処をしておけば、損失は被ったとしても、被害は最小限に食い止められた。

――あの場合は、FX会社はかなり投資家に注意喚起を行っていた。

多くの業者は、そうしたフォローもキチンとやっている。イタリアの総選挙の時、私も注意喚起のメールをもらった。そのうえで、トレードをするのは、それはすべて自己責任だ。

――それを考えると、FXはそんなに危険ではない。

そう思う。やはり、危険かどうかはハイレバレッジやストップロスを置かないなど、その人次第。「取引のやり方」の問題なのだろう。

実需でFX会社を使う企業もある

――株式投資とあわせてやってもいい。輸出企業がそんなレートが動くなら、為替ヘッジの意味合いで、FXをやってもいい。

実需で銀行を通すより、手数料が良かったりするので、それなりの企業でFX会社を使っているところもある。

――それは理にかなっている。為替のリスクをヘッジするために、FX会社を使えるようになってきた。

そうですね。また、FX会社を通じて買ったドルを、海外旅行の際に現物として、引き出して使うという個人投資家なども最近はいるようだ。

――10年、20年前だと考えられなかった。

そんなことはできなかった。

時間軸を考え、過去のパターンを参考にする

実際に取引をするとなると、まず私は、時間軸を考える。価格は後からついてくると思っている。確実に参考にするのは、過去のパターンだ。

何年サイクルとか、何カ月サイクルというのは完全に参考にする。その例で言えば、「米ドル/円」のメインシナリオは、今年の場合、春から夏にかけて「年間のドルボトムをつける」というのが私の相場観だ。

何故なら、長期5.5年サイクルや短期10-15ヵ月サイクルなどが、そう示しているから。そうやって相場観を決めたうえで、注意すべき材料を探して、チェックする。

――それは絶対に大切なことだ。

ほとんどのトレーダーは兼業だから、まず、そういうシナリオを考えて、そこに落とし込んでいって、トレードをするのが良い。

それから、負けている人は、目先の利益に集中しすぎていて、あまりにも大きな利益を得ることにとらわれすぎている。

FXは儲かるという変なマインドセットになっている。

そうではなくて、年間何パーセント取れるようなトレードをしようというふうになったら、そんなにレバレッジもかけ過ぎないで、安全なポジション取りにもなっていく。

FXは何億円も儲かると誤解している人も多い

以前、セミナーをやったときに、「全然儲からないです」と言う女性がいた。いろいろ聞いてみると、儲かっていなくはない。

年間で5%ぐらいの利益は上げている。しかし、その女性は儲かっていないと繰り返す。

それは、メディアにも責任があり、「100万円が1億円になった」というようなFXに関する「体験談」の本がたくさん出ており、質問して女性はそういった本を読んで鵜呑みにしている。

だから、自分はまったく儲かっていない、これしか儲からない、と言う。先の本は100%ウソではないのだろうが、かなり特殊な事例であり、万人に当てはまることではない。

そこで銀行預金金利と比較をして、5%の利益はいかに凄いことかを言ったのだが、その人は腑に落ちない顔をされたままだった。

何か、感覚が違う。おかしいし、もったいない。

――本や雑誌の記事などで、100万円を1億円にした!というのは気を引きやすいので、そうしたメディアはこぞって、「FXは儲かる、私にも簡単にできる」というふうに思わせるところがある。だから、1年間に5%儲かっても、たいしたことはないと思ってしまう方が多い。

コツコツ取り組むのが最後には儲かる

そんな風潮はおかしい。私は1回の取引で10万円、100万円儲かる取引はしていない。

投資金額も少ないので、儲かっても1回あたりは1万円か2万円だが、それを年間で積み上げていくと、それなりの利益になる。

コツコツやるのが最後には儲かると思う。

――その通りだと思う。ドカーンと1億円儲けた方のその後を見てみたい。

ブロガーで10年前に儲かっていた人のうち、今も残っている方は本当に少ないし、さらに言えば銀行などに勤めるプロの為替ディーラーでも基本的には同じだ。

――連絡が取れなくなった方もたくさんいる。

必ずルールは決めること

――最後に読者へメッセージを。

取引をする場合には、最低限、ひとつ以上のルールを決めたほうがいい。それは絶対に守る。それは必ずしも取引のルールでなくてもいい。

たとえば、私と同じように「取引は夜の11時まで」といった時間のルールでもいいし、何十ポイント抜いたら利確する、投資金額はこれ以上突っ込まない、などルールを決めて取引を行えば、ある局面では負けて損失を出したとしても、トータルでは必ず勝てる。

初めのうちはビギナーズラックがあるかもしれない。実際にわからない人ほど儲かるという傾向もある。

でも、わからないままで勝ち続けていけるかと言うと、そんなに甘い世界ではない。どこかで勉強が必要だ。

辻秀雄氏プロフィール

辻秀雄氏
ジャーナリスト。リーマンショックに世界が揺れた2008年に、日本で初めて誕生したFX(外国為替証拠金取引)の専門誌、月刊「FX攻略.com」の初代編集長を務める。出版社社員からフリーになり、総合雑誌「月刊宝石」や「ダカーポ」「月刊太陽」「とらばーゆ」などで取材・執筆活動を行う。また、『ビジネスマン戦略戦術講座(全20巻)』などビジネス書の編集にも携わる。著書に『インターネット・スキル』『危ない金融機関の見分け方』『半世紀を経てなお息吹くヤマギシの村』など。共著に『我らチェルノブイリの虜囚』『ドルよ驕るなかれ』『横浜を拓いた男たち』など。辻秀雄氏の詳しいプロフィールは、こちらから
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