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プライスアクションとは何か?

FX実践レポート FX実践

耳にたこができるほど聞いているかもしれませんが、FXトレードは勝った人と同じだけ、負けた人が存在しています。勝者がいて、必ず敗者がいるというゼロサムゲーム、勝負の世界です。

そこには血も涙もありません。人情も優しさも、気遣いも、心配りもありません。いたって冷徹な勝ち負けという雌雄を決する世界です。

同じ投資の世界でも株式はFXトレードとは事情を異にします。たとえば、ある企業の株を購入していて、その企業の業績が伸びたり、画期的な新技術の開発や製品を開発したときには、その企業の株価は跳ね上がります。

そうすると、その企業の株式を購入しているすべての人たちは例外なく大きな利益を得ることになります。誰が損をして、誰が得をする世界ではありません。

そこがFXトレードとはまったく違います。 FXは、端的に言えば、2国間の通貨を交換しているだけの世界です。ですから、たとえば、「米ドル/円」ですが、米ドルが10%上昇したが、円は逆に10%下落したということになり、どちらかが得をして、どちらかが必ず損をする世界です。

そんな世界にFXの個人投資家は身をまかせているわけです。ですから、どちらかが勝って、どちらかが負けるという厳然と厳しい世界ですから、その世界に挑むに当たっては、なりふり構わずに闘っていかなければ、勝利をつかむことはできません。

人に何を言われようが、勝ち馬がどちらかを察してそれにうまく乗っかり、負け犬を徹底的にたたいてやる、節操も何もあったものではないと言われながらも、そうした行動がFXトレードの世界には求められているのです。

では、為替レートの値動きは何よって決まるのでしょうか。各国の経済指標の結果でしょうか?各国の政策金利でしょうか?

実は、為替レートの値動きを支配しているのは、通貨ペアの買い手である「ロング筋」と、通貨ペアの売り手である「ショート筋」です。ロング筋とショート筋の攻めぎ合いによって、為替レートの値動きは決まっていきます。

ロング筋が勝利をすれば、為替レートは上昇しますし、ショート筋が勝利をすれば、為替レートは下落していきます。それを如実に現しているのが、ローソク足ということになります。

たとえば、ある時点でショート筋が勝ったように思えたのですが、その後、ロング筋の猛攻撃あってショート筋が配送をしたときのローソク足は、長い下ヒゲをつけたローソク足が出現します。

その逆に、ロング筋が勝ったように思えたのですが、その後、ショート筋の猛攻撃にあってロング筋が敗退したら、長い上ヒゲをつけたローソク足が出現します。

そうしたローソク足の動きをつぶさに観察しながら、ロング筋が優性か、ショート筋が優性かを読みとり、次の為替相場がどのような展開になるかを読みとっていく分析方法が「プライスアクション」と呼ばれるものです。

値動きを読みとる分析方法をプライスアクションといいますが、どんなに投資の世界が進歩しようが、新しい投資商品が出現しようが、その背景にあるのは、人間だけがもつ、動物にはない欲望や感情、心理、思考、行動パターンです。

プライスアクションを成功させるためには、そうした背景にある人間特有のいろいろな様態を読みとっていかなければなりません。それはどんなにトレード技術が進歩しようが、変わることはありません。

FXトレードの勝利の近道はなんといっても、勝ち馬に乗ることです。それがFXトレードで勝利をつかむ近道です。そのなかで重要なことは、為替レートの暴落や急騰といった急激な値動きの多くは、トレードの勝者よりも、残念ながらトレードの敗者によってつくられることが多い、という事実です。

たとえば、こういう状態を考えてみましょう。為替レートが上昇トレンドになっています。この場合の勝者は、ロング筋です。こういう場合のロング筋の心理状態はどうでしょうか。

上昇トレンドが続いているのですから、心には余裕がありますので、むやみに高値を追って買うことはしないで静観しています。取引に対する緊張感もゆるんできています。

しかしその一方で、ショート筋の心理状態はどうでしょうか。上昇トレンドですから、売りポジションを持っていると含み損が膨らむばかりで、気がきではありません。

損失は拡大する一方ですから、焦ってきます。なんとか起死回生の手を打たなければ取り返しがつかなくなると思いながら、追加の売りを入れても上昇は止まりません。そうなってくると我慢も限界がやってきます。そんなときに思うのは、損失をできるだけ少なくすることです。

したがって、手早く買い決済を入れることになります。 そうしたときのショート筋の動きは、まるで雪崩のごとくとてつもない急いで買い決済の損切りが行われていきます。ロング筋の利益確定のスピードとはまったく比べようもないほど早いスピードで損切りが行われていきます。

そうしたショート筋の大量の損切りは、為替レートの大きな上昇をもたらす要因となります。このように為替相場が急上昇するときは、たいていは大きな損切り注文が入ったときにみられるケースが多いといえます。

しかし、上昇トレンドでもロング筋は安心してはいられません。ロング筋のなかにはいつトレンドが終わるかわからないという焦りも生まれてきます。トレンドが長く続けば続くほど、いつ終わるのか、という焦りの気持ちが高まってきます。

そして、一刻も早く利益を得たいという心理が働いてきます。なぜなら、トレンドはずっと永遠に続くわけではなく、いつか終焉を迎えるからです。

トレンドの終焉を迎える前に少しでも多くの利益を得たいと、ロング筋であっても利益確定の決済注文を、トレンドが上昇中でも入れる人がけっこういます。

ロング筋ですから決済は売り決済となりますので、売り決済が入ったときには、為替レートは下がります。そうした状況が押し目といわれるもので、ロング筋のなかに押し目を狙って買い増しをするトレーダーもいます。

ご存じのように為替レートの値動きはまっすぐに上昇したり、下降したりということはありません。上昇トレンドであっても途中で下落したり、下降トレンドであっても途中で上昇したりと、ジグザグに動いていきます。

これは、FXトレードの値動きの宿命みたいなもので、市場に参加しているトレーダーが、損切りや利益確定の決済注文を発注することで、相場は上下動を繰り返していきます。

そのような為替相場の値動きを読みとって、次の行動に備えるのがプライスアクションです。では、プライスアクションでは何を基準にして為替レートの動きを読みとっていけばよいでしょうか。その一つは、ローソク足に現れる極端に長いヒゲに注目することです。

小さなヒゲではありません。長いヒゲです。間違えないでください。というのは、たとえば、ローソク足の実体の下に長い下ヒゲが現れていたら、どんな判断をしますか?

為替レートはそのようなローソク足が現れたら、次にどんな値動きをするか想像できますか?長い下ヒゲを伴ったローソク足が現れることは、当初は、ショート筋が優勢だったが、ある時点からロング筋が優勢となり、買い手と売り手の立場が逆転したことを示しています。

そうなると、買い手が優勢ですから、次に来るローソク足は右肩あがりの陽線が出現する可能性が高くなります。逆に、長い上ヒゲを伴ったローソク足が出現したら、どう判断したらいいでしょうか。

この場合は、買い手が優勢だったが、いつの時点からか売り手が優勢となったことを意味しています。ということは、ショート筋がロング筋を任したことになりますので、レートは下がっていきます。

そうすると、次に来るローソク足は陰線の可能性が高くなります。ただ、相場ですから必ずしもその通りになるわけではありませんが、ローソク足のヒゲから判断できるプライスアクションは以上の通りです。

ただ、プライスアクション(値動き分析)は、数学的ではなく、感覚的察知するものだと、凄腕トレーダーの一人は言います。

外資系金融機関で為替相場を闘ってきた凄腕トレーダーで、現在は、FXのセミナーなどの講師を務めている人物の発言だけに重みがあります。仮にAさんとします。

Aさんはもともとテクニカル分析を非常に重要視し、のめり込んでしまうほど夢中になってしまい、長い間、テクニカル派だと自分では思っていました。

しかし、長い間の為替相場の経験のなかで徐々に感じてきたことは、テクニカル分析だけではどうにも説明がつかない、事態を実感することが多くなってきたといいます。

たとえば、買われすぎ、売られすぎを判断するときに使うスローストキャスティクスというテクニカル指標ですが、このテクニカル指標は、2008年のリーマンショックのときに、為替レートが暴落しているときでも「売られすぎ」のサインをだし、下げ止まると買いのサインをだしていたそうです。

もし、スローストキャスティクスの示す通りにトレードをしていたら、大損をしていました。 これはいかんとAさんは、値動き分析で相場を読むことを意識的に活用するスタイルを採用し、現在もそのスタンスでトレードをしています。

Aさんによると、値動き分析を身につけると、マーケットポジションだけでなく、マーケットがいま何を考えているのか、どうなってほしくて、逆にどうなっては困る、といったことがある程度わかってくると言います。

値動き分析は、上下動しながら動く為替レートを見ながら、現在の相場のポジションがどうなっているかを把握し、相場が下がるのか、上昇するのか、など今後の値動きを予測する手法です。ですから、誤解を恐れずにいってしまえば、値動き分析は相当、感覚的なものといえます。

現在、参加している市場の流れに、動きに自分の感覚や考えをあわせていくようなものといったらいいでしょうか。頭より先に肌で感じるといったらいいでしょうか。

そんな感覚を養うためには、相当数のトレードをこなす必要があるのは言うまでもありません。失敗も多くすることでしょう。しかし、失敗のトレードのなか自分のスキルを磨き、トレード感覚を養うことは重要なことです。

辻秀雄氏プロフィール

辻秀雄氏
ジャーナリスト。リーマンショックに世界が揺れた2008年に、日本で初めて誕生したFX(外国為替証拠金取引)の専門誌、月刊「FX攻略.com」の初代編集長を務める。出版社社員からフリーになり、総合雑誌「月刊宝石」や「ダカーポ」「月刊太陽」「とらばーゆ」などで取材・執筆活動を行う。また、『ビジネスマン戦略戦術講座(全20巻)』などビジネス書の編集にも携わる。著書に『インターネット・スキル』『危ない金融機関の見分け方』『半世紀を経てなお息吹くヤマギシの村』など。共著に『我らチェルノブイリの虜囚』『ドルよ驕るなかれ』『横浜を拓いた男たち』など。辻秀雄氏の詳しいプロフィールは、こちらから
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