本記事では、移動平均線について紹介するわ!
一応チャートに表示させてるけど、いまいちわからない・・・
そうね・・・
移動平均線は、テクニカル分析の中でも最もポピュラーなものとして、多くのトレーダーから人気を受けています。
そこで本記事では、
- 移動平均線について
- 移動平均線の種類
- 移動平均線の使い方
という流れで、移動平均線について紹介します。
移動平均線について詳しく知りたいという方は、ぜひご参考としてください。
移動平均線とは?
いまさら改めて説明するまでもありませんが、移動平均線は、その描いている線と現在の価格との乖離や、線と価格の交わりによってトレンドの転換点や方向性を探るといういたってシンプルな点と、多数派に動く市場を判断するという意味で、重要なテクニカル分析だし、世界中の多くのトレーダーが参考にしているという点で、テクニカル分析の入門編といっていいかもしれません。
移動平均線と聞くとトレーダーなら誰もが一度は口にするのが、こういう質問です。
「〇〇さんは、何日の移動平均線を使っていますか?」
知り合いの多くのトレーダーがセミナーなどを実施すると、参加者から必ずこういう質問がでると聞きます。
確かに、移動平均線の日数は、たとえば、5日線と20日線、90日線、200日線ではまったく異なる線を描画しますし、それぞれの移動平均線が持つ意味や、教えてくれる事柄も違うので、日数を決定するにはそれなりの根拠が必要です。
しかし、何日の移動平均線を使うのか、と悩むよりは、移動平均線から自分は何を学ぼうとしているのかを考えるほうが大事ではないか、と思うわけです。
なぜ、こんなことを述べるかといえば、テクニカル分析に詳しいプロトレーダーが私にこんなことを言ったことがあります。
デジタル機器が身の回りにあふれるデジタル社会に生きている身にとって、いまどき、移動平均線の数値を算出するのに、わざわざ電卓を使って計算する人はいません。
それが複雑な計算から成り立っているとしても、何で構成されているかを知らなくても、パソコンで各テクニカル分析のツールを操作するだけで、パソコンの画面上には、瞬時にテクニカル分析を描画することができます。
しかし、移動平均線がどんな意味を持っているのか、何によってどう構成されているのかを知ったうえで使うのと、知らないまま使うのでは、その得られる真価の度合いが違ってきます。
日本人の好きな移動平均線は?
FXトレードの道へ足を踏み入れた人が真っ先に使うのが移動平均線といわれるほど、移動平均線のユーザーは世界中に散らばっています。
しかし、地球の裏側で活用している移動平均線と日本人が好む移動平均線が違うってことを知っている人はどのぐらいいるでしょうか。
と、その前に、移動平均線と一口にいっていますが、いくつか種類があります。
主な移動平均線は3つです。
- 単純移動平均線
- 加重移動平均線
- 指数平滑移動平均線
この3つが主要な移動平均線です。
移動平均線にはこのほか、三角移動平均線や正弦加重移動平均線、累積移動平均線などがありますが、使用頻度は低いようです。
主要な3つの移動平均線のかで、日本の個人投資家やプロトレーダーがよく使っているのが、単純移動平均線(SMA=Simple Moving Average)です。
その名の通り、計算式はいたって単純です。
たとえば、5日移動平均線だと、5日間の価格をたしたものを5で割るという、まさにその名が示すように単純なつくりとなっています。
しかし、それでは不足だと思う人がでてくるはずです。
古い情報よりも新しい情報のほうが意識されるはずなのに、SMAでは20日移動平均線であれば、20日分をフラットな視点で視ることになります。
さらに、20日線を出しているのであれば、21日前は完全に視野の外に置かれています。
もし、20日前より以前に金融危機が起こって、市場に大きな影響がでて、価格が乱高下したとしても、20日移動平均線はそれを無視して、描画してしまいます。
加重移動平均線とは
そんな点を補うためにSMAを改良して、考案されたのが、加重移動平均線(WMA=Weighted Moving Average)と、指数平滑移動平均線(EMA=Exponential Moving Average)です。
WMAは、時間が経過すればするほど比重を小さくするという特徴があります。
計算式は以下の通りです。
5日の加重移動平均線と仮定すると、当日の価格には5をかけ、1日前には4を、2日前には3を、3日前には2を、4日前には1をかける、というふうに、日が経つごとに比重を軽くしていって、加えたものを15(5+4+3+2+1)で割って数値をだし、それを描画します。
指数平滑移動平均線とは?
一方、EMAは、SMAよりも強く新しいものを重視する移動平均線ですが、それだけではなく、古いものもしっかり織り込んで描画されるのが特徴です。
計算式は以下の通りです。
※EMAyは前日のEMA、Pは本日の価格 EMAは、直近の価格を重視するため、もっとも速い反応で価格の行方を示してくれることから、アメリカでは、移動平均線といえば、EMAのことを指しているといいます。
一般的にいって、移動平均線は価格の動きにわずかですが、遅れて表示されます。
そのため、最適なポイントでのエントリーや決済の機会を失うことはしばしばあります。
そんな移動平均線の特徴があるのですが、EMAのその中でも、素早く新しい価格の動きにもっとも早く反応するので、取りこぼしが少ないといわれています。
さらに、移動平均線は、他のテクニカル指標をつくるのにも一役買っています。
たとえば、MACDというテクニカル指標があります。
トレーダーのなかでも人気が高く、活用している方は多くいます。
そのMACDは、2本のEMAを使用してつくられているのです。
ご存じでしたでしょうか。
移動平均線リボンとは?
単純移動平均線や加重移動平均線、指数平滑移動平均線が移動平均線を代表するものだとすれば、移動平均線リボンはさしずめなんと形容したらいいでしょうか。
トレンドの発生や、押し目買い、戻り売りのポイントを一目で教えてくれるインディケータが、移動平均線リボンです。
移動平均線リボンは多くの場合、長さが異なる6〜8個の移動平均線で構成されます。
しかし、一部のトレーダーは、これより少ないあるいはもっと多いものを選択している場合があります。
トレーダーは、10日、20日、30日、40日、50日、および60周期の移動平均線など、10周期の間隔で設定される単純な移動平均線リボンをよく使用します。
しかし、移動平均線の間隔は必ず10周期でなければならないとうルースはなく、5周期でも15周期でもまったくかまいません。
移動平均で使用される期間の数を変更するか、移動平均のタイプを単純移動平均線(SMA)から指数平滑移動平均線(EMA)に変更することによって、インジディケータの反応の早さを調整することができます。
移動平均線リボンの作成に必要な移動平均線の周期が少ないほうが価格の変化に敏感になります。
つまり、5、15、25、35、および45期間の一連の移動平均線リボンは、150、160、170、180期間の移動平均線リボンよりも、短期の価格変動により迅速に反応するというわけです。
長期のものは、資産の大きな転換点のみを強調したい長期投資家に好まれます。
価格がリボンを上回っている場合、または少なくともほとんどのMAを上回っている場合、価格は上昇していると判断します。
その逆に、価格が移動平均線リボンのほとんどを下回っており、移動平均線が下向きになっている場合、価格は下落していると判断します。
上記のチャートは、「米ドル/円」1時間足チャートに移動平均線リボンと、移動平均線リボンバーを表示したものです。
上記のチャートは「米ドル/円」1分足チャートに移動平均線リボンと移動平気線リボンバーを表示したものです。
この「米ドル/円」の二つのチャートは、TradingViewから抽出したものです。
このTreadingViewは無料で使用できるチャートで、FXの他に株式や暗号資産などの価格チャートとしても使えます。
話を元に戻します。
このリボンが拡大すると、トレンドが強くなっていることを意味します。
たとえば、価格が大幅に上昇した場合、移動平均線は、短い移動平均線が長い期間の移動平均線から引き離されて扇がたに広がります。
一方、リボンが縮小すると、価格が勢いを失ってきていることを意味します。
インディケータが緑から赤に、赤から緑にそれぞれ色が変化するときに、インディケータが低くまたは高く交差し始めることで、強気または弱気のトレンドを識別できます。
線を広げることは、トレンドの強さが増加していることを示唆し、線を狭くすることはトレンドが勢いを失っていることを示唆しています。
上記のチャートに描かれている移動平均線リボンは、5日線から5日周期で90日線までの間で選んだ18本の移動平均線によって構成されています。
また、移動平均線も単純移動平均線ではなく、価格の変化に敏感な指数平滑移動平均線を使用しています。
そして、下部に示している移動平均線リボンバーは、黄緑色が完全に上昇トレンドになっていることを意味し、赤色が下降トレンドになっていることを示しています。
赤色から濃い緑色に変わっているときは、トレンド下降から上昇トレンドに変化する可能性があることを示唆しています。
さらに、黄緑色のなかでときおり、茶色のバーが現れるのは、押し目買いのチャンスであることを知らせるものです。
これが、赤色のなかで濃い緑色が現れると、戻り売りのチャンスであることを示唆しています。
しかし、「米ドル/円」1時間足チャートで下に描かれているリボンバーで、右側に茶色のバーが現れています。
押し目買いのチャンスを示唆していますが、これは上のチャートを確認すると、押し目買いのチャンスとはいえません。
そういうここともあるので、網目的に信用する必要なありませんが、トレンドや戻り売り、押し目買いのチャンスを視覚的に教えてくれる、わりとわかりやすい移動平均線といえます。
知らなかった移動平均線の重要なポイント
世界中のトレーダーが使用している移動平均線は、「ザ・キングオブ・インディケータ」と呼んでもけっして過言ではありません。
その移動平均線ですが、ローソク足の何の平均値をもとに描画されているのか、ご存じでしょうか。
上記の説明のなかで何度も「価格」という言葉が登場しますが、この価格とはローソク足のどの部分を指している価格でしょうか。
ローソク足については、ほとんどの人が知っているはずです。
何しろ、ローソク足が何を意味しているかわからなければFXトレードなんてきるはずがありません。
おさらいをすると、
ですから、ローソク足をみるだけで相場がどう動いているか、通貨ペアの値動きがどうなっているかが一目でわかるのです。
このローソク足1本に込められた始値から高値、安値、終値のいったいどの数値を計算して、平均値をだしているのでしょうか。
それは「終値」の平均値なのです。
終値の何日かぶんを計算して算出した平均値を、移動平均線として描写しているのです。
始値や安値、高値などはいっさい計算の対象とはしていません。
さらに、ローソク足には上下にヒゲがつくことも多いですが、この最安値と最高値を現すヒゲの長さも移動平均線とは何の関係もありません。
移動平均線の向きを決定するのは何
さて、終値の平均値が移動平均線の基本だということがわかりました。
では、終値の平均値で描写される移動平均線と終値の関係はいったいどういう関係なのでしょうか。
移動平均線をチャートに描写してみると、緩いカーブを描きます。
上に山なりのようになったり、下では谷間のようなカーブを描いたりします。
そして、移動平均線の上に、ローソク足の終値があり続けるとしたら、移動平均線は上向き、つまり、右肩上がりの状態が続くということです。
その逆に、ローソク足の終値が移動平均線の下側にあり続けるとしたら、移動平均線は下向き、つまり、右肩下がりの状態を維持する、続けるということになります。
それは当然といえば当然のことです。
なぜなら、移動平均線は終値の平均値を線画したものですから、終値が平均値より上であれば、移動平均線はどんどん上昇していくのは当たり前の話です。
その逆もまた然りです。
これが、移動平均線と終値の基本的な関係で、この基本的な鐘鋳が移動平均線を使ったトレードでは大変重要になります。
通貨ペアの値動きにも当然関係してくることですし、そのことはエントリーのポイントや決済のタイミングとも密接に関係をしてくるわけです。
そんな終値と移動平均線の基本的で、重要な関係をあまり意識していないFXトレーダーが多いのも事実です。
移動平均線の向きは何を意味するか
移動平均線が下向きか、上向きになることで判明するのは、通貨ペアの値動きの方向性、つまり、現在の相場が上昇トレンドなのか、下降トレンドなのかがわかるということです。
この方向性がわかれば、トレードはしやすくなります。
FXトレーダーにとってエントリーがもっとも難しいと言われています。
なぜなら、値動きが上昇すると思って買いポジションを持ったはずなのに、ローソク足は陰線の連続になってしまったら、利益をあげるどころか、大きな損失を出してしまいます。
その逆も然りで、値動きが下降すると思って売りでエントリーしたら、ローソク足は下降せず、上昇を始めてしまったら、そのエントリーは失敗ということになるからです。
なぜそんな失敗をするのかといえば、値動きがどちらに転ぶかはっきりと判明しないから、なんとなく感でエントリーしてしまうからです。
ところが、移動平均線は相場の方向性を指し示してくれるテクニカル指標です。
移動平均線には大きく分けて、3種類あります。
- 「短期線」
- 「中期線」
- 「長期線」
その各々の移動平均線の向きで、「短期的には下降トレンドだが、長期的に見ると上昇トレンドである」とか、「短期的には上昇トレンドだが、長期的に見ると下降トレンドである」といった判断が可能になるということです。
そして、移動平均線が上昇トレンドにあるのか、下降トレンドにあるのかを決定づけるのが、ローソク足の終値というわけです。
ですから、終値はローソク足のなかでも、もっとも重要な存在だといっても過言ではありません。
FXトレードを始めたばかりの初心者でも、ベテランのトレーダーであっても、この「終値」の重要性を意識するかしないかで、トレードの成績は変わってきます。
なぜなら、終値はチャートの動きを読み解く重要なポイントなのですから。
トレンドに変化を読み取るには
終値が移動平均線の上側にあるのか、下側にあるのかで、相場は上昇トレンドか下降トレンドかがわかるといいました。
これがまず移動平均線を使う大きな理由の一つです。
次に判明することは何かといえば、相場の転換点、つまり、「トレンド転換」が、ローソク足の終値と移動平均線との関係でわかるということです。
FXトレーダーなら例外なく、誰しもが気になるのが、現在のトレンドが上昇トレンドであれ、下降トレンドであれ、このトレンドがいつまで続くか、ということです。
それがある程度判明すれば、イグジット、つまり、決済のポイントがわかり、効率のいい利益を得ることができます。
このトレンド転換のポイントがわからなかったばかりに、たとえば、2万円の利益をゲットできるはずだったのに1万円しかゲットできなかったとか、トレンド転換のポイントを見逃して、逆に損失を被ってしまったとか、トレードの成績に大きく影響を及ぼすのが、トレンド転換のポイントです。
トレンドが転換する前には必ず「今からトレンドが転換するぞ」という兆候が現れます。
これは絶対というわけではありませんが、多くのFXトレーダーが経験値としていえることです。
トレンドが転換する時の兆候は、終値が移動平均線を割り込むことです。
上昇トレンドから下降トレンドに転換が始めるときには、ローソク足の終値が移動平均線の上側を進んでいたものが、移動平均線を割り込んで終わるということです。
下降トレンドなら、ローソク足の終値が移動平均線の下側を進んでいたのに、移動平均線を上抜けて終わるという現象が起きることです。
そうなったら、上昇トレンドは下降トレンドに、下降トレンドは上昇トレンドに移行してしまう可能性が高くなると言われています。
もちろん、相場は生きものですから、そのセオリー通りにいつも動くとは限りません。
しかし、FXのテクニカル指標として誰もが使っている移動平均線の特徴は、ときには外れることもあるでしょうが、多くの人が使っているということは、移動平均線を信頼しているからです。
なぜ、移動平均線を信頼して使っているのかといえば、やはり、相場が移動平均線の指し示すセオリー通りに動くケースが多いからではないでしょうか。
ということで、トレンドの転換ポイントを知るには、移動平均線は重要なテクニカル指標と言えるのです。
FXトレーダーとしては、トレンド転換を指し示すローソク足の終値と移動平均線のかたちを見逃さないようにしましょう。
FXのセミナーではよく、講師がチャートを用いて値動きの解説をすることが多くあります。
もちろん、移動平均線を例に出して、上昇トレンドとか下降トレンド、あるいはレンジ相場はこうだという解説をします。
FX初心者はメモをとりながら、
- 「上昇トレンド相場とはこういう値動きをするんだ」
- 「下降トレンドの場合はこうなだ」
- 「レンジ相場はやたらと価格が上下するけど、価格が上下する幅はほぼ一定のようだな」
とか、わかってくるはずです。
しかし、FXトレーダーにとって重要なことは、上手なトレードができるかどうか、という一点です。
FXセミナーなどでトレンドの解説を聞いても、それは過去の話にすぎません。
上昇トレンドや下降トレンドがわかったからといって、トレードの成績がぐ~んと上がるわけではありません。
大事なのは相場がこの先どうなるかを知ることです。
しかし、相場がこの先どうなるかわかる人は一人もいません。
たとえば、常勝トレーダーといわれる人たちとて例外ではありません。
大事なことはトレンド転換や反転の兆候
通貨ペアが1時間後どう動くか、いや5分先でもいいから、その動きが判明すると、トレードはずいぶんやりやすくなるはずです。
それは当然のことです。
未来のある時点の相場がどうなっているかがあらかじめわかるのだったら、それに併せて取引きする通貨の量を決め、エントリーし、決済をすれば、大きな利益を得ることは間違いありません。
しかし、FXの相場はそんな夢のような話とはまったく無縁な存在です。
FXトレーダーのなかには、あたかも未来がわかったように、相場の予想を説く人が少なからずいます。
いろいろなテクニカル指標やファンダメンタルズ分析を駆使して、未来の値動きを予想するわけでしょうが、FXトレードにおいてそんな未来予想はまったく無意味です。
なぜなら、通貨ペアの価格が上昇するのか、下降するのか誰にもわからないからです。
そんな予想をしても、万が一、当たる時もあれば、はずれるときもあるでしょう。
そんなモノに、時間を使うのは、時間の無駄です。
はっきりいっておきますが、トレードの本質は予想をすることではありません。
FXのトレーダーは預言者でもないし、競馬の予想屋でもありません。
しかし、繰り返しになりますが、チャートは相場が転換する時に決まったサインを出します。
トレーダーであるならば、そのサインを見落とさないように、チャートを読み解く能力を高めることが重要となってきます。
FXも金融商品です。
金融商品の取引といえば、やはりまだ海外で古くから相場のなかで闘ってきた、海外の百戦錬磨のプロたちにはかないません。
そして、彼らはローソク足の終値と移動平均線の関係の重要性を熟知しています。
ですから、ローソク足の終値と移動平均線のかたちをみて、ためておいたポジションを決済して利益を出すか、あるいはドテンをして新たにポジションを建てるか迷いがでてくることもあります。
たとえば、上昇トレンドできていたものがある時点でトレンド転換のサインがでて、みんながいっせいに売り決済をしてしまったら、ローソク足は移動平均線を下側に突き抜けて下降トレンドになってしまいます。
そうなると、トレンド転換のサインがでたところで新たに売りポジションを建てると、利益を上げる可能性もでてきますが、果たしてそこで誰もが決済をするかどうかはわかりません。
だから大事なのは、移動平均線とローソク足の終値との第一歩でトレンド転換のサインがでてもあわてて決済をしたり、新たに反対のポジションを持つのではなく、トレンド転換の兆候とされるローソク足の次のローソク足の終値と移動平均線の関係がどうなっているかを判断することが重要になってきます。
移動平均線のパラメータ
移動平均線のパラメータの数値は何がベストなのかは重要な課題です。
誤解を恐れずにいってしまえば、数値はあまり気にする必要はありません。
なぜなら、移動平均線は終値の平均値ですから、いってみれば平均値の集合体です。
そして、ローソク足は必ず平均値に集約されます。
ということで、パラメータとしてベストな移動平均線は存在しません。
しかし、とくに海外のトレーダーが多用している移動平均線は、1時間足のチャートで、移動平均線のパラメータは100日線、200日線、300日銭です。
1時間足チャートは、世界中のトレーダーがもっとも多く使っているチャートの時間足です。
そして、長期線もよく使います。
というか、短期戦、中期線と組み合わせて使うわけです。
傾向としては、短期線や中期線のパラメータはトレーダーによってバラバラですが、なぜか長期線については、きりのいい数字を使っているようです。
海外の猛者FXトレーダーはシンプルな、すっきりとしたきりのいい数値が好きなのかもしれません。
ラインチャートの使い方
移動平均線は終値が重要なポイントだということを述べてきましたが、ではその重要な終値をトレードにどうやって活かせば良いのでしょうか?
その答えの一つが「ラインチャート」の活用です。
多くの方がラインチャートの存在は知っていても、ローソク足チャートで充分だと思っていて、その使い方なんて見向きもしていないと思います。
ラインチャートの大きな特徴は、「変化のポイントがわかりやすい」ことです。
通貨ペアの値動きに何も変化がなく、継続して上がっていたり、下がり続けているときには、そのまま直線で表現します。
ところが、レートが反転したりすると、反転した部分は鋭角的に描かれるので、何が起こったのか一目でわかるようになっています。
つまり、その変化部が集中している部分がチャートの下値支持エリアだったり、上値の抵抗エリアだったりするのです。
ですから、トレードで「押し目買い・戻り売り」のスタイルを実践するのに非常に役に立つのです。
ぜひ、今日から試してみてはいかがでしょうか。
移動平均線のまとめ
以上、移動平均線の特徴とラインチャートについて述べてみましたが、大事なことは、ローソク足の終値と移動平均線との関係を読み解く目を、能力を養うことです。
そのためには、最初は大変でしょうが、チャートを見続けることです。
チャートを見続けていると、ローソク足の終値と移動平均線のかたちがどうなるかに注意が向き、その後値動きがどうなるかをチェックしていくと、見えてくるものがあるはずです。
辻秀雄氏のプロフィール
ジャーナリスト。リーマンショックに世界が揺れた2008年に、日本で初めて誕生したFX(外国為替証拠金取引)の専門誌、月刊「FX攻略.com」の初代編集長を務める。出版社社員からフリーになり、総合雑誌「月刊宝石」や「ダカーポ」「月刊太陽」「とらばーゆ」などで取材・執筆活動を行う。また、『ビジネスマン戦略戦術講座(全20巻)』などビジネス書の編集にも携わる。著書に『インターネット・スキル』『危ない金融機関の見分け方』『半世紀を経てなお息吹くヤマギシの村』など。共著に『我らチェルノブイリの虜囚』『ドルよ驕るなかれ』『横浜を拓いた男たち』など。辻秀雄氏の詳しいプロフィールは、こちらから