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新興国通貨とは何か?

FX実践レポート FX実践

庶民受難の時代

言い尽くされた言葉に、「失われた20年」とか「失われた30年」といった表現をすることがあります。

最近ではめったに聞かなくなった標語ですが、数年前には盛んにこうした言葉が世間をにぎわせていました。

高度成長がバブルの終焉をもって終了してから先進国、なかんずく日本経済は低成長が続いています。そのあおりを受けているのが金融機関に預金を預けているわれわれ国民です。

そう感じたことはありませんか?

なぜなら、金融機関にお金を預けても、わずかな利息しかつかない低金利の時代です。金融機関にお金を預けても増えることはありません。

どうしてかと言えば、金利のあまりの低さからです。

たとえば、古くから営業をしている日本の金融機関の普通預金の年利は、0,001%が当たり前になっています。

ですから、この利率で100万円を銀行に預けていても、1年後の利息はたった10円です。これでは何のために銀行にお金を預けているかわかりません。

家のタンスなどに保管しておくより、銀行にあずけておいたほうがセキュリティの面で安心だから、預けているに過ぎません。

しかも、恐ろしいことに、国家は数少ない利息からでも税金(20.315%)を徴収します。それも例外はないのです。

利息がある一定のレベルを超えたから税金を徴収するというのではありません。何が何でも利息から税金を徴収するという方針ですから、こんな非道はありまえん。

まさに、踏んだり蹴ったりの銀行の預金金利の状況だといえます。 なぜ銀行預金の利息から税金を徴収するのか、その根拠がまったくわかりません。

これでは銀行に預金をしないでタンス預金をしておこうという気持ちになってきます。

銀行に預金をしてもお金が増えるわけではないので、セキュリティさえ万全にしておけば、タンス預金をしたほうが、税金をもっていかれないですむはずです。

近年、ネット銀行がもう当たり前の時代になってきましたが、ネット銀行は古い銀行の預金よりも利息の利率が高いのですが、それでも普通預金の年利は、いいところで0.2%です。

銀行預金がそんな状況ですから、資産形成にはまったく役に立ちません。そうなってくると、どうしても投資という手段で、自分の資産を増やすしかありません。

しかし、この投資についても世間でよからぬ輩がいて、汗水たらして働いて得た資金を根こそぎ奪おうと手ぐすねを引いて待っている輩がいます。

言葉巧みに近づいていきて、楽にお金が儲かる、何の努力をしなくてもお金が儲かるといって、甘い言葉を駆使して、誘惑をしようとする輩が、とくに、投資といわれる業界には多くいます。

だから、一言で投資といってもいろいろありますが、注意をしなければいけないのは、どうしても資産形成を図ろうと思ったら、お金を儲けようと思ったら、ある程度のリスクを背負うことは覚悟しなければいけなせん。

人の財布を狙ってくる輩のなかには、「絶対に儲かる」といって、お金を奪い取ろうとする輩が多くいますが、だまされてはいけません。

投資の世界に「絶対に儲かる」ということは、絶対にありません。絶対に儲かるのであれば自分だけが稼げばよく、人に勧めたりはしません。

そういう輩は人の資産形成などどうでもよく、まず、自分がいかに儲けるかということしか頭にありません。ですからそのために、いろいろな手練手管を用いてきます。

ただ、大きな利益を得るにはそれなりのリスクを背負わなければ、大きな利益は得ることができません。簡単に儲かる話などないのです。そんな話は詐欺です。

新興国に投資をするためには

数ある金融商品のなかで、投資初心者でも取り組むことができる金融商品が、FX、外国為替証拠金取引です。

少額の資金で始めることができて、だれでも手間をかけずに取引を始めることができます。

取引も、通貨が上昇するか、下降するかを見極め、取引方法も、通貨を買うか、売るかの二通りしかありません。単純といえば、非常に単純な取引がFXという金融商品です。

しかし、気をつけてほしいのはこの金融商品は、為替という世界最大の市場であって、その市場に参加している人たちは、さまざまな分野の人たちが参加をしています。

言葉を変えると、ふつうに生活をしていれば、どんな人でも参加できる世界で、学歴や職歴、男女、年齢、住んでいる地域や国など、いっさい関係がなく、取引の条件もお金を持っているかいないかの違いがありますが、それ以外でハンディがあったり、有利に働いたりすることはありません。

初心者であれば、最初は米ドルや円、ユーロなどの主要通貨ペアといれれる通貨ペアを取引したほうがいいのですが、初心者で少額資金を使って、取引をするためには、新興国通貨を狙うのも、一つの方法だと思っています。

そこで新興国通貨について、説明をしていきたいと思います。

では、新興国と聞くとどんな国を思い浮かべますか?

何か発展途上国のような印象を受ける方もおられるのではないかと思いますが、たとえば、トルコ、南アフリカ、メキシコ、ブラジル、インドなどが、為替の世界では代表的な新興国です。

日本のFX会社もこれらの国の通貨はほぼ取り扱うようになってきました。トルコリラ、南アランド、メキシコペソ、ブラジルレアル、インドルピーなどです。

これらの通貨を発行している国々は新興国といわれる国々ですから、現在あるいは近い過去に新興国の経済や政治状況がどうなっているかを調べておくことは、FXトレーダーにとっては不可欠なことになります。

2013年あたりから新興国経済は、成長率が鈍化してきました。その背景としてもっとも影響が大きかったのは、米国の金融緩和政策の終焉によって、新興国通貨が下落したからです。

さらに、それ以降もなかなか経済成長への兆しが影を潜めています。

なぜなら、原油価格下落に加えて、米中貿易摩擦が激しくなり、それが輸出の停滞につながり、その影響が新興国経済へ打撃を与えたからです。

そしたまるで踏んだり蹴ったりの状態のところへ、追い討ちをかけてきたのが、新型コロナウィルスのパンデミックでした。

世界的なパンデミックの大流行で、新興国は財政的にも大きな打撃を被りました。

経済的な打撃を受けたのは先進国も同じですが、経済的な基盤が先進国ほど盤石ではない新興国の打撃のほうが大きかったのは言うまでもありません。

さらに、従来だとそんなに経済的、財政的な打撃を被ることのないアジア諸国も、各国が新型コロナウィルス対策のために緊急財政出動をおこなっているため、2020年の財政赤字はかなり増大することが予測できます。

新型コロナウィルスの感染拡大は世界的には、デフレ傾向に拍車をかけることになります。

なかでも目立つのはイランやナイジェリアなどの中東やアフリカの新興国で、輸出が大幅に減少したことによって国内経済は打撃を受け、貿易収支は大赤字になり、通貨は下落することで、インフレが蔓延しそうになっています。

そうすると、消費者の財布のひもは固くなり、個人消費が減少することで、経済成長率はマイナスに転化し、国自体が苦境に陥ることを予想するのは難しくありません。

かといって、中央銀行が利下げをしてもあまり効果はないほどの経済的打撃に見舞われれていることから、景気回復はますます遅れるという、悪循環に陥っています。

新興国の経済的な基盤をなす産業はエネルギー産業です。しかし、そのエネルギー産業が新型コロナウィルスの感染拡大で大きな被害を受けています。

たとえば、原油です。原油価格は現在はふつうの状態に戻りつつありますが、それでも産油国は減産政策を継続しています。

原油価格は新型コロナウィルスが感染拡大を始めたとたんに大きく下落し、OPECや周辺の産油国を含めたOPECプラスは、かなり大幅な減産を決定しました。

そのため、原油を輸出することで国の経済基盤をかたちづくっている新興国は深刻な影響を受けています。

しかし、食料価格は逆に上昇傾向にあり、原油を輸出して、その代金で食料を購入している新興国の経常収支を悪化させることになります。

しかし、朗報もあります。四大新興国といわれるBRICsのなかで、中国がいち早く経済回復を軌道に乗せようとしていることです。

新型コロナウィルスの発生源となった中国は1月から3月期は経済的にどん底状態でしたが、そこからいち早く抜け出し、各種の経済指標を見る限りでは、他の新興国が不況にあえいでいるなか、一人勝ちのように、2020年はプラスの経済成長率になりそうです。

1962年以来、ヒマラヤ高原の中国との国境付近で軍事衝突を幾度となく繰り返しているインドは、中国に次ぐ人口第二位の国家で、経済的に注目されているアジアの大国の一つです。

インドでは、新型コロナウィルスが感染拡大を防ぐために、3月にいち早く全土でロックダウンをしき、感染の拡大を防ぐことに成功しました。

しかし、ロックダウンが解除されてからは急速にインド全土に新型コロナウィルスが感染が再拡大し、2020年の経済成長率はマイナス成長が予想されています。

BRICs のなかでは大国のロシアは、当初は新型コロナウィルスの封じ込めに成功していたかにみえましたが、約40日間の「非労働日」を全土に設定して感染防止をはかりました。

しかし、その40日が過ぎてしまってからは、感染が一挙にロシア全土に広がっていきました。

その影響は当然、ロシア経済に痛打を与え、2020年の経済成長率は大幅に悪化する見通しとなっています。

BRICs のもう一つの国であるブラジルでは、景気拡大を最重要視するボルソナロ大統領が防疫措置に否定的だったため、感染者数は日ごとに増大しています。

大統領本人も新型コロナウィルスに感染したものの、ロックダウンには否定的で、世論はまっぷたつにわかれています。

新型コロナウィルス感染拡大によって需要は大きく落ち込んだままであり、景気の悪化が続きそうです。

FXトレーダーの視点からみれば、ロシアルーブルも中国人民元、インドルピーもふだんから取引を頻繁にする通貨ではありません。

BRICs のなかでは、かろうじて、ブラジルのレアルを取り引きするトレーダーが多少いる程度でしょう。

では、現在、新興国通貨として多くのトレーダーが取引をしている、トルコリラや南アフリカランド、メキシコペソなどの国々の状況はどうなっているのでしょうか。

さくら
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これらの新興国通貨のリスクを軽減するためにも、それらの国々の経済的、社会的状況を頭のなかにいれておく必要があります!

トルコの経済事情とトルコリラ

まず、トルコリラを発行しているトルコです。トルコの経済の現況をざっと紹介しておきましょう。2020年第1四半期のGDP成長率は4.5%です。

2020年第1四半期の貿易赤字は前年同期比で倍増しています。トルコの2019年の経常収支、80億ドルの黒字に大幅な上方修正されています。

個人投資家は、高金利通貨の一つであるトルコリラヘの投資をいまだに好んで行っています。

トルコの金融資産への投資はかなりの人気ですが、トルコ経済についてはどの程度知っているのでしょうか。2018年から眺めてみましょう。

2018年当時のトルコ経済については、トルコは経常収支と財政収支の双子の赤字を構造的に抱えている国で、いつ経済危機に直面してもおかしくないという指摘がなされています。

トルコは国際的な基準で財政関連の統計を公表していない点が問題であるとされています。トルコ財務省の統計では、2017年の単年の財政赤字はGDP比で1.6%に過ぎません。

政府の総債務残高は2016年時点で、GDP比で30.3%です。ユーロ加盟の基準がGDP比で財政赤字が3%以下となっています。

政府の総債務残高が60%以下ですので、トルコ政府発表の指標が正しいのであれば、トルコは、財政破綻が間近かという状況ではありません。

また、2017年の実質GDP成長率は、2016年と比べると7.4%増となっています。

家電等の耐久消費財消費への減税措置や、金融機関融資に対する政府保証の拡大が奏功して、個人消費や設備投資が順調に伸びています。

月次で発表される鉱工業生産指数や小売売上高も2017年のそれは、2016年と比べると、8%程度の伸び率で推移しており、景気が減速しているとはいえません。

「双子の赤字」のうち、2017年の経常収支赤字は、GDPの5.6%です。

経常収支赤字の多くは輸入の急増によるものですが、輸入が急増した背景には、個人消費や設備投資などの内需拡大が影響しています。

国際的には評判が最悪のエルドアン大統領とその政権ですが、国民の所得格差の縮小には尽力しているとの評価があります。

さらに、エルドアン大統領は、トルコの都市部に多く見られたスラム問題も解決しています。

強権的といわれえるエルドアン大統領ですが、都市政策ではスラム街を撤去し、その跡地に低所得者を対象とした高層住宅を建設し、しかも低い家賃で提供をしています。

こうした公共投資が奏功して、トルコの建設投資は活況を呈しています。そして、それが経済を伸ばしてもいます。

多くの国が都市政策に行き詰まりを見せていますが、トルコは数少ない都市政策の成功例といっても過言ではありません。

このようにみていくと、2018年当時のルコ経済は、危機的な状況に陥っているとはいえません。 では翻って現在はどうでしょうか。トルコリラの面から眺めてみましょう。

トルコの通貨リラの対ドル相場は2020年5月7日、前日比0.9%安の1ドル=7.2リラ台に下落しました。2018年8月に急落した「トルコショック」時の最安値を下回ったのでした。

リラを買い支えようとするトルコ中央銀行の外貨準備は急速に減少しています。外貨準備は520億ドル(金を除く)と、2020年の初めから3割超減少しています。

トルコは米国など主要中銀との通貨スワップ協定の締結を目指ざしていますが、その答えはまだ出ていません。

2020年初頭からリラの下落率は18%に達しています。新型コロナウイルスの感染拡大で、トルコ経済も例外なく大打撃を受けています。

トルコ政府は、2020年の経済成長率をプラスとの見通しをたてていますが、それでもトルコリラ売りは止まりません。

そのため、トルコ政府は、20カ国・地域(G20)の主要中央銀行との通貨スワップ協定に向けた交渉を進めています。

しかし、5月6日、米リッチモンド連銀のバーキン総裁が、トルコなどとのスワップ協定の可能性については、相互に信頼関係のある国とはすでに協定を結んでいると発言し、トルコとのスワップ協定に悲観的な動きが表面化しました。

トルコ中央銀行は、景気刺激対策として、2019年7月から2020年4月までに8回連続で利下げをするという異例の措置に踏み切りました。

5月20日時点の政策金利は8.75%で、インフレ率(11%)を下回る「実質マイナス金利」といえます。

トルコリラは、ブラジルや南アフリカ、インドネシア、インドを加えた5カ国の通貨は金融市場では「脆弱な5通貨」との評価を得ています。

経常収支の慢性的な赤字や高いインフレ率が5カ国では共通で、新興国の金融市場が崩れる発端になりやすいとみられています。

国際通貨基金(IMF)の調べによると、2019年のトルコの経常収支は輸入減で黒字になりましたが、2018年までは17年連続で赤字が続いていました。

トルコ中央銀行は2020年5月21日、政策金利の1週間物レポ金利を0.5%下げ、8.25%としました。これで利下げは9回連続で実施されたことになります。

リラ防衛のための利下げ幅は計15.75%に達しています。

トルコ中央銀行は、5月20日、カタールとの通貨スワップ協定の規模をこれまでの50億ドル(約5400億円)から150億ドルに拡大したと発表しました。

スワップ協定への期待で、リラ相場は持ち直していますが、カタールリヤルは市場で米ドルと自由に交換できず、その効果は限定的と指摘されています。

トルコ中央銀行はリラ防衛に血道を上げています。そのためにリラ取引の規制を拡大しているのです。

というのは、外国の金融機関との取引については、リラ取引の上限を自己資本の0.5%まで抑えるよう国内の金融機関に通達をしました。

以前は、50%まででしたから大幅な縮小です。したがって、金融市場でのリラの取引の規模はかなり縮小しているはずです。

さらに、米ブルームバーグ通信は5月18日、フランスの大手銀BNPパリバが、顧客に対してトルコリラの新規受付を停止したと報じています。

これは、5月7日に、トルコの金融監督当局が、BNPパリバと米シティグループ、スイスのUBSグループの3つ金融機関とリラの取引停止を、国内の金融機関に命じたことへの措置だと考えられます。

その後、リラ取引の禁止命令を金融当局は解除しましたが、この3つの金融機関の行動には懐疑的で、圧力をかけ続けています。

確かに、国内の金融機関への金融当局の締め付けは、短期的に見れば、リラの為替相場を安定させる効果があるかもしれませんが、トルコ国債などの債券への投資を多くの投資家が敬遠することになりかねません。

それでなくても、現在、貿易収支が赤字のために、経常収支の赤字のトルコとしては、国内の資金不足を埋めるためには、海外からの投資は必要不可欠です。

さらに問題なのが、トルコリラへの投資判断の材料となる情報についても、正確な情報の入手が非常に困難になっていることです。

というのは、金融当局が5月7日に、誤解を招くような情報や誤報を配信することは、市場操作の一環ととらえて、罰則付きの規制対象にすると明言したからです。

そのために、トルコリラについての情報は、地元金融機関関係者でもコメントをするのが難しく、トルコリラについては過剰防衛の感がぬぐえません。

トルコ経済は、地理的優位性や、人口動態の優位性(平均年齢31.1歳、毎年100万人程度人口が増加など)から今後も高い経済成長がのぞめるはずです。

トルコリラは高金利の通貨の部類に属していますし、投資対象としては有望であるというのが一般的な評価として成立しているようです。

しかし、高金利通貨を発行している国は、高いリスクを抱えていることが多いといえます。

トルコ経済は成長が望まれるといっても、経済的な基盤は脆弱で、エルドアン政権の不透明さや対外関係の悪化、世界経済の低迷、米穀の利上げなどのマイナス要因が加わることになれば、トルコリラの暴落やインフレ率の高騰によって金融危機を招くおそれが十分にあります。

いくら高金利通貨といえども、リラの下落率がそれ以上であれば、円ベースでの収益はマイナスになります。

そうしたリスクを回避するためにも、「なぜリラは高金利なのか」「今後、リラの価格は上昇するのかどうか」など、長期的な視点に立ってトルコ経済やトルコリラのたち位置をきちんと把握しておき、できる限り多くの情報収集を心がけることです。

トルコリラのトレードはどうしたらいいでしょうか。

一つは、トルコ大使館のサイトやロイター、ブルームバーグのニュースサイトの情報を丹念に収集して、分析することを薦めます。

しかし、分析といっても経済評論家やアナリストではない個人投資家には難しいことです。

そのため、最低限のニュースには目を通しておき、あとはトルコリラの通貨ペアのチャートのローソク足の値動きをテクニカル分析指標(移動平均線など)で分析して、エントリーや決済をしていく従来の方法がもっとも適切だと思います。

南アフリカの経済とランド

2019年の南アフリカの経済はこの1年を通じてかなり低迷してきています。

2019年5月に、5年ぶりに実施された国民総選挙で与党「アフリカ民族会議(ANC)」が得票率57.5%で勝利し、ラマポーザ大統領が再選を果たしました(任期5年)。

ラマポーザ大統領については、親ビジネス派でクリーンなイメージを国民は抱いています。

そのため、大統領が手腕を発揮して経済改革を続行することに大きな期待を寄せていますが、ズマ政権時代の負の遺産が重くのしかかっており、経済再生への道筋はまだはっきりしません。

ラマポーザ政権が直面している最大の政治的課題は、電力公社エスコムの経営危機問題です。非効率な経営を長期にわたっておこなってきたため、巨額の負債を抱え込んでいるからです。

南アフリカの財務省は、2019年10月に、エスコムの経営を安定させるために、向こう3年間で1380億ランド(約1兆750億円)を、中期予算として計上しました。

2020年から2021年の財政赤字は、国内総生産(GDP)比6.5%を占め、公的債務は64.9%まで膨らむ見通しです。

米穀の格付け機関であるムーディーズは、大手格付け機関で唯一、「投資不適格」の評価をしていませんでしたが、ついにこれ以上この評価を維持できず、南ア政府の長期債務格付けを、投資適格最低の「Baa3」の「ステーブル」から「ネガティブ」への格下げしてしまいました。

国際通貨基金(IMF)は2019年10月、2019年の実質GDP成長率を4月発表の1.2%から0.7%に下方修正しました。2018年の0.8%も下回るという評価です。

南アフリカ政府は2020年の経済成長率を1.2%に向上すると予測しています。

その鍵を握っているのがエスコムです。

エスコムの経営を健全にするために、南アフリカ政府は、エスコムの発電や送電、配電の3事業を分離することを、2020年3月に発表しましたが、どうなるか楽観視はできない状態が続いています。

さらに、エスコムの問題は南アフリカの電力事情を大きく左右しています。

というのは、エスコムの既存発電施設の改修が遅々として進んでないため、南アフリカ全土では、1日数時間の計画停電が実施されており、市民生活に大きな負担となってのしかかっており、経済活動を阻害するなどの悪影響が生じています。

そこへ加えて景気低迷が追い打ちをかけており、失業率は2019年第3四半期に29.1%まで上昇しました。

ラマポーザ大統領にとって、雇用の促進は政権安定化のためにも必要不可欠な政策で、ラマポーザ大統領は大統領に就任以降、低迷する経済の打開を目的に、積極的に外国投資誘致活動を展開しています。

日本も南アフリカを重要な投資パートナーとして位置づけています。

2019年6月の20カ国・地域首脳会議(G20大阪サミット)の際に、安倍晋三首相との首脳会談を行い、南アフリカがビジネス環境改善に取り組んでいることを強調しました。

さらに、2019年8月には、横浜で開催された第7回アフリカ開発会議(TICAD7)では、日本企業進出の後押しを目的とした「日・南アビジネス協議会」設置の意向を示し、2019年11月には設置が決定しました。

2019年4月には、日産自動車が南アフリカで自動車組み立て工場の拡張を発表し、240億円を投じると報道されました。

さらに、南アフリカトヨタは、作業工程の現地化の比率をあげるために、追加投資を行うことを決定しました。ラマポーザ大統領による外国投資誘致が実を結びつつあります。

南アフリカ経済が成長を遂げるためには、国際社会からの信用回復が弟一ですが、そのうえで外資誘致をさらに拡大推進することも必要です。

そのためは、財政赤字の大きな要因となっているエスコム問題を解決し、さらに、不採算経営に陥っている南アフリカ航空などの国営企業についての経営改善が急務となっています。

ラマポーザ大統領がどこまで経済改革の大鉈を振るうことができるか、国際社会が注目しています。

ところで、米国の格付け機関であるムーディーズは、2020年3月27日、南アフリカ共和国の長期債務格付け(外貨建て、現地通貨建て双方)を「投資不適格級」となる「Ba1」に格下げし、見通しは「ネガティブ」のままとする評価を行いました。

ムーディーズは前述したように、2019年11月に長期債務格付けを投資適格最低の「Baa3」の「ステイブル」から「ネガティブ」への格下げに踏み切ったばかりなのに、半年もたたずに評価を下げました。

南アフリカ政府は2020年2月には、2020年から2021年度予算案で、2020年の経済成長率を1.2%から0.9%に下方修正しました。歳入の減少による財政赤字が拡大することも明らかにしました。

ムーディーズの格付け引き下げが発表されたあとの3月30日、南アフリカの通貨であるランドは、1ドル=18.09ランドと急落しました(前日比2.5%減)。

新型コロナウイルスの感染拡大が留まるところを知らない状況で、世界経済全体の不透明性は高まるばかりで、南アフリカの財政赤字が拡大する一方のようです。

したがって、2020年の南アフリカの経済の成長率はマイナス2.7%に低下するという予測も出ています。

南アフリカ経済団体連合会(BUSA)は、新型コロナウィルス感染拡大による国内経済への負の影響の緩和に集中すべきだと強調しています。

現在の南アフリカの経済状況は必ずしも好況とは言い難いようですが、もともと南アフリカは、サブサハラ・アフリカの全GDPの約20%を占めており、サブサハラ・アフリカ諸国のなかでは、ナイジェリアに次いで第2位の経済大国として、アフリカ経済を牽引している存在です。

最大の貿易相手国は中国です。

EUや米国,日本との貿易関係も活発ですが、サウジアラビアやインド、南部アフリカ諸国との経済関係強化が最近では目立ってきています。

1996年に金融政策・貿易の自由化、財政の健在化、諸規制の撤廃を掲げたマクロ経済戦略「成長・雇用・再分配(GEAR)」を策定して以降、自由化による経済成長路線を歩んできていますが、最近では、国家開発計画(NDP)の早急な実施が望まれています。

産業の面では、19世紀後半にダイヤモンド,金が発見されて以降,鉱業主導で産業が成長しました。

そこで培った資金を資本の原資として、製造業や金融業が発展してきましたが、かつての主力産業であった鉱業は衰退の一途をたどっており、代わって、金融や保険など金融関係が産業として伸びを示しています。

どちらかというと、産業構造は先進国に近づいています。

では、南アフリカの経済の強さは何でしょうか。

そう問われて真っ先に思い浮かぶのが、人口動態です。南アフリカの人口は、毎年、移民の流入などで80万人程度増加しています。

国民の平均年齢は27.6歳と非常に若い国です。しかも、生産人口は2085年まで伸び続けるといわれていて、試算では現在の生産人口3900万人から5200万人に増加する見込みです。

次に、積極的な貿易等位政策が上げることができます。南アフリカの最大の貿易相手国は前述したように中国ですが、最近では域内のアフリカ諸国への輸出も増えています。

3つ目は金融資本市場の成熟度が高いという点です。南アフリカには世界で18番目の規模となるヨハネスブルグ証券取引所があります。

国内の上場企業の時価総額は他の新興国の時価総額を上回っており、株式取引も活発に行われています。

一方、南アフリカ経済の弱みとは、投資環境の悪化による低い経済成長率がまず上げられます。とくに、インフラの老朽化が目立ち、日常生活や経済活動に支障を来しています。

次に、高い失業率があります。過剰労働力の問題でもあるのですが、なかでも若年層と黒人の失業率は40%を超えています。

3つ目が、前述した要に、国有企業の経営難です。これらが南アフリカ経済の足を引っ張っています。

さて、FXトレーダーにとって関心が高い南アフリカの通貨であるランドです。

ランドは南アフリカの経済の規模に比べると、取引量が多く、しかも、中央銀行である南アフリカ準備銀行が為替介入を控えているため、ボラティリティが非常に高い通貨というのがランドの一般的な評価となっています。

さらに、主要国の通貨と比べると高金利であり、金利収入も魅力となっています。

ただ、高金利でボラティリティが高いということは、さまざまな要因によって価格が変動しやすい、という一面があります。

ランドの対米ドルレートではとくに米国を中心とする世界経済の動向によって価格は影響をうけやすくなっています。

たとえば、市場がリスクオンのムーとのときには、資金がランドに流入しやすくなり、ランドの価格が上昇します。

しかし、リスクオフの状況になると、資金は流出して、ランドの価格は下落します。

ランドの取引がもっとも活発になるのはロンドン市場です。東京市場ではランドはあまり動きません。従って、ランドの値動きを狙って利益を得るのであれば、ロンドン市場出の取引が適しています。

また、よく言われるのがランドは資源国通貨だから、金やプラチナなどの金属の価格と相関関係にあるのではないか、ということですが、これはまったく当てはまりません。

確かに、かつては南アフリカは資源大国ですが、いまや産金産業は産業の中で占める割合は減っています。ですから、ランドが資源国通貨と思っているのであれば、それは大きな勘違いということになります。

ところで、2020年7月23日、南アフリカ準備銀行(中央銀行)は、主要政策金利のレポレートを25ベーシスポイント(bp)引き下げ、3.50%としました。

2020年にはいって5回目の利下げです。経済活動が阻害され、物価上昇が抑制されるなか、引き続き追加緩和で対応するという意気込みを示しています。

南アフリカ準備銀行は、年初から政策金利すでに275bp引き下げています。

準備銀行は、インフレ目標を3─6%に設定。南ア統計局が発表した5月の消費者物価指数(CPI)は前年比2.1%上昇と、約15年ぶりの低い伸びとなりました。

準備銀行は、インフレ率が2020年に平均3.4%、2021年は平均4.3%になると予想。2020年の経済成長見通しはマイナス7.3%とし、従来のマイナス7.0%から下方修正しました。2021年は3.7%のプラス成長を見込んでいます。

まとめれば、ランドは米国を中心とする世界の経済動向や国内の政治や経済財政政策に左右されやすく、資源との相関関係は成り立たない通貨なのです。

さくら
さくら

従って、ランドを取り引きするにはそのあたりを十分に考慮した上で、ポジションメイキングを心得ましょう!

メキシコの経済とペソ

2019年のメキシコ経済の動きから眺めてみましょう。

2019年10月30日、メキシコ政府は、2019年7月から9月期の実質国内総生産(GDP)速報値は、一般的に景気後退期に入ったとされる2四半期連続のマイナス成長となりました。

国内の混乱や不安定な米国との通商関係などが投資にブレーキをかけることになったために、雇用や消費にも暗い影を落としています。

国際通貨基金(IMF)のチーフエコノミストは、メキシコは、政治的不確実性の高まりが急激な景気減速をもたらしている大きな要因であると分析しています。

IMFはまた、メキシコの2019年の経済成長率見通しを下方修正しました。2019年7月の時点では0.9%との見通しでしたが、0.4%にさらに引き下げました。

メキシコ中央銀行がまとめた報告書によると、2019年の成長率は0.43%にまで低下しています。経済成長率が1%以下になるのは、2009年以来のことです。

2009年は金融危機の影響が大きく響いた年でした。

経済成長率の低下の要因としては、国内の経済政策の混乱をあげることができます。

ロペスオブラドール大統領は、これまでの政権が進めてきた民間主導型の自由主義経済を、「汚職や格差の温床」となっていると全面的に拒否しています。

そのため、首都の新空港建設は中止となり、石油鉱区の民間入札も無期限の延期となりました。さらに、パイプライン建設に参加している外国企業へも敷設計画の見直しを要求しています。

メキシコ国内で営業をする企業にとって、ロペスオブラドール政権の理不尽な行き当たりばったりの経済政策は、突如、契約済みの案件でさえ簡単に反古にされるとあって、不安感が高まっています。

地元の有力経済団体であるメキシコ経営者連合会(COPARMEX)は、現政権の無計画で近視眼的な政策が経済的混乱を招いている元凶だと批判をしています。

そのため、国内経済はひえきっています。なぜなら、民間企業はリスクを恐れて投資を控えています、政府は緊縮政策をとっているからです。

政府が緊縮政策をとっているのは、歴代の政権が贅沢をして無駄遣いをしたので、支出を抑えているからです。景気を刺激するためには、本来なら公共投資を増やしていかなければならないのですが、ロペスオブラドール政権はまったく逆のことを行っています。

官民の建設や設備投資の合計である総固定資本形成は1月から7月で4.6%減、対内外国直接投資では1月から6月で19%減となっています。

しかし、こうした投資の落ち込みは内政ばかりが要因ではありません。外部要因も影響しています。その最大の要因が米国との通商関係です。

北米自由貿易協定(NAFTA)をトランプ氏は、最悪の協定と断定して、再交渉に持ち込んでいるからです。

2018年9月30日、メキシコは米国とカナダとに新たな通商協定である「米・メキシコ・カナダ協定(USMCA)」を締結しました。

しかし、米国とカナダでは議会の批准手続きが遅れているため、いまだに発効時期が定まっていません。

さらにトランプ大統領はメキシコ政府に対して、不法移民問題を突きつけ、メキシコが不法移民問題に対処しなければ、メキシコから米国への輸出品目のすべてに関税をかけると脅してきたのです。

これにはメキシコ政府も即座に不法移民対策を実施したため、関税は免れることができました。

しかし、トランプ大統領のことですから、いつまた不法移民問題を持ち出して関税をちらつかせるかわかりません。

そのためメキシコの国内企業は戦々恐々となっており、設備投資などには慎重な姿勢を崩していません。

ところが、ロペスオブラドール大統領は経済成長について強気の姿勢を崩しておらず、成長率2%を達成するのは難しくないと言い張っています。

さらに、ロペスオブラドール大統領は、前政権までの汚職摘発に熱心で、国民の不満をそちらに向けようとしています。経済政策はそっちのけですから、メキシコの経済は苦境を脱するにはままだかなり時間がかかりそうです。

そんな状態で2019年が過ぎて、2020年を迎えたわけですが、2020年のメキシコの経済はいくらかの進展があったのでしょうか。

各紙は2020年にはいってもメキシコ経済の回復が遅れそうだとの論調を掲げています。

2019年は、前述したように金融危機以来のマイナス成長となりましたが、2020年も1%内外の成長にとどまりそうというがエコノミストたちの評価です。

ロペスオブラドール大統領は民間主導の経済政策を否定しています。

そのため、国内の投資環境は改善の兆しがみえないままで、雇用や消費にも悪影響を与えていることになります。

大統領が公約として掲げている経済成長4%成長は、夢のまた夢、絵に描いた餅といっても過言ではありません。

さらに、メキシコには麻薬カルテルの大組織があり、治安の問題も深刻です。

国際通貨基金(IMF)は、2020年の経済成長率を1.0%、世界銀行は1.2%と予想しています。しかし、民間の金融機関などは1%の成長すら難しいと予想しています。

英バークレイズは0.66%成長という見方をしています。

北米自由貿易協定(NAFTA)に代わるUSMCA(米・メキシコ・カナダ協定)も発効にメドがつきそうですが、発効したからといってすぐに投資が活発になるわけではありません。

それだけに、国内の混乱状態は解消されずに、投資不足は続くものと見られています。

ロペスオブラドール政権は、民間と5兆円近いインフラ投資を約束したとされていますが、それが始まる見通しは立っていません。

現在の政権はまるで民間からの投資を忌み嫌っているようにみえます。

民間の投資にまったく期待ができないのであれば、景気のてこ入れは公共投資に頼らざるを得ないのですが、その公共投資も前述しているように芳しいものではありません。

政府は2020年の公共投資は、2019年と比べて2.8%増やす計画といいますが、それは経済成長率が2%を達成できたとしての税収を当てにしていることが前提にあります。

政権は、若者向けの奨学金増額や医療費の補助拡大を打ち出していますが、そのために支出は膨らむばかりで、現在の実質的な成長率を考えると、公共投資に予算がまわる余地などどこにもありません。

国内の投資の停滞は、雇用や消費にも悪影響を及ぼしています。

国際労働機関(ILO)は、国内の経済活動が停滞していることを考えると、失業率は2019年の3.4%から2021年には4.1%まで悪化し、失業者数も2018年の180万人から、2021年には240万人に悪化すると予想しています。

働くところがないという雇用環境が悪化することは、即座に国民の消費生活を直撃します。消費意欲は減退します。収入が減少するわけですから、無駄な消費は避けるようになり、生きていく上でぎりぎりの消費行動をとるようになります。

そうするとどうなるか。メキシコ全国スーパーマーケット・百貨店協会(ANTAD)は、2020年の既存店売上高を5%増と想定していますが、物価上昇を考慮すれば、実質マイナスの落ち込みになります。

自動車販売ディーラー協会(AMDA)の幹部は、新車販売が減少する状況は2020年になってからも何も変わりませんと嘆いています。

国内の経済成長がいっこうに改善しない状況を目の前にしても、ロペスオブラドール大統領は、経済はうまくいっている、と、毎朝の記者会見で自画自賛をしていますが、経済がうまくいっているという根拠を記者団に示したことはありません。

さらに、経済が悪化しているだけではなく、治安も悪化しています。

治安回復は現大統領の公約の中でももっとも重要なものですが、2919年は過去最悪の殺人事件件数を記録しました。メキシコ各地で抗議デモも増え、なかには破壊活動に発展するケースもでてきています。

そのような状況下で、メキシコの中央銀行は2020年3月26日、2020年の経済成長率見通しを従来の0.8%~1.8%から、0.5%~1.5%に下方修正しました。

その理由は、2019年第4四半期の経済が前期比でマイナスとなっており、景気は停滞していることや、世界経済の不安定や、米国の鉱工業生産の悪化が、メキシコ経済に大きく影響を与えると見られているからです。

民間のシンクタンクは、メキシコの経済成長の阻害している要因を次のようにあげています。ほとんどが国内の要因です。「治安の問題」(20%)、「国内政策の不確実性」(18%)、「国内経済の不確実性」(13%)などです。

なかでも雇用の問題は深刻です。2020年1月の完全失業率は3.66%でした。

過去12カ月間の社会保険庁(IMSS)加入労働者数の増加をみると、2020年1月末時点で、31万6,386人となり、2019年12月末と比べると、2万5,691人、20019年1月末と比べると、32万5,448人少なくなっています。

メキシコ中央銀行は、2020年は正規雇用が44万~54万人増加、民間のシンクタンクは43万人(平均値)と分析していますが、どうなることでしょうか。

国家統計地理情報局(INEGI)は4月30日、ウェブサイトに、1月から3月の国内総生産(GDP)速報値は前期比1.6%減となっていると発表しました。

分野別では、鉱業や建設、製造業を含む工業部門が前期比1.4%減、農業・畜産・漁業部門は0.5%増、運輸や金融、メディアを含むサービス部門は1.4%減でした。

エコノミストが予想するところでは、新型コロナウィルス感染拡大の対応のため、全国規模の封鎖措置や原油価格急落によって、2020年のGDPは6.7%減と、1990年代半ばのメキシコ通貨危機(テキーラ危機)時を上回る落ち込みとなる可能性が出てきています。

メキシコ経済はまさに今、経済政策の迷走とコロナ禍で国中が苦しんでいる状況にあります。

そのような経済状況や政治状況のなかで、メキシコペソの取引についてはどう考えたらいいでしょうか。メキシコペソの2020年6月時点での政策金利は5.00%です。

1月には7.25%の政策金利だったのですが、1月から毎月のように利下げを行った結果、現在の金利に落ち着きました。

それでも主要国の通貨に比べると、高金利通貨であることに変わりはありません。

メキシコペソは新興国の通貨として例外なく、世界経済の動向に左右されてきました。

1997年から1998年のアジア金融危機、それに続くITバブルの崩壊、1995年のテキーラショック、2007年から2008年にかけてのリーマンショック、そして、2014年から2015年にかけての原油価格の下落など、市場がリスクオフの状態になると、メキシコペソから資金が流出し、価格は下落します。

しかし、メキシコペソはトレーダーの間では人気のある通貨であることは間違いありませんが、世界経済の動向、なかでも米国の動向には大きく影響を受けます。

取引も日本時間の真夜中になるニューヨーク市場での取引がもっとも多く、日本時間での取引はほとんどありません。

従って、高金利通貨だといっても、下落率がそれ以上であれば、円ベースでの収益はマイナスになります。

さくら
さくら

そのあたりを十分に注意しながら取引をすることが大事です!

ブラジルの経済とレアル

2019年12月3日、ブラジル地理総計院(IBGE)は、2019年第3四半期(7月8月9月)の実質国内総生産(GDP)成長率を発表しました。

それによりますと、個人消費や投資などの内需が伸びたことが要因で、前期比0.6%の増となりました。2018年同期比でも1.2%の増加という結果になりました。

0%台から1%台の成長率ですから、非常によいとはいえませんが、緩やかな上昇となり、景気はよくなっていると言っても間違いではありません。

緩やかであってもプラスの経済成長になったのは、ボルソナロ政権の景気刺激策が奏功したり、ブラジル中央銀行の金融緩和策が景気回復に寄与していること、個人消費が伸びていることが背景にあると考えられます。

アメリカの格付け会社S&P(スタンダード・アンド・プアーズ)は、ブラジルの国債格付けの見通しを「安定的」から「強含み(ポジティブ)」に引き上げ、今後2年以内の格上げの可能性を示唆しています。

国債の格付けのレベルが上昇したことで、海外からの投資が活性化する可能性もでてきています。

2020年2月の時点ですが、新型コロナウイルス(COVID-19)の影響で株価の下落は見られますが、輸出取引に関しては落ち込んでいるという状況ではないようです。

しかし、ブラジル経済の最大の輸出相手国は中国です。2019年の輸出割合(金額ベース)をみても、中国への輸出が輸出全体の28%を占めています。

次にアメリカ(13%)が続きますが、中国への輸出の量はアメリカへのそれの2倍以上なっております。3位のオランダ(5%)と比べると、中国への輸出は6倍となっております。

ところで、2018年10月に実施されたブラジル大統領選挙(決選投票)では、軍人出身で、極右・社会自由党の党首であるボルソナロ氏が勝利を納め、2019年1月1日からボルソナロ大統領が政権を握って、ブラジルの新しい政治体制が始まりました。

ボルソナロ大統領の基本的な政策は、従来の左派思想や社会主義、肥大した国家からの脱却です。軍人出身であるボルソナロ大統領は、「ブラジルのトランプ」「ブラジルのドゥテルテ」「トロピカル・トランプ(熱帯のトランプ)」などと呼ばれています。

具体的な政策としては、年金改革をはじめ税制改革、国営企業民営化を経済政策の三本柱に掲げています。

ブラジル経済の構造改革に着手しているのですが、その改革の目玉が「年金改革法案」です。支給開始年齢の引き上げが骨子となっています。

ボルソナロ大統領は、基礎的財政収支の赤字を2020年までに解消することを目標にしています。

そのためには、年金改革の実現はどうしても成し遂げねばなりません。具体的には、新規加入者向け積立制度創設等(現行の賦課方式と併用)の包括的な改革と、所得税の単一税率(フラットタックス)導入など、税制の簡素化に取り組んでいます。

そういった年金改革も重要ですが、ブラジルの経済を支えているのは農業です。ブラジルの農業の成長は群を抜いており、この30年間でもっとも成長をしている分野です。

たとえば、大豆はアメリカに次ぐ生産量を誇ってており、生産量は拡大の一途をたどっています。

不毛地帯と言われ続けたセラードの農業開発が成功し、米国に匹敵する大豆の生産基地となっています。

砂糖生産でも、過去のプランテーション開発を背景にして、世界一の生産量を誇っています。これらの農業がブラジル経済を底支えしているといっても過言ではありません。

今後、ブラジルの経済が成長するかどうかは、ひとえにボルソナロ政権の経済政策にかかってえいます。その鍵を握っているのが、「年金改革」と「メルコスール(南米南部共同市場)とEUとのFTA交渉」です。

社会保障制度(年金)の改革については前述しました。

「メルコスール(南米南部共同市場)とEU(欧州連合)とのFTA(自由貿易協定)の交渉」については、「メルコスール(南米南部共同市場)」というのは、アルゼンチン、ブラジル、パラグアイ、ウルグアイの4カ国で合意した、南アメリカ地域における自由貿易市場の創設を目的とする関税同盟です。

発足は1995年です。

2019年6月、メルコスールとEUの間で、FTA(自由貿易協定が政治的に合意しました。

ブラジルのEUに対する輸出は、2018年の時点では760億ドル(約8兆2000億円)ですが、ブラジル経済省は、2035年までには、輸出額を約1000億米ドル増加させるという計画を抱いています。

FTAの発効がいつになるか定かではありませんが、もしFTAが発効すると、その後の15年間で、ブラジルのGDPは875億ドル増加し、非関税障壁が軽減することを考えると、推定ですが、GDPは現在よりも1250億ドルも増加する見込みです。

ブラジルの2020年6月の貿易収支は、輸出額が179.12億米ドル(前月比マイナス0.1%、前年同月比マイナス0.8%)、輸入額が104.49億米ドル(前月比マイナス22.0%、前年同月比マイナス19.8%)です。

貿易収支は74.63億(前月比プラス64.1%、前年同月比プラス48.7%)の黒字でした。2020年初頭からの累計は、輸出額が1024.30億米ドル(前年同期比マイナス6.7%)、輸入額が793.95億米ドル(前年同期比マイナス5.2%)で、貿易黒字額は230.35億(前年同期比マイナス11.5%)でした。

為替や通貨と関係がある政策金利ですが、政策金利のSelic(短期金利誘導目標)を決定するCopom(通貨政策委員会)は6月17日、3.00%の政策金利をさらに、2.25%にまで引き下げる決定を下しました。

8回連続となる利下げです。

ブラジルでは新型コロナウイルスの爆発的な感染拡大と、物価(IPCA)が2カ月連続でマイナスとなっていることから、Copomは今後も政策金利を引き下げる可能性を残しています。

そこで為替市場です。6月の「米ドル/レアル」は、ドル高レアル安が進んでいます。

6月の初旬、経済活動再開への期待で株価が上昇したり、米国の雇用統計が予想するほど悪化していなかったことから、リスクテイクの動きが強まり、レアルが買われました。

しかし、その後はレアルは売られる展開となっています。

新型コロナウィルスの感染拡大が依然、世界中の経済を圧迫していることが、レアルが売られる要因と考えられます。

もちろん、レアルの金利の低下やGDP成長率がマイナスに転じていること、新型コロナウィルスの感染者が100万人の超えてなお増加していることなどの国内問題も、レアル売りにつながっています。

以上、トルコリラや南アランド、メキシコペソ、ブラジルレアルが置かれている経済状況などについてみてきました。

これら4つの高金利通貨の他に、新興国通貨としてはインドルピー、ロシアルーブルなどがありますが、上記の4つはほとんどのFX会社で取り扱っていますので、トレーダーのみなさんは、ほとんどのFX会社でトレードができます。

もちろん、新興国通貨で高金利通貨ですから、リスクはありますが、その分、取引をするメリットもあります。以下では、その点について述べてみたいと思います。

リスクを知っておくこと

高金利通貨だということは、それだけリスクも大きいということにほかなりません。

ですから、自分が取引をする新興国通貨にはどんなリスクがあるのか、前も追って調べておくことがとても重要になります。

ひと口に新興国通貨とまとめって言っていますが、新好悪国通貨や新興国はどこでも同じ状況だと誤解される方があるかもしれませんので、一言断っておきます。

ひとたびリスクが発生したら、あるいはリスクが顕在化したら、リスクには耐えるのか、リスクを避けるのかをあらかじめ決めておきます。

そうすることで、いざとなった場合には、淡々と冷静沈着に対応できるのではないでしょうか。

リスクが顕在化してもけっして慌てないことです。

では、まず、ここからは新興国通貨の魅力について述べてみましょう。

新興国通貨の魅力

  • 人口動態の魅力
  • 高金利であること

1.人口動態の魅力

先進国(米国、日本、西欧諸国など) と新興国(中国やインド、ブラジル、トルコ、南アフリカなど) の実質成長率は、1990年代頃まではあまり格差がありませんでした。

しかし、21世紀にはいると、実質経済成長率の格差が徐々に目立ってきました。新興国の成長率が先進国を上回り始めたのです。

そこに追い打ちをかけたのが人口動態の変化です。

先進国では高齢化が進み、生産労働人口が減少していますが、新興国は高齢化とはほど遠い環境にあり、国民の平均年齢も若く、生産労働人口は増加の一途をたどっています。

すると、新興国に対する期待が高まり、新興国通貨に投資をしたいと考える投資家やトレーダーが増加しても決して不思議なことではありません。

ただし、ここで注意をしておきたいのは、新興国のすべてが平均年齢が低く、若い国ではない、ということです。

支援比率という指標がありますが、この指標は、一人の高齢者(65 歳以上)を何人の現役世代(15歳~64 歳)で支えているかを示したものです。

たとえば、先進国の支援比率は、2020 年は 3.3 人で 1 人(つまり 3.3 倍) の高齢者を支えていますが、 2040年になると、 2.36 人で 1 人(約 2.4 倍)の高齢者を支える計算になるといわれています。

新興国の支援比率は先進国を上回っていますが、ロシアや中国の大国は、支援比率の低下が早くなり、 2030 年代後半になると先進国の支援比率にかなり近くなってくると言われています。

たとえば、2040 年にはロシアが 3.1 倍、中国 2.6 倍と予想されています。

新興国のなかでも、インドやメキシコも支援比率は低下すると言われていますが、それでも2040年の時点では、インドは6.4 倍、メキシコは4.9 倍と依然2倍以上の差があります。

ですから、新興国といってもどれも同じ状況ではなく、国によっては高齢化の進展度合いや生産人口の変化は違うことを認識しておくべきですし、高齢化が早く進んでいくことは、ある面、国に活気がなくなっていくことにもつながりかねないので、経済成長も低下しやすくなってきます。

2.高金利であること

新興国の通貨は相次いで中央銀行が何度も利下げに踏み切るなど、金利を下げて逼迫している経済を何とか好循環に転化しようと懸命な金利政策をとっています。

確かに、毎月のように金利を下げている通貨もありますが、それでも主要国の通貨に比べると高い水準です。

理論的に言うならば、高金利通貨は低金利通貨に対して、金利差のぶんだけ通貨価値が下落することになります。

これを金利裁定といっています。

しかし、為替市場では市場参加者のいろいろな思惑から高金利通貨が買われ、価格が上昇することは多々あります。

理論的に云々は相場の世界では絵空事と同じような意味合いをもっていると考えても、あながち間違いではありません。

新興国の通貨が市場で人気があるという風潮が強まっただけで、上昇を見こして投機的な取引が増えて価格が上昇することは珍しくはありません。

高金利通貨と低金利通貨の通貨ペアを購入していれば、金利差であるスワップポイントが毎日、銀行口座にちゃりん、ちゃりんとお金を落としてくれます。

そういう意味では、購入して持っているだけで、わずかですが毎日現金が入って来るというのは、高金利通貨の魅力といってもいいでしょう。

新興国通貨の経済的リスクとは

1.取引高が小さいことからくるコスト高

為替市場での新興国通貨と先進国通貨のふだんの取引量を比べると、取引高に大きな違いがあることに気がつくはずです。

なかでも、「米ドル/ユーロ」「米ドル/円」間の取引高は、通貨ペアのなかでは極めて取引高が高く、2019年の4月の平均をみると、一日あたりの取引高は「ユーロ/米ドル」で1兆5840億米ドル、「米ドル/円」では8710億米ドルとなっています。

その逆に、新興国通貨は、FXトレーダーの間で最近人気が出ている「米ドル/メキシコペソ」の取引高は1050億米ドル、「米ドル/ブラジルレアル」は660億米ドルと、「ユーロ/米ドル」のそれぞれ、6.66%、4.16%に過ぎません。

取引高の多い、少ないは取引コストにも影響します。

FX取引のコストは売りと買いの価格差であるスプレッドですが、取引量の少ない通貨ペアの取引では、スプレッドは広くなります。

為替市場では、ブラジルレアルや南アランド、トルコリラなどの取引高にはあまり差がありませんが、通貨ペアの組み合わせによっては、スプレッドの値は大きく違ってきます。

とくにデフォルトのような金融危機が起きたときには、通貨は下落するだけではなく、取引コストも急拡大しますから、注意が必要です。

新興国のなかには政情に不安定な国もありますし、政権が安定していない国もあります。国際社会から一歩距離を置いている国もあります。

国ごとにいろいろな事情があることを十分に頭のなかに入れて、取引をすることが肝心です。

2.外貨準備高が不足していないかどうか

金融史をひもとけば、世界はこれまでにいろいろな金融危機に見舞われています。

それは、新興国だから金融危機に見舞われるのではなく、先進国も例外なく金融危機に見舞われてきています。

ざっとあげただけでも、1992 年のポンド危機や北欧通貨危機、1994 年のテキーラショック(メキシコ)、 1997 年のアジア通貨危機、1998 年のルーブルショック、ブラジル危機、 2001 年のアルゼンチン危機、2008 年のアイスランドの通貨危機、2010 年代にはロシアルーブルやトルコリラの急落、2015年から2016年にかけての南アランドの大きな下落など、そして、現在、金融危機に見舞われているのはアルゼンチンです。

こうしてみると、新興国のほうが通貨危機に見舞われるリスクは高いようです。

通貨危機や金融危機に見舞われたときに、その国が持ちこたえることができるかどうかを決定づけるのが、外貨準備高です。

外貨準備高が多ければ、金融危機を自力で乗り切ることができますが、外貨準備高が少なければ、他国や国際機関から資金援助を仰がなければ、デフォルトになってしまいます。

国際通貨基金(IMFは、過去の通貨危機のデータをもとに、適正な外貨準備高の基準を作成しています。それが「Assessing Reserve Adequacy Metric(ARAM)」と呼ばれるものです。

①輸出、②マネーサプライ、③短期対外債務、④その他負債(債券、証券)に、あるウエイトをかけ、外貨流出リスクを算出し、そのリスクを防ぐために必要な目安となる外貨準備高を算出しています。

国際通貨基金としては、適正な外貨準備高の範囲を100%~150%としています。78 カ国の外貨準備高について算出しています。

そしてさらに、国際通貨基金は外貨準備高について新しい指標を用意しています。

それが、「Data Template on International Reserves and Foreign Currency Liquidity(DTIRCL)」です。「外貨準備高と外貨流動性に関するデータ集」です。

DTIRCLは、各国の金融当局が保有している外貨流動性を正確に公表したものです。

84カ国と地域が毎月、DTIRCLを公表しています。

これは、外貨準備高と今後の外貨の流出額を現したものですので、外貨流出によって今後、その国がどういう状況に追い込まれていくかを推測することができます。

現在、金融危機に陥っているアルゼンチンについていえば、今後1年間に支払わなければならない債務が500億ドル近くありますが、外貨準備高に乏しく、かといって経常収支は赤字です。

そのため新規の借り入れができないと、近い将来外貨が枯渇してしまう可能性があり、デフォルト、国家破綻という事態になりかねません。

その例でいくと、トルコもけっして外貨準備高が多い国ではありません。

トルコ もアルゼンチンほどではないにせよ、 外貨準備高は十分ではありませんし、今後の外貨流出額も少なくありません。

そのため、トルコリラの取引には十分、注意が必要です。

そのほか考えなければならないリスクとしては、国内政治のリスクや、先進国による影響が上げられます。

新興国の多くはよきにつけ悪しきにつけ、為政者の個性が政治に色濃く反映をします。為政者の考え方一つで国の政治や経済は一変してしまいます。

それだけに、経済政策がうまくいっているときは国民も、大統領や首相が独裁者であっても我慢をしていますが、いったん経済が悪化してくると国民の不満はたまり、果ては街頭デモや暴動が起きることもあります。

そうなってくると経済は疲弊し、通貨の価値は下がってきます。インフレ率は急上昇し、物価は異常に高騰して、国民の消費支出は減退します。

経済成長率は下がり、投資家は資金の投入を控えるようになり、最終的には国際機関や他国の援助に頼らざるを得なくなります。

新興国は多かれ少なかれ先進国の影響を受けます。メキシコとアメリカの関係がいい例です。メキシコの経済はアメリカなしでは成り立ちません。

輸出の80%はアメリカ向けです。アメリカとメキシコは持ちつ持たれつの関係だったのですが、そこへ登場してきたのが、トランプ大統領です。

メキシコの不法移民問題をやり玉に挙げて攻撃することで、アメリカ国民から多くの支持を得ました。

大統領に就任したトランプ氏がメキシコに対して打ち出した政策は、北米自由貿易協定(NAFTA) の見直しと国境の壁建設でした。

トランプ氏は大統領に就任したとたんに、メキシコとの国境に壁を建設すると主張し、壁の建設費用をメキシコ側に負担させるといったのです。

これにはメキシコ国民は大反発しました。

メキシコ国民だけではありません。

アメリカ議会は反対し、全世界の心ある人たちはトランプ大統領の壁建設にはあきれて、開いた口がふさがりませんでした。

このとき、メキシコとアメリカの関係は悪化すると思われたのか、為替市場ではメキシコペソが売られ、1米ドル=22ペソまで下落しました。

その後は、アメリカとメキシコは対立することは少なくなりましたが、メキシコはアメリカの影響を受けやすく、それは即座にペソの価格に反映していきます。

ですから、メキシコペソを取り引きする場合は、アメリカの動向を精査してから取引をするよう心がけましょう。

それはメキシコペソだけの問題ではありません。

新興国は先進国の影響を受けやすいことは確かですので、新興国と歴史的、経済的、政治的結びつきが強い国の情報は常に収集しておくことを勧めます。

新興国の経済情報は以下のサイトから

新興国の経済的、社会的、政治的情報はふつうの日刊紙ではなかなか情報を得ることができません。

よほど大きなニュースがあれば別ですが、新興国の情報について紙面を割いて掲載する余裕はないというのが、マスメディアの姿勢です。

そこで以下のサイトを参照にしたらいいかと思います。

辻秀雄氏プロフィール

辻秀雄氏
ジャーナリスト。リーマンショックに世界が揺れた2008年に、日本で初めて誕生したFX(外国為替証拠金取引)の専門誌、月刊「FX攻略.com」の初代編集長を務める。出版社社員からフリーになり、総合雑誌「月刊宝石」や「ダカーポ」「月刊太陽」「とらばーゆ」などで取材・執筆活動を行う。また、『ビジネスマン戦略戦術講座(全20巻)』などビジネス書の編集にも携わる。著書に『インターネット・スキル』『危ない金融機関の見分け方』『半世紀を経てなお息吹くヤマギシの村』など。共著に『我らチェルノブイリの虜囚』『ドルよ驕るなかれ』『横浜を拓いた男たち』など。辻秀雄氏の詳しいプロフィールは、こちらから
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