各社が米ドル/円のスプレッドを0.2銭に!その経緯は?今後どうなる?

FX実践
本記事の情報は、2019年10月29日時点のものです。最新情報や詳細については、各社の公式サイト等でご確認ください。

2019年10月、国内の大手FX会社が相次いで米ドル/円のスプレッドを0.2銭に縮小し、大きな話題となりました。

長らく米ドル/円のスプレッドは0.3銭が業界最狭水準だった

トレーダーがFX会社を選ぶ際に最も重視すると言われるのがスプレッドで、特に最も人気が高い米ドル/円のスプレッドへの注目度は非常に高くなっています。

そのため、各FX会社は米ドル/円のスプレッドの狭小化に力を入れており、日本のFX業界において米ドル/円のスプレッドは、長期的に見ると徐々に狭くなってきた歴史があります。

かつて米ドル/円のスプレッドは1銭以上が主流だった時代もありましたが、FX業者のスプレッド縮小競争を経て、2019年前半の時点には国内の多くの大手FX会社で0.3銭原則固定となっており、ここ数年は0.3銭が業界最狭水準という状態が続いていました。

米ドル/円を0.3銭より狭いスプレッドで取引できる機会が皆無だったわけではありません。例えばSBI FXトレードでは以前から1万通貨までの米ドル/円の取引については0.27銭のスプレッドとなっていたほか、トレイダーズ証券のみんなのFXおよびLIGHT FXでは、毎月最後の金曜日、18時〜22時の4時間限定で人気通貨ペアのスプレッドを縮小するプレミアムフライデー企画において米ドル/円のスプレッドを0.2銭で提供していた例があります。

しかし、これらはあくまでも一時的なキャンペーンや一定数量の取引に限定された例外的なもので、米ドル/円の原則固定の通常スプレッドとしては、長らく0.3銭が業界最狭水準だったのです。

9/25 FXTFが米ドル/円のスプレッドを0.2銭に

そんなFX業界に2010年9月25日、一つの動きがありました。

ゴールデンウェイ・ジャパン(旧FXトレード・フィナンシャル)が運営するFXTFが「日本史上最狭のスプレッドへ挑戦!」と銘打ち、米ドル/円のスプレッドを0.2銭原則固定とすることを発表したのです。

さらに翌日の9月26日、同社は「日本No.1 最狭スプレッド挑戦計画」を発表し、下記の通り、米ドル/円・ユーロ/円・ポンド/円・豪ドル/円・ユーロ/米ドルの5通貨ペアについて、国内FX業界No.1のスプレッド水準を目指すと宣言しました。

「日本 No.1 最狭スプレッド挑戦計画」とは、主要通貨ペアの売買スプレッドに関して、当社が、FX業界最狭水準のスプレッド提示を実現するために、具体的にどのように実現していくのかをまとめたアクションプランです。

当社は、FX業界他社のスプレッド水準が、当社が独自に定めた条件及び基準による検証の結果、低スプレッド水準にあることを認定した場合には、原則として、すみやかに最狭ないし同等のスプレッド水準を回復すべく、予め定めた手順に従い、対象通貨ペアの売買スプレッドを縮小いたします。計画は、本日の公表と同時にスタートいたします。

−ゴールデンウェイ・ジャパン「日本No.1 最狭スプレッド挑戦計画」より

※同計画では、米ドル/円・ポンド/円・ユーロ/米ドルについては「は同業他社よりも狭い原則固定のスプレッド」、ユーロ/円・豪ドル/円については「同業他社の最狭スプレッドと同等の原則固定スプレッド」を目指すとしています。

米ドル/円で通常スプレッドが0.2銭原則固定というのは同社の宣言通りおそらく日本のFX業界史上初のことで、長らく続いていた「米ドル/円のスプレッドは0.3銭が業界最狭水準」という状況を打ち破る出来事でした。

しかし本件の発表直後には他社が追随する様子はなく、そのまましばらく業界ではFXTFのみが複数の通貨ペアにおいて一段狭いスプレッドを提供している状態が続きました。

10/15 大手各社が一斉にスプレッド縮小へ

そんな中、翌月の10月15日になって、他社が動き出しました。

まずは楽天証券の「楽天FX」が15日午前9時30分に、サービス開始20周年記念として同日午前9時から2019年11月23日(土)午前6時55分までの期間、米ドル/円のスプレッドを0.2銭原則固定に縮小するキャンペーンを実施することを発表しました。

が、期間限定のキャンペーンスプレッドということもあり、この時点ではまださほど大きな話題とはなっていませんでした。

しかしその後、同日夕方の16時20分に、GMOクリック証券が同社のFX取引サービス「FXネオ」の米ドル/円の通常スプレッドを同日17時から0.2銭原則固定に縮小することを発表するプレスリリースを配信し、状況が動き始めました。

業界大手であるGMOクリック証券が米ドル/円のスプレッド縮小に乗り出したことが引き金になったと見られ、この後他社が続々と動き出します。

業界大手で老舗の外為どっとコムは、同日午後5時~2019年11月23日午前6時55分の期間限定で米ドル/円のスプレッドを0.2銭(原則固定(例外あり))とするキャンペーンの実施を発表しました。

GMOクリック証券と並んで人気のDMM.com証券のDMM FXでは、同日17時30分から米ドル/円の通常スプレッドを0.2銭原則固定に縮小することを発表しました。

その後も15日から16日にかけてヤフーグループのYJFX!トレイダーズ証券があとに続き、トレイダーズ証券では0.2銭への縮小だけにとどまらず、10月16日から11月29日までの間、9時~24時限定で米ドル/円のスプレッドを0.1銭に縮小するキャンペーンの実施も発表しました。

続いてFXブロードネットが、16日17時より米ドル/円の通常スプレッドを0.3銭原則固定から0.2銭原則固定へ縮小することを発表しました。

ここに来て最初に米ドル/円スプレッド0.2銭原則固定を打ち出したゴールデンウェイ・ジャパンのFXTFが、米ドル/円の通常スプレッドをさらに縮小し0.1銭原則固定とすることを発表しました。

他社が追随して続々と米ドル/円の通常スプレッドを0.2銭原則固定へ縮小したり、さらには(キャンペーンスプレッドとはいえ)さらに狭い0.1銭原則固定とする会社も出て来た中で、ゴールデンウェイ・ジャパンは9月に「日本No.1 最狭スプレッド挑戦計画」で宣言した通り、米ドル/円の通常スプレッドを国内最狭にするべく、さらに縮小してきたのです。

※このときトレイダーズ証券は米ドル/円のスプレッドを0.1銭に縮小するキャンペーンを実施しており、FXTFが米ドル/円について「同業他社よりも狭い原則固定のスプレッド」を実現するというのであれば、一見0.1銭よりも狭いスプレッドにするはずのようにも思えます。しかしゴールデンウェイ・ジャパンの「日本No.1 最狭スプレッド挑戦計画」では、「比較会社が当該原則固定スプレッドを、その取引可能時間の75%以上配信していない場合は比較対象から除外する」としており、トレイダーズ証券のキャンペーンで米ドル/円のスプレッドが0.1銭となるのは9時~24時の15時間限定であり取引可能時間の75%以上に満たないため、比較対象から除外されているようです。

さらに翌日の17日、12時からセントラル短資FXが、続いて16時からマネックス証券が米ドル/円の通常スプレッドを0.2銭原則固定へと縮小し、その翌日18日には英国に拠点を置くIG証券も同様のスプレッド縮小を行いました。

ここまでの動きをまとめると、以下の表のようになります。

会社名 開始時刻 米ドル/円
スプレッド
通常/キャンペーン
楽天証券 15日 9:00~ 0.3銭 → 0.2銭 キャンペーン
(11月23日6時55分まで)
GMOクリック証券 15日 17:00~ 0.3銭 → 0.2銭 通常スプレッド
外為どっとコム 15日 17:00~ 0.3銭 → 0.2銭 キャンペーン
(11月23日6時55分まで)
DMM.com証券 15日 17:30~ 0.3銭 → 0.2銭 通常スプレッド
YJFX! 15日 19:00~ 0.3銭 → 0.2銭 通常スプレッド
トレイダーズ証券 16日 15:00~ 0.3銭 → 0.2銭 通常スプレッド
トレイダーズ証券 16日 15:00~ 0.2銭 → 0.1銭 キャンペーン
(11月29日まで、9時~24時限定)
FXブロードネット 16日 17:00~ 0.3銭 → 0.2銭 通常スプレッド
ゴールデンウェイ・ジャパン
(FXTF)
16日 17:20〜 0.2銭 → 0.1銭 通常スプレッド
セントラル短資FX 17日 12:00~ 0.3銭 → 0.2銭 通常スプレッド
マネックス証券 17日 16:00~ 0.3銭 → 0.2銭 通常スプレッド
IG証券 18日~ 0.3銭 → 0.2銭 通常スプレッド

このように、15日からのわずか数日間で、米ドル/円のスプレッドをめぐる状況は一変してしまいました。

今後のFX業界の動向に注目!

冒頭で述べたように、日本のFX業界ではここ数年、米ドル/円の通常スプレッドとしては0.3銭が最狭水準という状況が続いていました。

その状況が今回の一連のスプレッド縮小の動きによって突如打ち破られ、トレーダーや関係者の間では大きな話題となっています。

これまで長い時間をかけて米ドル/円のスプレッドは徐々に狭くなってきましたが、この10月に起こったスプレッド縮小は、これまでにないほど急速なものでした。

現時点では期間限定のキャンペーンとしてのみ米ドル/円のスプレッド縮小を行うなどして、未だ通常スプレッドの縮小にまでは踏み切っていない会社もありますが、そのような会社にも今後動きがあるかもしれません。

このまま日本のFX業界の新たな主流として「米ドル/円の通常スプレッド0.2銭原則固定」が定着するのか、あるいはさらに縮小が進んで0.1銭が最狭水準となるのか、はたまたそれより狭いスプレッドに挑戦する会社が現れるのか、今後の動向に注目が集まります。

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