FXに特定口座ってあるの?
そもそも特定口座って何?
こんなお悩みをお持ちではありませんか。
特定口座とは、顧客の損益を証券会社が計算を行い、「特定口座年間取引報告書」を交付する制度のことです。
つまり、顧客に変わって証券会社が書類を作成してくれるため、確定申告の負担を減らすことができます。
株取引を行っている方なら特定口座という言葉を聞いたことがあるかもしれませんが、FXから始めた方にはあまり馴染みがないといえます。
そこで本記事では、
- FXの特定口座の有無
- FXの税金について
- FXの確定申告を必ず行うべき理由
という流れで、特定口座について詳しく紹介します。
本記事を読めば、FXで特定口座を開設できるかどうかを詳しく知ることができます。
FXで特定口座を利用してみようと考えているのであれば、ぜひ本記事を参考にしてください。
FXに特定口座はない
結論から申し上げますと、FXには特定口座はありません。
国税庁のHPの所得税法の「特定口座制度」では、株式による所得に関する記載はあるものの、FXに関しての記載はありません。
詳しくは、こちらをご覧ください。
つまり、FXに特定口座はありません。
そもそも特定口座とは
特定口座とは、株式投資の年間損益を証券会社側が算出してくれるため、確定申告の負担を減らせる口座のことです。
上場株式等の壌土駅については、申告分離課税の対象となり原則、確定申告が必要ですが、特定口座制度は、この申告・納税手続きの負担を軽減するために設けられています。
出典:SMBC日興証券
通常であれば、年間の損益を自分で算出し確定申告を行うため、1年分の損益計算を行わなければならず確定申告は大変手間のかかるものです。
特定口座であれば、証券会社側で1年間の年間取引報告書を作成してくれるため、わざわざ自ら損益を計算するといった手間を省くことができます。
特定口座は、確定申告の手間を省いてくれる便利なサービスです。
FXの税金はいくらから?
FX取引にかかる税金は申告分離課税であり、税率20.315%となります。
内訳は以下の通りです。
所得税15%+復興特別所得税0.315%+住民税5%
出典:外為どっとコム
確定申告をする基準は、会社員や主婦などそれぞれ異なってきます。
以下で、詳しく紹介します。
会社員の場合
給与所得がある会社員については、FX取引において年間20万円以上の利益が発生した場合には確定申告の義務があります。
なお、給与所得が年間2,000万円以上の会社員は、FX取引を行っているかどうかに関わりなく確定申告の義務があります。
パートやアルバイトの場合
年間の給与所得が65万円以下の場合、FX取引による年間の利益が38万円を超えると確定申告の義務が生じます。
また年間の給与所得が130万円以下の場合、FXの利益が年間で20万円を超えると確定申告の義務が生じるので覚えておきましょう。
なお、「FX攻略本」の購入や「FXセミナー」に受講した場合には、経費として落とせます。
専業主婦や学生の場合
専業主婦や学生については、FX取引による年間の利益が38万円を超えた場合には、申告の義務があるので注意しましょう。
年金生活者の場合
公的年金による年間の収入が400万円以下で、FX取引による年間の利益が20万円を超えた場合には、確定申告が必要です。
なお、公的年金による年間の収入が400万円以上の人は、FX取引に利益が出たのかどうかにかかわりなく、確定申告の義務があります。
自営業やフリーランスの場合
自営業やフリーランスの場合、FXによる年間の利益が38万円を超えると確定申告の必要があります。
なお、青色申告の自営業者については、最大で65万円の控除があるので覚えておきましょう。
FXの確定申告を必ず行うべき理由2つ
FXの確定申告を必ず行わなければならない理由は、次の2つです。
- 必ずばれる
- 損失繰越控除を受けられる
それぞれ詳しく紹介します。
理由①:必ずばれる
FX取引による利益は必ず税務署にばれます。
なぜなら、FX各社は、顧客の取引データを税務署に報告しているからです。
加えて、現在ではマイナンバーカードによってFX取引でどのくらいの収益があるのかを知ることができます。
FX取引による収益を確定申告しなかった場合には、以下のペナルティが課されるので注意しましょう。
無申告課税
確定申告をしなかった場合に課されるペナルティです。
税額が50万円以下の場合には15%、50万円を超える場合には20%の追徴課税があります。
延滞税
確定申告による税金を納めなかった場合に課されるペナルティです。
納期限から2ヶ月については年率で7.3%、それ以降に関しては年率で14.6%の通常課税があります。
所得隠し
税務署から悪質な所得隠しと判断された場合には、40%の通帳課税があります。
理由②:損失繰越控除を受けられる
FXの確定申告を必ず行うべきもうひとつの理由は、損失繰越控除を受けられるからです。
損失繰越控除とは、本年分の損失を控除できなかったときに、翌年以降のFX取引の利益から控除できる制度のことです。
つまり、FX取引で損失を出した場合でも、確定申告をしておくことで利益からの相殺ができます。
損失繰越控除には、以下の2つの条件があります。
- 損失した年以降の3年間に適用される
- 損失繰越控除の適用が終わるまで、毎年確定申告を行う
FXで利益を上げた場合でも、過去に損失があれば納税額を低く抑えることができるのです。
そのため、確定申告は必ず行っておきましょう。
まとめ:FXには特定口座がないため必ず自分で確定申告を行おう
特定口座があれば、確定申告をスムーズに行うことができます。
しかし、FX取引では、特定口座の制度がないため利用することができません。
そのため、FX取引の確定申告は自分で行うようにしましょう。
確定申告を怠った場合には、必ずばれるため、確定申告をした時よりも大きなお金を支払うことになります。
また、FX取引で損失が出た場合も、確定申告をしておくことで翌年以降の納税額を抑えることが可能です。
FX取引を始めるときには、どんな場合でも必ず確定申告を行いましょう。