賃貸契約にかかる初期費用ってどのくらいかかるの?
初期費用はどんなタイミングで支払えばよいのかしら?
このようなお悩みをお持ちではありませんか。
本記事では下記の流れで、賃貸契約にかかる初期費用や内訳、初期費用の支払いタイミングなどについて詳しく紹介します。
- 賃貸契約にかかる費用
- 賃貸契約にかかる主な初期費用
- 賃貸物件の家賃は給与の30%がおすすめ
- 賃貸契約の初期費用を支払うタイミング
- 賃貸契約の初期費用を抑える方法
賃貸契約の初期費用を抑える方法についても紹介しているため、少しでも初期費用を抑えたいのであればぜひ参考にしてください。
早速、「賃貸契約にかかる初期費用」から紹介しましょう。
賃貸契約にかかる費用
賃貸契約をする時にかかる費用は、家賃だけではありません。
敷金や礼金、仲介手数料などが発生します。
家賃を含むこれらの費用を合わせて初期費用と言います。
「家賃が5万円だから10万円程度あれば引越しができる」というわけではありません。
初期費用は決して安くない金額となるので、部屋を借りるためには大きなお金を用意しておく必要があります。
賃貸契約にかかる主な初期費用
賃貸契約にかかる主な初期費用とはどのようなものがあるのでしょうか。
内訳を下記表にまとめてみました。
初期費用 | 意味 |
---|---|
敷金 | 敷金とは、契約中に賃料の未払いの補填をしたり、入居中の汚損などを修繕したりする保証金となります。担保として支払う費用となるので、家賃の滞納がなく、部屋を借りた時の状態「原状回復」していれば返還されるお金です。 |
礼金 | 大家さんにお礼として支払うのが礼金となります。昔は住宅が少なかったためお礼として支払っていた習慣が残っています。しかし、近年では礼金なしの物件が増加していて、交渉にて減額できる場合もあります。 |
前家賃 | 家賃を前払いする費用となります。4月に入居する場合、4月分の家賃を入居前に支払っておく必要があります。 |
日割り家賃 | 入居日によって日割りで計算された金額が日割り家賃です。例えば、3月初めに契約して月途中10日に入居する場合、残りの21日文を日割りとして支払うこととなります。 |
仲介手数料 | 大家さんと借主との間に立ち、契約手続きをする不動産会社に支払う手数料です。部屋が決まってから発生する料金なので、部屋を探してもらった、内見をした、などだけでは手数料を支払う必要はありません。 |
火災保険料 | 入居中の火災や水漏れなどのトラブルに備えておく火災保険料です。多くの場合2年間契約で更新していきます。 |
保証料 | 連帯保証人がいない場合に家賃保証会社を利用する場合があります。加入後1、2年で更新費用として1万円程度支払う必要もあります。 自ら保証会社を選択できることもありますが、ほとんどの場合不動産業者から指定されます。 |
鍵の交換費 | 入居する前に鍵を新しくするための費用です。前入居者が合鍵を作っているなどの可能性があるので防犯対策として鍵を交換します。 |
賃貸契約の初期費用の目安と内訳
賃貸契約の初期費用はそれぞれどのくらいかかるのでしょうか。
詳しくみていきましょう。
初期費用 | 内訳 | 目安金額 (家賃7万円の場合) |
---|---|---|
敷金 | 敷金は家賃1ヶ月分程度。 (退去時に返還される場合ある) |
7万円 |
礼金 | 家賃1ヶ月分程度。 (礼金なしの場合もある) |
7万円 |
前家賃 | 家賃1ヶ月分 | 7万円 |
日割り家賃 | 入居月を日割り計算した金額 | 今回はなし |
仲介手数料 | 家賃の0.5ヶ月〜1ヶ月分程度。 (上限は家賃1ヶ月分) |
7万円 |
火災保険料 | 1万5千円〜2万円程度 | 2万円 |
保証料 | 家賃0.5ヶ月分〜1ヶ月程度。 (加入後1〜2年で1万円程度の更新料がある) |
7万円 |
鍵の交換費 | 1万〜2万程度。 (鍵の種類によって料金が異なる) |
1万円 |
合計 | ‐ | 38万円 |
初期費用の総額は、家賃の5倍程度を想定しておく必要があります。
また、この金額に引越し費用、生活用品の購入などを足さなければなりません。
賃貸契約の際は余裕を持って貯蓄しておくことをおすすめします。
家賃7万円でも大きな初期費用がかかりますね!
家賃が安くても入居するにはそれなりの費用がかかるから、日ごろからの貯金はとても大切ね!
また、将来はマイホームの購入をお考えの方も多いと思うため、一度下記のライフプランシミュレーションより将来どのくらい費用がかかるのか想定しておきましょう。
賃貸物件の家賃は給与の約30%がおすすめ
賃貸物件を探す時、重要視するのが家賃です。家賃はどのくらいが良いのか悩む人も多いでしょう。
一般的には給与の約30%の家賃がおすすめとされています。 例えば、手取り20万円の場合、家賃は6万円となります。
暮らしていくためには家賃だけでなく生活費などがかかります。手取り20万円の場合のシミュレーションが以下のようになります。
- 家賃…6万円
- 食費…4万円
- 光熱費…1万5千円
- 携帯代…1万5千円
- 日用品…5千円
- 交際・娯楽費…3万円
- 保険…7千円
- 雑費…8千円
- 貯蓄…2万円
生活スタイルによって異なるので、給与の約30%を家賃として一度試算してみましょう。
賃貸契約の初期費用を支払うタイミング
初期費用を支払うタイミングは、賃貸契約の手続きが終わった後となります。
具体的な賃貸契約の流れを解説していきます。
1.部屋探し
インターネットで探したり、不動産会社に足を運んだりして部屋を探します。
部屋を探す上で重要になるのが条件です。家賃、間取り、最寄駅からの距離、入居時期、階数などの条件を考えていきます。
多くの場合、一番始めにどこに住むのかエリアを決めるかと思いますが、あまり良い物件がないという場合もあるでしょう。
その際は、予算を上げたり、一つ遠い駅を選んだり、少し条件を広げてあげると物件数も増えてきます。
そして、ネットや紙媒体だけで確認するのではなく、気になった物件を不動産会社を通して実際に見学します。
気になる物件があれば、予約をしておくとスムーズにない件ができるでしょう。
また同じような条件の部屋を準備してくれているかもしれません。
良い部屋を見つけるためには、不動産会社に条件を上手く伝えることが大切です。
できるだけ詳細な条件を伝えたり、「相場はどのくらいか」「条件は下げた方がよいか」などの質問をしたりすると良いでしょう。
2.申し込み
気に入った部屋が見つかれば賃貸契約を申し込みます。
申込書を賃貸会社に提出します。
書類には、身分証明するものや連帯保証人、源泉徴収票などが必要になってくるので事前に準備しておくとスムーズに進めることができます。
そして、物件入居には審査があり、3日から一週間程度結果を待ちます。
3.契約手続き・契約の確認・重要事項確認
審査が通れば契約手続きとなります。契約書の確認や物件の重要事項を確認をします。
不動産会社の宅建取引主任者が賃貸契約について詳細に説明をしていきます。
賃貸契約でのトラブルがないように行う大事な説明なのでしっかり確認しておきましょう。
特に退去時にトラブルになりやすいと言われている敷金についての特約をチェックしておいてください。
どの程度の原状回復なのか、特約があるのかなど自分が納得できる内容かどうか必ず確認し、不明点は担当者に聞いてみましょう。
4.初期費用の支払い
いよいよ初期費用を支払うタイミングとなります。
初期費用を○日までに支払って欲しいと期限が設けられるのでそれに合わせて費用を用意しましょう。
支払日を伸ばすことはほとんどできないので事前に用意しておく必要があります。
5.入居
手続きと支払いが無事終わると、契約した入居日から入居できるようになります。
新生活が始まる前に転出届や郵便物の転送届、電気・ガス・水道の開始手続きなど忘れずに準備しておきましょう。
また、退去時のトラブルにならないように、部屋にあるキズや汚れなどをチェックしておくことが大切です。
その箇所を写真で撮っておき、証拠として残しておきましょう。
最近では、それらの写真を入居時に管理会社に送信しておけるサービスなども出てきています。
そして、部屋は出来るだけキレイに使っていくことを目指しましょう。
後で掃除すれば良いと思って油汚れやカビをそのまま放置しておくと自分ではとれないような汚れになってしまうこともあります。
トラブルにならないためにも部屋をキレイに使っていくことを忘れないようにしましょう。
以上、賃貸契約の流れとなります。
初期費用は大きな金額となるので、すぐに用意するのは難しいでしょう。
引越しを決める前には家賃の5倍ほどかかるということを想定して計画していきましょう!
不動産会社によってはクレジットカードの分割決済で後払いも可能
初期費用が用意できない、思ったより費用が高かったなど期日までに支払えないということがあるかもしれません。
不動産会社の多くは現金払いとなりますが、中にはクレジットカードの分割決済を受け付けている場合があります。
クレジットカード分割決済ができれば、まとまった現金を準備しなくて良いだけでなく、クレジットカードのポイントを貯めることができます。
また、クレジットカードの審査を受けていることで連帯保証人を必要としないケースもあります。
しかし、分割払いで分割回数が多くなると金利が発生するため、支払い額が高くなってしまいます。
そして分割払いができる不動産会社でも物件によってできないケースもあります。
条件の揃った部屋でも借りられない可能性が出てくるので出来るだけ初期費用を用意してから引越しの計画を立てることをおすすめします!
賃貸契約の初期費用を抑える方法5つ
賃貸契約の初期費用は大きな額となるのでできるだけ抑えたいものです。
そこで初期費用を抑える5つの方法を紹介していきます。
- フリーレントを行っている物件を選ぶ
- 不動産会社や大家さんに家賃交渉してみる
- 引越し会社の繁忙期を避けると引越しの初期費用を抑えられる
- レオパレスなどの家電付き物件を選ぶ
- 入居日を月初にする
フリーレントを行っている物件を選ぶ
賃貸物件によってはフリーレントを行っていることがあります。
フリーレントとは、一定期間、家賃が無料となるシステムです。
期間はさまざまで日割り分〜3ヶ月分までなど物件によって異なります。
なぜフリーレントが行われるかというと、他の物件と差をつけて借りやすくするためとされています。
無料となると「何か裏があるんじゃないか」と心配になりますが、大家さんからすれば部屋が空いているより借りてもらい今後の家賃収入の見込みがある方が良いということになります。
進学や就職などで引っ越す1月〜3月の繁忙期になる前の12月にフリーレント物件が出やすいのでその時期に探してみましょう。
フリーレント物件を見つけたら、どのくらいの期間が適用されるのか確認しておきます。
また、前家賃が必要な場合もあるので忘れずにチェックしておきましょう。
そして、フリーレント物件の場合、短期間で退去すると違約金が発生する可能性があります。
そのことから転居の多い社会人であれば逆にフリーレント物件は外して探した方が良いでしょう!
不動産会社や大家さんに家賃交渉してみる
「家賃は提示された金額を支払わなくては」と思ってしまいますが、実は不動産会社や大家さんと値段交渉することができます。
値段交渉となるとどうしても悪い気がしてしまいますが、不動産会社や大家さんにとっては日常茶飯事のことです。
遠慮せずに交渉してみましょう。
より良い結果を得るためには、自分が良い借主だと思わせることが大切です。
大家さんに提出する物件の申込書はしっかりと書き、できるだけ入居日を早くすると交渉が通りやすくなる傾向にあります。
また、「家賃を9万円から3万円に下げて」というような大幅な値下げは不可能と言えるでしょう。
借りたい条件の物件の相場と同じくらいの金額を提示しつつ、少しづつ交渉していくと良いかもしれません。
引越し会社の繁忙期を避けると引越しの初期費用を抑えられる
新しく部屋を借りるということは、初期費用以外にも引越し費用がかかります。
そこで、引越し会社の費用を抑えることも非常に重要になってきます。
引越し会社の費用を抑えるためには、繁忙期となる3月〜4月は避けると良いでしょう。
進学や就職、転勤によって引っ越す人が増えるためです。
逆に引っ越す人が少ないのは10月と12月、1月です。
この閑散期に引っ越すことで引越し費用を抑えることができるでしょう。
また、引越し会社によってさまざまなプランがあり、安く抑えるものを選ぶのがおすすめです。
特に一人暮らしの人は、単身向けのパックを利用すると良いでしょう。
また、荷物が少なければ、宅配便を利用する方が安く済む場合があります。
車を所持していれば、自分で荷物を運んでしまう方法もあるので、より良い手段を考えてみましょう。
レオパレスなどの家電付き物件を選ぶ
物件によっては家電がついている場合があります。
有名な不動産会社のひとつ、レオパレスでは、テレビやエアコン、冷蔵庫、テーブル、カーテンなどの家具・家電がついています。
家具家電を新しく用意するとなると大きな金額となるので初期費用を抑えることができます。
また、自分の荷物を大幅に減らすことができるので、引越し会社を依頼する必要がなくなるかもしれません。
退去時にも荷物が減るのでその際の引越し費用が安く抑えられるでしょう。
デメリットとしては、家具・家電が自分好みのものではないということが挙げられます。
デザインだけでなくサイズも決まったものになるので実際使ってみると小さかった、など ということもあるでしょう。
そして、長期間住む予定であれば割高になる可能性があります。
毎月の家賃に家具や家電の料金も含まれているので、自分で購入する方が安くなるケースが出てきます。
家具・家電付きの物件は、急な引越しや転勤などの場合に利用するのがおすすめです!
入居日を月初にする
入居日を月初にすると、初期費用を抑えられるケースがあります。
それは日割り家賃を前家賃として翌月分の家賃を初期費用に入れない場合があるためです。
月初1日〜9日頃だとその可能性が出てくるので不動産会社に確認してみましょう。
まとめ:賃貸契約の家賃費用は無理のない範囲で!
賃貸契約をする際、必ず初期費用がかかります。
初期費用はまとまった金額となり、すぐ準備するのは難しいです。
部屋を決めてから焦らないよう、引越しを決めたらどのくらいかかるのか想定して計画を立てるようにしましょう。
また、費用面でも焦らないよう、日ごろから貯金をしておくことが大切です。
賃貸契約の初期費用に限らず、今後マイホーム購入など大きな費用がかかってくるから、貯金だけではなく資産運用にも注目してみような!