住宅を購入するか賃貸のままか悩む、どちらがお得?
購入するのと賃貸するのとではどのようなメリット、デメリットがあるの?
このようなお悩みをお持ちではありませんか。
本記事では、住宅を購入するメリット・デメリット、賃貸にするメリット・デメリットからどちらがお得なのかを、下記の流れで詳しく紹介します。
- 住宅の購入と賃貸の割合
- 住宅を購入するメリット、デメリット
- 住宅を賃貸するメリット、デメリット
- 住宅は購入か賃貸かどちらがお得?メリット、デメリットから比較
- 住宅の購入の平均年齢
- 老後の生活を考えると購入か賃貸のどちらが安心?
具体的に購入や賃貸はどんな人におすすめなのかについても詳しく紹介します。
では早速、「住宅の購入と賃貸の割合」から紹介しましょう。
住宅の購入と賃貸の割合
持ち家か賃貸に住むか悩んでいる方にまず、参考にして欲しいのが住宅と賃貸の国内での割合です。
総務省統計局の調査によると、持ち家の住宅総数に占める割合は61.2%となっており、3280万2千戸あります。
それに対し、借家は1906万5千戸、割合は35.6%で、持ち家の方が多い結果となっています。
持ち家の中では、一戸建てより共同住宅(マンション)が増加傾向にあり、特に首都圏で共同住宅の割合が増えているようです。
また、共同住宅の高層化が進み、1・2階建以上の共同住宅の割合が26.7%なのに対し、6階建以上の共同住宅の割合は35.6%となっています。(平成30年)
平成30年度のデータでは、6階建以上のマンションの購入が多い傾向にあります。
住宅を購入するメリット、デメリット
住宅を購入するとどのようなメリットがあるのでしょうか。
メリットとデメリットどちらも確認して検討していきましょう。
住宅を購入するメリット
住宅を購入するメリットとして1番に挙げられるのは、住宅が資産となるということでしょう。
住宅を賃貸している場合、自分で持っていることにはなりませんが、購入すれば財産として残しておくことができます。
そして住宅ローンを完済すれば、賃貸住宅のように毎月の支払いもなくなるので、精神的にも安心して過ごすことができるでしょう。
持ち家を持っているというステータスは大きなもので、社会的信用を得ることもできます。
自宅をそのまま子ども、孫と受け継いでいくことができるのもメリットとなります。
将来、住宅や土地が必要なくなっても売却することが可能です。
建物は築年数が上がれば資産価値が減少してしまいますが、土地に築年数は関係ありません。
住宅を購入する時に住宅ローンを完済できるかどうか不安に思う方も少なくありませんが、団体信用生命保険に加入しておけば、契約者が亡くなった時や高度障害状態になった時などに支払い不要となります。
遺族にローンを残すことがなく、資産として残すことができるので安心です。
また、近年話題となっているリバースモーゲージを利用することができます。
リバースモーゲージとは、自宅に住みながらも自宅を担保として生活資金を借入できるシステムです。
借入した方が亡くなった時、不動産を処分して元利一括で返済します。
毎月元金と利息を返済しなければならない住宅ローンと異なり、毎月利息だけを返済するので毎月の支出を減らすことができると現在注目されています。
高齢者向けの貸付制度と言え、借入した資金は住宅ローンの返済やリフォーム、老人ホームの入居費用などさまざまなものに使うことができます。
住宅を購入すれば自宅となるので、自分の好きなようにリフォームできるのもメリットとなるでしょう。
間取りや外装、内装を自由にカスタマイズすることができます。
子どもの成長に合わせた間取りにしたり、老後に備えてバリアフリーにしたり、より良い空間を目指すことが可能となります。
また、ペットを飼ったり、庭付きであれば家庭菜園を楽しんだり、と自由度の高さは住宅購入ならではしょう。
住宅購入は、自分の資産となり精神的な余裕が生まれることが大きなメリットです!
住宅を購入するデメリット
住宅を購入するには高額なお金が必要となります。
住宅ローンを利用する場合でもはじめに印紙税や登記費用、住宅借入費用などの諸費用がかかります。
住宅種別によって諸費用は異なり、建売住宅や中古住宅は物件価格の6〜8%前後、注文住宅は総額の10%〜12%前後と言われています。
100万以上かかることも多く、大きな金額を最初に用意しなくてはなりません。
そして、自宅を所有している限り、固定資産税を支払い続ける必要があります。
固定資産税は、固定資産評価額×税率(主に1.4%)によって算出され、住宅種別や立地、築年数などによって固定資産税額は大きく異なります。
また、老朽化によって、修繕やリフォーム費などの維持費が必要となります。
マンションの場合は管理費や修繕積立金などの維持費がかかります。
中には住宅を購入したが家族構成が変わったり、ライフスタイルが変化したりすることで住み替えを考える方もいるでしょう。
そうなった時、売却を考えますが、土地や建物の価値が下がり、簡単にいかないことがあります。
売れない場合、売り出し価格を低くしなければならず、思った金額にならない可能性が出てきてしまうのです。
高額なお金がかかるという点がデメリットになります。
住宅を賃貸するメリット、デメリット
次に、住宅を賃貸するメリットとデメリットも確認していきましょう。
購入する場合とどのように違うのでしょうか。
住宅を賃貸するメリット
住宅を賃貸するメリットとして1番に挙げられる点は、初期費用を安く抑えられることでしょう。
住宅を購入する場合、非常に大きい額がかかってしまいますが、賃貸であれば初期費用は家賃の4.5〜5ヶ月分が相場となります。
毎月家賃を支払わなくてはなりませんが、住宅ローンの返済がないということは大きいメリットとなるでしょう。
経済的はもちろん精神的にも余裕が生まれます。
また、家族構成や生活スタイルが変わればそれに合わせて気軽に引っ越すことができます。
子どもが生まれたから部屋が多い家に引っ越す、老後は安全のために老人ホームに引っ越すなどということがすぐ可能となります。
賃貸の場合の維持費は、管理費や共益費、物件更新料などがありますが、物件を購入するより維持費がかかりません。
自分で物件の管理をせずとも不動産会社やオーナーに相談することで何かあっても解決してくれることがほとんどです。
賃貸であれば、初期費用を安く抑えられるだけではなく、気軽にいろいろなところへ引越しができることもメリットです!
住宅を賃貸するデメリット
住宅を賃貸するデメリットは住宅を賃貸している限り、家賃を支払い続けなくてはならないことが挙げられます。
働いているうちは良いですが、老後の年金生活となると家賃は大きな負担となるでしょう。
経済的に余裕がなくなると安心して老後を過ごせなくなってしまいます。
賃貸物件は、自分たちの好きなようにリフォームすることができません。
間取りはもちろん、内装や外装をリフォームするのには制限がかかってしまうので空間の自由度は低いと言えます。
庭付きの物件やペット可の物件もありますが、狭かったり大型犬はNGだったりと常に制限があると考えましょう。
住宅を賃貸するメリットとして、住み替えが楽という点をあげましたが、高齢になると住み替えが困難になる可能性があります。
賃貸契約するには審査があり、それに通らなくなったり、初期費用を用意できなくなったりする可能性があるためです。
また、世帯主が亡くなった場合でも契約している限り家賃は払い続けなくてはなりません。
若い時なら賃貸でも良いですが、老後になると様々なデメリットが発生してきます!
住宅は購入か賃貸かどちらがお得?メリット、デメリットから比較
住宅の購入と賃貸のメリットとデメリットを確認してきましたが、どちらがお得なのでしょうか。
それぞれを表で比較してみましょう。
メリット | デメリット | |
---|---|---|
住宅を購入する場合 | 資産となる 住宅ローン完済後の負担の軽減 自由にリフォーム可能 社会的信用を得る |
費用が高額 維持費がかかる 住み替えが難しい 売却が困難な場合がある |
住宅を賃貸する場合 | 初期費用が安く抑えられる 住み替えが気軽にできる 維持費が少ない |
家賃を支払い続ける必要がある リフォームができない 自由度が少ない 高齢になると住み替えが難しい |
住宅を購入する場合と賃貸をする場合、どちらもメリット、デメリットがあります。
住宅を購入すれば資産となりますが、最初にかかる費用は高額となります。
賃貸をすれば最初にかかる費用を抑えることができますが、住み続ける限り支払いを続けなくてはなりません。
実際にどちらがお得なのか価格を設定してシミュレーションしてみましょう。
条件は以下の通りに設定します。
- 30歳入居〜80歳まで住む
- 住宅購入額は4,000万円
- 返済期間は35年ローン、固定金利1.4%
- 賃貸家賃は住み替えにより変動
- 1〜10年目は12万円、11〜25年目は15万円、26年目〜50年目は13万円
- 更新料2年に家賃1ヶ月分
【住宅を購入する場合】
内容 | 金額 |
---|---|
住宅購入頭金 | 400万円 |
諸費用 | 200万円 |
住宅ローン返済総額 | 4500万円 |
固定資産税 | 870万円 |
修繕・リフォーム費用 | 1,700万円 |
合計 | 7,670万円 |
【住宅を賃貸する場合】
内容 | 金額 |
---|---|
初期費用 | 200万円 |
家賃総額 | 8,040万円 |
更新料 | 335万円 |
合計 | 8,575万円 |
上記の結果、住宅を購入する場合の方が安く済ませることができました。
しかし、上記はあくまでもシミュレーションですので、借入額や金利、修繕費用などによって大きく額が変化します。
また、賃貸の住み替えの回数が少ないほど合計金額は減少します。
これらのことから自分が何を優先するのかを決めて判断していくことが重要となります。
住宅の購入の平均年齢
住宅の購入はいつ頃、何歳頃が良いのか気になる方も多いでしょう。
国土交通省が実地した平成30年度住宅市場動向調査によると、世帯主の年齢は注文住宅、分譲戸建て住宅、分譲マンション、中古戸建て住宅では、30歳代での購入が多いという結果になっています。
特に分譲戸建て住宅と分譲マンションでの30歳代の世帯主が多い傾向にあります。
就職をし、仕事と収入が安定した30代での購入が多いのです。
住宅を購入するのであれば、早いうちに購入をし、ローンの返済期間を短くする方がお得になるでしょう。
また、建て替えやリフォーム住宅では、世帯主の年齢が上がり60歳代が5割以上となっています。
住宅を購入するのであれば、これら建て替えやリフォーム費用も頭に入れておき、貯蓄をしておく必要があります。
そういった必要はない、と考える人もいますが、水回りなどの寿命は10年〜20年と言われています。
一見問題ないように見えても腐食や劣化が進んでいる可能性があるので、修繕費は必要不可欠なものと考えておきましょう。
住宅の購入は、30歳代での購入が多いというデータが出ております!
老後の生活を考えると購入か賃貸のどちらが安心?
家を購入するか賃貸にするかという問題は老後の生活も一緒に検討していく必要があります。
購入すれば持ち家となり、資産となるので老後に安心して暮らしていけるというメリットがあります。
特に最近話題となっているリバースモーゲージという方法が老後に役立つこととなるでしょう。
リバースモーゲージを利用すれば、毎月利息のみの返済となり、世帯主が亡くなった後に物件と土地が返済に当てられます。
住宅ローンの返済だけでなく、住み替えやリフォーム費用など自由に利用できることが多いので、老後に活用することができるでしょう。
ただし、リバースモーゲージを利用するにはいくつかの条件があり、年齢や立地などで制限されます。
対象とならないエリアもあるので注意しましょう。
老後を賃貸で過ごすという方法は、住み替えにより出費を自らコントロールすることができます。
また、老人ホームなどに入居する場合、住み替えを簡単に済ませることができます。
しかし、年齢や収入によって住み替えが困難となることもあるのでデメリットも考えていかなくてはなりません。
現役時代は賃貸で過ごし、老後に住宅を購入してゆっくり過ごしたい、と考える方もいるでしょう。
しかし、賃貸で過ごしている間は支出のみとなり、資産をうむことはありません。
ですから、長い目で考えればできるだけ早いうちに住宅を購入して、賃貸期間での支出を抑えましょう。
これらのことから老後の生活を踏まえて、将来どんな暮らしをしていきたいか具体的に検討していくことが重要となります。
一概にどちらが安心とは言い切れませんが、老後はどのように生活をしたいのかによって住宅を購入するのか賃貸をするのかを検討していくほうが良いです!
住宅の購入、賃貸、それぞれどんな人がおすすめ?
住宅の購入、賃貸それぞれどんな暮らしをしていきたいかによって選択していく必要があります。
そのために、自分がどちらのスタイルが合っているか判断していきましょう。
それぞれどんな人に購入、賃貸がおすすめなのか解説していきます。
購入の場合
住宅を購入する場合、以下のような人が向いていると言えます。
- 住宅ローン完済見込みがある人
- 安定した収入を得ている人
- 部屋数が多く必要な人
- 貯蓄ができる人
住宅を購入すれば住み替えが難しくなるので、引越し予定がなく、安定した収入を得ている人は購入した方がメリットが大きいと言えます。
家族人数が多く部屋数を必要とする場合、賃貸ではなかなかない間取りとなるので住宅を購入する方がおすすめです。
賃貸の場合
住宅を賃貸する場合、向いているのは以下のような人でしょう。
- 転勤が多い人
- 収入が不安定な人
- 大きな借入をしたくない人
転勤が多かったり、移住をする予定があったりする人は、家の購入は難しくなります。
また、収入が不安定だと決まったローン返済額を払えなくなってしまう可能性があるので、生活スタイルに家賃を合わせることができる賃貸が向いていると言えるでしょう。
まとめ:貯蓄をしておくことで将来の選択肢が広がる
今回は、住宅を購入するか賃貸のままかどちらがお得でどのようなメリット、デメリットがあるのか解説してきました。
住宅を購入する方がやはり安心かと思いますが、最初に大きな費用がかかってしまいます。
貯蓄額がない人にとってはなかなか難しいこととなるでしょう。
将来の暮らしを想像し、その時に合ったライフスタイルを叶えるためには貯蓄をしておくことが大切です。
住宅を購入する場合も賃貸にする場合も、貯蓄をしておくことで将来の選択肢が広がるから、資金運用で早いうちから貯蓄をすることが大切だぞ!