【初心者がまず疑問に思う】為替相場を動かしている人たちとは?

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為替レートは操作できないか?

為替市場でFX初心者がまず疑問に思うことは、為替レートは何によって動くのか、ということではないでしょうか。たとえば、経済指標の数字が良かったから、米ドルが買われて「米ドル/円」が円安になったとか、政治的なイベントが起こったから、「米ドル/円」や「ユーロ/米ドル」が急落したとか、これまでに、為替レートをめぐる動きについての要因はいろいろありました。

しかし、いずれの場合でも、通貨ペアのレートを動かしているのは、通貨ペアを買ったり、売ったりしている人たちであることは間違いありません。

ではいったい、通貨ペアを動かしているのはどんな人たちなのでしょうか。

FXトレードでよく言われることは、「FXは、証券取引のようなインサイダー取引などはまったく通用しない、不正を行いにくい」ということです。

しかし、実際はどうでしょうか。

たとえば、1992年に起きた「ポンド危機」は、世界の投資家として著名なジョージ・ソロス氏が仕掛けたものでした。
大量のポンドを売り浴びせ、レートが下がったところで買い戻すという、まさに、投機的なやり方で大儲けをしました。世界の名門であるイングランド銀行が、ヘッジファンドに屈したかたちになりました。

もう一つは、1997年に起きた「アジア通貨危機」です。これはヘッジファンドを中心とする機関投資家による空売りが原因で、タイやインドネシア、韓国の経済に大打撃を与えました。その3つの国は、IMFの管理下に置かれたことは、記憶まだ新しいところです。

このように、通貨は思わぬかたちで影響を受けることがあります。ですから、通貨には脆弱な点もあることを心して、取引に臨む必要があります。

外国為替市場への参加者

外国為替取引の世界は、貿易取引などの実需よりも、圧倒的に短期で利益を上げる投機的な取引が多くなっています。その割合は、実需1あるいは2対投機9あるいは8ということになっています。

以前は、為替取引といえば、実需が主体でしたが、1998年4月の外為法改正によって、個人に為替取引が解禁されたことで、投機的な取引が格段と増えることになったのです。

では、現在、為替取引に参加しているのは、誰かといえば、都市銀行や地方銀行、信用金庫などの金融機関はもとより、ヘッジファンド、生命保険会社のほか、公的な金融機関であるゆうちょ銀行、かんぽ生命保険、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)、地方公務員共済組合連合会、国家公務員共済組合連合会、私学共済、そして、日銀などです。もちろん、個人投資家は言うまでもありません。

このなかで為替市場に大きな影響を与えているのは、ヘッジファンドです。
国際決済銀行(BIS)の調査では、ヘッジファンドの為替市場での取引量は8%ですが、為替先物取引では約11%、為替スポット取引では約12%、為替ヘッジ取引では約12%と、それなりの量を占めています。

ちなみに、「為替先物取引」とは、別名「フォワード取引」ともいいます。将来のある時期に、あらかじめ決めた価格で売買することを前もって契約しておく外国為替取引のことです。通貨の売買時期は契約日から2日営業日以降であれば、どの日でも選ぶことができます。 

「為替スポット」とは、「直物為替(直物取引)」とも言います。売買した通貨を決済して約定した日から2営業日後に受け渡しをする外国為替取引のことです。個人投資家が行っているFX取引がこれにあたります。

「為替ヘッジ」とは、為替変動リスクを回避する取引のことです。ヘッジファンドと呼ばれるのは、この為替ヘッジを匠に利用して、大きなリターン(収益)を得ていることで、そう呼ばれています。

ヘッジファンドの種類

為替市場で活発に、積極的に取引をしているヘッジファンドには3つの種類があります。「グローバルマクロファンド」と「CTA(Commodity Trading Advisor)」「HFT(High Frequency Trading)の3つです。

グローバルマクロファンドは、その名の通り、マクロ経済や主要国などの金融政策を分析して、その分析に基づいて運用を行うファンドのことです。彼らが得意とするのは市場分析に基づいて、相場のシナリオをつくることです。そのシナリオに沿って、富裕層から集めた投資資金をつぎ込み、大きなリターンを得ることを目的にしています。ときには、前述したようなポンド危機を引き起こすことがあります。

CTAは、高度な統計学を用いて価格動向を分析し、「価格は一度動き出すと同方向に動きやすい」などの相場の特性を読み込んで投資を行います。ですから、彼らの手法は順張りで、トレンドを作り出しながら収益を狙います。

HFTは、超高速取引、超高速売買と言われる取引です。コンピュータに価格や数量、取引時期などをプラグラムで組んで、そのとおりに価格が動いた時点で、自動的に1000の1秒かそれ以下のタイムで売買を繰り返して、利益を狙います。

最近のFX業界は、この超高速取引が主流になってきており、個人投資家は彼らと同じ土俵で勝負をしなければなりません。個人投資家の多くはシステム設備などに割く資金はありません。ですから、超高速取引には勝てません。
だからといって諦めてはFXトレードの楽しさや面白さが半減します。では、これらのヘッジファンドの取引手法にどう対応していったらいいのか。それは、ひたすら自分の手法を信じて、取引を続けていくこと以外に、道はないと思ったほうがいいでしょう。ただ、そういう厳しい世界で戦わなければならないことを、肝には命じておくべきです。

11月から12月がチャンス

短期売買が多い個人投資家にとって、11月から12月はトレンドをつかむチャンスです。というのは、ヘッジファンドの決済時期は11月から12月になっているからです。特ににクリスマス休暇が始まる前は、持っているポジションを手仕舞って、利益を確定するヘッジファンドがほとんでです。

大きな売買が発生することから、上昇トレンドあるいは下降トレンドが発生する可能性が大きいのです。FXトレードの70%から80%がレンジ相場だといわれています。レンジ相場とは、サポートラインとレジスタンスラインの間を価格が上下しながら動く相場のことです。

大きなトレンドが発生するのは、1年のうちほんの数回程度です。ただ、Brexitやスイスフランショックなどが起き場合はそうでもありませんが、大きな政治・経済イベントがないときには、相場はレンジ相場に終始します。

ということは、11月から12月はトレンドが発生するチャンスですので、個人投資家にとっては稼ぎ時となります。この時期はチャートの動きを自分なり分析することが必要となってきます。

機関投資家の投資手法

生命保険や年金などの金融機関の為替投資は、短期的に利益を上げるのではなく、長期的な視野に立って、投資をすすめているのが特徴です。ですから、普段の為替相場に大きなトレンドをもたらすことはなかなかありません。

しかし、彼らがポジションを決済するときにはとても大きなトレンドが発生します。何しろ、投資額が個人とは比べ物にならないくらい大きいからです。

長期的な視点に立っている金融機関の投資スタイルは、節目となる四半期ごとの決済日や、年度末などに決済する機会が多いと言えます。とくに年度末は、新年度予算の関係もあって、ポジションを手仕舞いする金融機関が多いのです。

その時期が、個人投資家にとっては、トレンドに乗じて利益を得る可能性が広がります。

相場に影響を与える日本の個人投資家

外為法が改正されて、個人でもFXトレードができるようになって13年目、2001年9月27日のウォールストリートジャーナルのアメリカ版に、「ミセス・ワタナベによる為替取引の力(The Forex Power of Mrs. Watanabe)」という記事が掲載されました。日本の個人投資家の勢いを報じたものですが、それ以来、ミセス・ワタナベは日本人投資家の代名詞となりました。

FXの世界で、日本の投資家はかなりの数を占めているといわれています。では、実際に稼働しているFX口座数はいくらになるでしょうか。

2019年4月から6月に社団法人金融先物取引業協会が調べた調査結果では、アクティブに活動している口座数は81万強です。
FXの世界的な人口は、ちょっと古いですが、2013年の時点で50万人と言われていました。現在は多少増えているかもしれません。そのうち、日本のFXトレーダーは50%以上だと推計されます。

つまり、世界のFXトレーダーの半数以上は、日本人トレーダーが占めています。したがって、FXの相場を動かす大きな原動力となっているのは、事実なのです。

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